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ロンドンのゲストハウス
sam 27 août 2016

発展し続ける柔道の本質を守りたい - フランス柔道・柔術・剣道等連盟会長 ジャン=リュック・ルージェさん

教育的で道徳的な要素を学べ、社会生活に必要な基礎を養えるのが柔道だ。フランスの柔道人口はおよそ60万人。フランス人初の世界チャンピオンであり、柔道をフランスの国民的スポーツの域にまで育てた現仏柔道・柔術・剣道等連盟会長(FFJDA)のジャン=リュック・ルージェさん。柔道と共に半世紀近くを歩んできたフランス柔道の功労者に聞く。(Texte: Satomi Kusakabe)
ジャン=リュック・ルージェさん
Jean-Luc Rougé
Jean-Luc Rougé1949年5月30日生まれ。13歳で柔道を始める。75年、世界柔道選手権にてフランス人初の金メダルを獲得。その他、選手時代には欧州選手権で4回、フランス選手権で12回の優勝を経験。80年の現役引退後は、仏柔道・武術・剣道等連盟(FFJDA)にて後進の指導に当たるとともに、フランス及び欧州の武道普及と発展に努める。2005年、FFJDA会長に就任し現在に至る。国際柔道連盟8段。

柔道を始めたきっかけは?

1961年の世界選手権パリ大会でオランダのアントン・ヘーシンク選手が優勝したシーンをテレビで見ました。日本の伝統スポーツで西欧人が勝った。アジアとヨーロッパの戦いがとても印象的で興味深かったです。柔道を始めたのはそれから間もなく。当時、フランス柔道は小規模でしたが、私の住む町に柔道クラブがあり、自然と通うようになりました。

柔道で大切なことは何でしょう?

まず大切なのは、肉体エネルギーの有効利用。攻撃するために相手の力を使うことです。「精力善用」「自他共栄」。つまり、我々が進歩できるのは、相手があってこそなのです。

結果とは、克己、つまり己に克(か)つということが理解できたかということ。柔道の「道」は終わりなき道です。道端にいたとしても毎回勝敗を与えられ、道を進み続けます。ときには敗北が、勝利よりも己を前進させることがあるのです。

ルージェさんにとって柔道とは何ですか?

人生そのものです。そして私の思想体系でもあります。日本の文字が象徴的な事象や歴史を語るように、日本人は言葉の制限から放たれた幅広い思想を持っています。そんな日本的な思考法が、私にはしみ込んでいます。

一般的に、始めた頃は柔道を武術だと感じますが、後にそれ以上のものだと気付きます。社会生活を営むために大切なことを学ぶので、柔道とは学校の補習のようなものですね。

パリのInstitut du judo
2008年、パリのInstitut du judoでの鏡開きの式典にて(右から2人目)
©FFJDA

日本とフランスの柔道に違いはありますか?

まず前提として、日本の柔道は柔道の基本です。また、柔道はフェンシングに似ていますね。フェンシングは取り決めのある決闘です。相手を殺せば次の決闘はできません。柔道も、侍の決闘に適さないことは禁じ、相手を傷つけないよう、取り決めのある武術です。安全性が保証され、相手を尊重し、ぎりぎりまですべての技を掛け、完全に自由に1対1の戦いを交えることができます。

異なる点で言いますと、日本では練習量や形稽古(かたげいこ)に、より重きを置いていると思います。練習をたくさんすることで、相手というものを自然の要素にするのです。フランスでは練習の質を重視し、練習時間は短いですね。

他の武道に興味はありますか?

フランスで空手、合気道、テコンドー、カンフーなどを含む武術連盟を創設し、会長を務めました。また私は、柔術や剣道、なぎなた、チャンバラ、そして相撲を含めたフランス連盟の会長でもあります。

フランスでの柔道人気の理由と今後について、どのようにお考えですか?

フランス柔道は発展し続けています。2009年の仏柔道連盟新加盟者は5000人以上でした。増える一方の柔道人口で、特に若者の割合が高いのは、子供の教育方法として親御さんが勧めているからです。柔道は他のスポーツの基礎となる均衡、自制などの、教育的で道徳的な要素を持っているため、子供たちはまず柔道からスポーツを始めます。

今後に関しては、我々は柔道の文化、特別な「一本の文化」を絶対に維持しなければなりません。試合で一本をとる、それは侍の一本を印すこと、つまり相手を制することを意味します。最も大事なのは、最後まで相手を制すること。そのために技は完璧でなければなりません。我々がこの文化を守れるならば、柔道は実践においても、哲学面においても、限りなく発展することでしょう。

2月のグランドスラム・パリ、また8月の世界柔道選手権パリ大会への意気込みをお聞かせください。

毎年2月に行われているグランドスラム・パリ、今年の大会は2012年ロンドン五輪のための選考トーナメントでもあり、とても重要です。また世界選手権のリハーサルとして、新しいことに挑戦してみるのも良いと思っています。

我々は常に1位を狙っています。東京で行われた2010年の世界選手権では日本に次いで2位でしたが、今年8月の世界選手権パリ大会では日本を押さえ、1位を目指します。

外務大臣賞がFFJDAに贈られた
平成22年度外務大臣賞がFFJDAに贈られた。
在仏日本大使公邸にて齋藤大使(左)と。

大会情報

● グランドスラム・パリ2011
毎年開催される国際柔道大会グランドスラム・シリーズのパリ大会。2011年は2月5・6両日にパリ・ベルシー総合体育館にて開催。
入場料:22 ~42€/日

● 世界柔道選手権2011パリ大会
五輪に次ぎ重要とされる柔道の国際大会で、パリは14年ぶりの開催地となる。8月23~28日、パリ・ベルシー総合体育館にて開催。
入場料:22~105€/日

www.ffjudo.com
www.bercy.fr

イギリス 剣道道場「無名士」主催者 テリー・ホルトさん

ドイツ弓道連盟名誉会長 フェリックス・F・ホフさん

 

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*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

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