FacebookツイッターRSS feed
ロンドンのゲストハウス
ven 02 décembre 2016

ビオを知ろう!

有機農産物、有機加工食品を意味する「BIO(ビオ)」。
今やスーパーの売り場でも、ビオ製品の数は増える一方だ。
近年の健康ブーム、自然志向で見直されてきた
食の安全や栄養面、風味などへの関心。
その一方で、「ビオ」「ナチュレル」などの文字が並んだ製品の
増加とともに、それらが「本物」なのか、
効果の違いなどが分かりにくくなっている。
ビオでない一般の製品と比べて具体的に何が異なるのだろうか。
(Texte et photo : Kei Okishima)

フランスにおけるビオの発展

第2次世界大戦後、農業により経済的立ち直りを見せたフランスは、食糧を大量生産することに力を入れたあまり、水質、土壌汚染に悩まされてきた。そこで2007年に行われた環境グルネル会議でフランスは、持続可能な発展を目指し2012年までにフランス国内の有機農業の有効農耕面積を2%から6%まで引き上げることを目標に打ち出した。以後、農家が有機農業に転換するための費用を補助するための予算が組まれ、現在多くの農家が有機農業に取り組み始めている。10年末時点でその面積はまだ2.9%*と目標には程遠いものの、前年比23.5%増の広がりを見せ、フランスにおける有機農業市場は確実に伸びている。

有機農業の開発・促進を担うAgence BIOによると、10年末時点での有機農業従事者数は2万600人と、前年の25%増となっている。更に08年と比べると50%増であり、ここ数年での急激な上昇がうかがえる。

一般製品とビオの比較

ビオ製品の特徴は?

Bio Label耕地面積の増加とともに順調に伸びを見せているのが、消費者によるビオ製品への関心の高さだ。フランスで40%以上の国民が月に最低1度はビオ製品を購入するようになったという*。ビオ製品かどうかを見分けるのに、一番早くて正確なのが、フランス政府が認定する有機農産物認定「AB」ラベルを見つけること。今やフランス国民の約90%の人に認知されるようになったこのラベル*。更に10年7月からは新たにEU加盟国共通のビオラベルを梱包に記すことが義務付けられている*。

ビオ製品の加工・流通業者のための労働組合Synabioにラベル取得についての方法を聞いた。

「ビオラベルを取得するには、さまざまな細かい規則がありますが、第一にビオの基本的な考え方は『人工的に手を加えずに、自然のままにすること』と覚えておいてください。例えば遺伝子組み換えや農薬の使用は禁止、合成着色料や香料、化学調味料を使用せずに加工しなければなりません。また乳製品や肉がビオである場合の条件としては、動物自身の飼料に規定があるのはもちろんのこと、規定以上の広さのスペースで飼育されることも義務付けられています」

温めるだけで食べられるようなビオのレトルトパック。内容を見ると添加物らしき名前の記載があるが、これはどういうことだろうか?

「加工食品の場合、最低でも95%の原材料がビオでなければならず、残りの5%もなるべく自然なものが望まれます。しかし自然界では生産不可能なものもあります。そのようなものに限り人工の添加物など使用可能ですが、これにも制限があり、許可されている物質がリスト化されています。また、製品の一部だけにビオを使用している場合には、ビオラベルは与えられません」

*Agence BIO調査による

ビオ製品

製品の比較

2010年にSynabioが乳製品559個とその他加工食品479個を対象に行った一般製品と認定マーク付ビオ製品の比較結果を見てみよう。

まずこの調査で明らかになったのが、添加物の数、種類の違いである。一般製品に使われている添加物が300種類あったのに対し、ビオ製品では47種類にとどまった。またこの47種類の内訳を見ると、4種類以外は天然の着色料や香料など、残りの4種類は自然の原材料では生産不可能な例外に当たる。

乳製品において添加物が使用されていた割合は、一般製品が73%であるのに対し、ビオでは45%。レトルトパックのような加工食品については、一般製品の97%に添加物が投入されているのに対し、ビオは35%である。全体の傾向として、ビオ製品は加工食品でも添加物の数、量が少なく、原材料も極めて自然なものと言えよう。

「模造品」が作られにくいビオ製品

添加物によって「模造品」を容易に生み出せるようになった今日、消費者にとって確かなものを見分けることが難しくなっている。カエデの樹液を採取して煮詰める天然甘味料であるはずのメープルシロップが、糖と香料で模造されていることが問題になったが、市場に出回っている製品を見渡すと「本物」ではないケースが目立つ。

例えばSynabioが行った調査によると、真っ白なメレンゲがカスタードクリームの上に浮かぶ菓子イル・フロッタントの既製品を見ると、ビオでは牛乳55%、卵25%、砂糖20%、バニラ0.3%を使用しているのに対し、一般食品では17種類もの材料を混ぜ合わせており、その中の11種類が香料や添加物であった。また牛乳の代わりにミルクパウダーが使用され、本来メインのはずの卵は全く入っていなかった。

添加物に頼らず、なるべく手を加えないビオの製品は、このような「模造品」が作られにくい長所が見られる。

ビオの知られざる栄養素

工程の違いにより生まれる栄養素

ビオの製品の利点は、高い栄養素にもある。加工の仕方の違いや農薬を散布しないことにより、本来持っている栄養素が破壊されないためだ。

例えば、ビオの粉で作られるパンはひき臼で粉をひくため、栄養素の多くが捨てられずに利用される。そのためビタミンや食物繊維、鉄分などが多く含まれ、血糖値の調節、コレステロールなど血液中の脂質の状態を改善するのに役立つ。同様に、植物油を作る場合も工程の違いにより栄養素を保つことができる。一般的に価格の安い油は「溶剤抽出法」によって生産されている。これは、種に溶剤を添加して材料から油分を取り出す方法だ。一方、ビオの油には溶剤を投入することが禁止されているため、押しつぶすことにより油分を絞り出す「加圧法」で作られている。その中でも最も効果的なのが、熱を加えずに加圧する「低温圧搾法」で、ほとんどのビオ油がこの方法で生産されている。オイルの劣化、変質を防ぐことのできるこの方法は一番理想的で、植物が本来持つ栄養も保たれる。

他にも、殺虫剤を使用しない果物や野菜にはビタミンや抗アレルギー、動脈硬化作用のあるポリフェノールが多分に含まれていることが分かっている。これらは植物が外からの攻撃や病気から自身を守るために抗体を作り出すために生まれた栄養素だ。また、ビオで育てられた牛のミルクで作られた乳製品にはより多くのオメガ3脂肪酸が含まれているため、栄養素が高い。

ビオの課題

Synabioは、ビオ製品は一般製品に比べて製品に含まれる栄養素を記したラベルが少ないことを指摘する。これはビオを購入する人が「自然なもの」や「環境にやさしいもの」を優先してきたため、栄養素の重要性が、これまでおろそかにされてきたからだ。例えばシリアル食品の表示を例にとって見てみると、一般製品の81%に詳しい栄養素のラベルが張ってるのに対し、ビオのシリアルで同様の説明書きがあったのはわずか5%に過ぎず、58%は無表示のままであった。この表示を強化することで、栄養面からビオを購入する消費者が増加するのではないかとSynabioは考えている。

また、ビオの製品はビタミンやミネラルなどを添加してはいけない。そのため、食品を加工する過程で失われるものをなるべく減らす方法を開発し、品質を高めることが課題である。

ビオ市場

パリのビオ市場で 質問に答えます

毎週日曜日、パリ6区のラスパイユ大通りに、有機食材・製品を扱うパリ最大のビオ市場が出る。野菜や果物はもちろんのこと、肉、魚などの食品からせっけんや洗剤など、あらゆる種類の日用雑貨も並び、朝から大混雑。そんな市場で担当者にビオについての疑問を直撃。

Q1野菜や果物は想像がつきやすいが、例えば1カ所に固定できない蜂などを扱う場合はどうするの?

確かに蜂は移動しますが、一定の地域しか飛びません。この蜂の飛ぶ地域が、ビオ製法で作られている畑ばかりなのです。つまり、蜂が吸う蜜の花や木がビオなので、蜂蜜もビオになるわけです。もちろんそれだけではなく、巣箱に使用している塗料も無機塗料をするなど、蜂蜜作りに触れるものに気を配る必要があります。
(回答者:蜂蜜生産者 ジャン=ポール・クウト氏)

Q2ビオ製品は値段が高い気がします。
どうして?

確かに、ビオの値段は一般商品に比べて10~15%割高です。農薬を使わない分、人手が必要になります。また大量生産ではないため、運輸や配給に掛かる費用も割高になります。また、ビオであることを証明するための検査にも費用が掛かるのです。
(回答者:ビオ食品を推薦する団体Les 3B売り場担当者)

Q3ビオの野菜は形が小さい気がします。
味はいいのですか?

小さいなんてことはありません。ただ、色や形がそれぞれ違います。また、ビオには野菜、果物本来の味があります。そのため、本物の味を知っているご高齢の方には「昔と同じ味」と喜ばれ、農薬をまいて育てられた味がない野菜に慣れてしまった子供からは「これ、野菜?」と驚かれます。
(回答者:ビオ食品を推薦する団体Les 3B売り場担当者)

 

  • Check


*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

バナー
ヘアサロン・ガイド バナー サロン&クリニック・ガイド バナー おすすめフランス語学校 フランスのラーメン、中華麺、うどん、そば - イギリス・フランス・ベルギー・ドイツの麺もの大特集! バナー パリのお弁当やさん