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sam 28 mai 2016

アルペン・スキー フランス代表ジュリアン・リズルー

バンクーバー冬季五輪開催記念 欧州各国の金メダル候補にインタビュー

2010年は、バンクーバー冬季五輪の開催年。今から約1カ月後の2月12日から、ウインター・スポーツの祭典が開かれることになる。そこで新年号では、活躍が期待される欧州各国の代表選手に、今大会への意気込みなどについてインタビューを実施。フランスからは、アルペン・スキーの代表選手に話を聞いた。

「スピード感、恐怖、そしてアドレナリンが魅力」

Julien Lizeroux
Photo by Hajime Yanagisawa
アルペン・スキー フランス代表選手 ジュリアン・リズルー
Julien Lizeroux
1979年9月5日生まれ、サヴォア地方出身。本職は税関員だが、フランス・スキー連盟からの招集にはすべて応じることができる雇用契約を交わしている。2000年からアルペン・スキーのテクニック系種目を本格的に行うようになり、現在は主に回転種目などで活躍。09年には、ヴァルディセール(フランス)で行われた世界選手権の回転と複合で準優勝。キッツビュール(オーストリア)とクラスカ・ゴーラ(スロベニア)でのW杯では回転で優勝した。00年以降は、同じく回転種目のジャン=バチスト・グランジュ選手との二枚看板でフランス代表チームを牽引している。
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スキーを始めたのはいつ頃からですか。

最初にスキーをしたのは、2歳半の時。両親と一緒に地元サヴォアのラ・プラーニュにあるスキー場で滑りました。7歳でラ・プラーニュのスキー・クラブに入り、今でも僕はそのクラブのメンバーです。もともとスポーツ全般が好きでしたが、スキーにのめり込むようになったのは、1992年にフランスのアルベールビルで行われた冬季五輪を観にいってからです。そこでアルペン・スキー種目に惹かれるようになりました。

アルペン・スキーの魅力はどのようなところにあるのでしょうか。

大自然、山脈、滑走、スピード感、恐怖、そしてアドレナリン。アルペン・スキーは、五感すべてを刺激するスポーツだと思います。高揚感の絶頂時などは、全身の神経が研ぎ澄まされます。そして、このスポーツに競技性が加わるとさらに刺激が強くなって、病み付きになってしまうのです。

冬季五輪のフランス代表選手は、どのように選ばれるのですか。選ばれるためには何が必要なのでしょうか。

フランス代表はW杯など世界大会の成績と順位で決定するので、完全な実力主義です。必要なことといえば日々の練習と努力、そして自信を持って挑むこと。種目ごとに、最高4名ずつ選ばれます。

優勝を決めたとき
キッツビュール(オーストリア)で開催されたアルペン・スキーW杯の回転で優勝を決めたときのリズルー選手 Giovanni Auletta/AP/Press Association Images

ライバルをあえて挙げるとすれば、
ストップウオッチになりますかね。

五輪でメダルを得るために、重要なポイントは何ですか。

五輪当日までにコンディションを整えることはもちろんですが、とにかく、当日にすべての力を出し切ってメダルを獲得することが一番重要になります。あとは、グループや競技順位を決めるゼッケンも大切な要素ですね。シーズン中にできるだけ良い成績を残し、良いゼッケンを手に入れること。そして五輪直前となる1月の競技で、自信をつけることです。

フランスのジャン=バチスト・グランジュ選手が最大のライバルと言われていますが、ほかに気になる選手はいますか。

ライバル視する選手は特にいません。あえて挙げるとすれば、ストップウオッチになりますかね。グランジュは僕の大親友です。国外にも仲の良い選手がいて、テッド・リジェティ(米国)、ミカエル・ジャニック(カナダ)、ジェンス・ビッグマーク(スウェーデン)、アクセル・スヴィンダル(ノルウェー)といった選手などとも交遊があります。スキーを通じて世界中にたくさんの友人ができることが、何よりもうれしいです。

スキー競技は身長や体重ごとにクラス分けされていません。身長や体重の違いは競技に影響しますか。

身長差や体重差が結果に直接影響するとは、あまり感じません。選手それぞれ自分の体格に合った走法を身につけているはずなので、体格差による優劣は特にないと思います。ただし、高速系種目である滑降では体重の重い人が有利かもしれませんね。滑降はアルペン5種目の中でもコースが一番長いので、体重が重いほど、その分スピードがどんどん乗ってくると思います。

スーパー複合での滑降
ビーバークリーク(米国)で開催されたアルペン・スキーW杯、スーパー複合での滑降 Charles Krupa/AP/Press Association Images

フランス代表選手として三色旗を背負う気持ちはどうですか。プレッシャーを感じていますか。

オリンピックに限らず、世界選手権やW杯などの国際大会では、常にフランスの国旗を意識します。私自身もフランス人であることに誇りを持っており、国の威信を背負って競技に挑むことで、体全体に心地良い緊張感が行き渡ります。私はその緊張感が大好きです。

競技前に験を担いだりしますか。

特に験を担ぐことはありません。ただ競技とは直接的に関係ないことで習慣的に行うことという意味でいえば、代替医療の一つであるカイロプラクティックが大好きです。治療してもらうと、心身共にリラックスできます。

アルペン・スキー競技のルールは難しいのでしょうか。競技を観戦するときに、ルールの詳細を知っておいた方がより楽しめると思いますか。

基本的にはスタート地点からゴールまで、できる限り早く到達することを目的とするスポーツですから、それ以外のルールを把握していなくとも、競技観戦は十分に楽しめると思います。ただ簡単に説明すると、回転は2回の滑走タイムの合計を競い合います。複合は滑降1本と回転2本の合計タイム。滑降とスーパー大回転は、一度しか滑走しないので見逃さないように。回転系の種目では、ターン間隔が一番狭い区間だと最高時速が150キロにも達するので、競技コース間近で観戦すると、選手はほんの一瞬で通り過ぎていきます。

スキーは娯楽として広く楽しまれているという理由で、スキーのプロ・リーグ化に反対する選手もいます。しかし、プロ・リーグ化のメリットもあるかと思いますが、そうしたことについてフランス・スキー連盟と意見を交わすことはありますか。

スキーは確かにアマチュア・スポーツです。しかし、どのスポーツにもいえることですが、あるレベル以上のことを行おうとすれば、プロ・リーグ化の道は避けて通れないものだと思います。例えば自転車競技がそうですよね。

スキーでも、スポーツ用品メーカーがスポンサーとして我々をバックアップしてくれますし、大会で優勝すれば賞金を得ることができます。しかし、賞金のみで生活できる選手などいません。プロ・リーグができれば、競技に集中できるかもしれませんが、今のところスキー連盟からそういった話を聞いたことはないですね。

フランス代表の合同記者会見
2009年10月に行われたフランス代表の合同記者会見。インタビューを受けているのがリズルー選手 Photo by Hajime Yanagisawa

「腕を高く上げてチャンスをつかみ取れ」って
自分に言い聞かせます。

天候や雪質などが競技に影響するので、スキーは順応のスポーツだとよく言われます。順応性を高めるために、スポンサーとなっているスポーツ用品メーカーに色々と細かい注文を出したりしますか。

少しでも良い成績を残すために、注文は当然行います。そうすることで、メーカーの技術開発にも貢献できるのです。また、あらゆる天候や雪質に対応するために、スキー競技の選手は状況に適した器具を数種類持っています。メーカーとの協議も年間を通して行われるので、競技においては一番良いコンディションの機材を使うことができます。

前回のトリノ五輪は負傷のために出場を逃しました。今年が五輪初参加となりますが、具体的な戦略などはありますか。競技前のシミュレーションはもう始めましたか。

本番に臨むにあたって、特別な戦略を立てることはありません。ただ本番で100%の力が出し切れるようにするということだけです。私はスタート地点に立ったら必ず、「腕を高く上げてチャンスをつかみ取れ」と自分に言い聞かせて気合いを入れます。

スキーの滑降では時速100キロ以上のスピードが出るそうですが、その時、世界はどのように見えますか。

100キロ以上の世界では、すべてが一瞬で過ぎ去る感じがします。高速道路で車の窓から顔を出してみてください。たぶん同じような感覚が味わえると思います。だからスキーの滑降では、すべてが一瞬で過ぎ去っていくという状況の中で瞬時の判断を行うことがとても重要です。

また、ゴールまで集中力を持続させる必要もあります。回転では、体の柔軟な動きや瞬発力も大事です。ゴール間近では太ももはパンパンに腫れ上がり、心拍数も1分間で190回に到達します。どんなに疲れても、冷静さを保たなければなりません。自分の置かれた状況によっては、スタート地点からゴールまでのおよそ1分間をとても長く感じることがあります。しかし、絶好調の時はこの時間があっという間に過ぎていきます。

バンクーバー五輪への意気込みを聞かせてください。

競技までにコンディションを整え、練習を積み重ねることで高い技量を身につけ、それに裏打ちされた自信と共に持っている力をすべて出し切るだけです。ただし、スキー競技の場合は当日の天候やフィールドの雪質によってもタイムが変わるので、結果は運にも大きく左右されます。でも、せっかく参加するのだから、当然メダル獲得を目指します。


2018年冬季五輪の開催地に立候補しているアヌシー市のPR
2018年に行われる冬季五輪の開催地に立候補しているアヌシー市をPRするフランス代表チームとラマ・ヤド・スポーツ担当相(前列左から3人目) Photo by Hajime Yanagisawa

競技解説 スキー競技を大きく分けると、アルペン、ノルディックの2種類がある。すべてのスキーの原形といわれる北欧生まれのノルディックは、スキー板にブーツのつま先部分だけを固定させる。一方でスイスの険しい山岳(アルプス)で進化したとされるアルペンは滑降を目的とし、スキー板にはかかとまでを固定する。アルペンには、滑降、回転、大回転、スーパー大回転、複合(滑降と回転)の5種目があり、それぞれ滑降スピードを競う。コースには旗門と呼ばれる2本1組のポールが随所に立てられ、その旗門を順番に通過しながら滑り降りる。旗門を通過できなかった場合は失格。旗門数、旗門のインターバル、競技コースの長さ、標高差などに各種目の違いがある。

英国
ドイツ

 

2009年 フランスニュースサマリー

RÉTROSPECTIVE 2009 フランスニュースサマリー

1月 Janvier

地中海岸でも積雪
欧州厳冬、凍死8人

欧州各地が厳冬に見舞われる中、温暖な地中海岸のフランス南部マルセイユでも1月7日、所によって20~30センチの積雪を記録した。マルセイユ市内に雪が積もったのは1987年以来だという。(時事)

ダチ法相仏独身法相が女児出産 
父親は明かさず

フランスのラシダ・ダチ法相(43)が1月2日、パリ市内の病院で女児を出産した。ダチ法相は独身で、私生活上のパートナーも明らかになっておらず、地元メディアで父親が誰か憶測を呼んでいる。(共同)

景気悪化後初のゼネスト
交通混乱、教員らも参加-仏

フランス全土で1月29日、政府の経済政策に反発して労働総同盟(CGT)など主要労組が呼び掛けたゼネストが決行され、交通や市民生活が混乱した。米金融危機の余波で昨年秋に欧州の景気が悪化して以来、仏国内で大規模な抗議行動が起きたのは初めて。(時事)

2月 Février

NPA反資本主義新党が発足
仏最左派を結集

フランス政治の最左派勢力を結集する「反資本主義新党」(NPA)が2月7日、発足した。母体となった極左政党「革命的共産主義者同盟」(LCR)の解体・再編を討議する大会の決定で、党員はLCR当時の約3倍、9000人に拡大した。2007年大統領選でLCRの候補となったオリビエ・ブザンスノ氏(34)がNPA創設者としてスポークスマンを務める。(共同)

3月 Mars

ホテル・ブリストル3つ星獲得
ミシュラン・レストランガイド

仏タイヤ大手ミシュランは3月2日、2009年度のレストラン格付けを発表し、パリのホテル・ブリストルがレストラン部門で3つ星を獲得した。ミシュラン・レストランガイドは1900年に創刊された。第一、第二次世界大戦中には発行されなかったことで、2009年度版は創刊100号目を迎える。

サルコジ大統領仏大統領がNATO完全復帰を宣言
世論58%が決断を支持

フランスのサルコジ大統領は3月11日、パリのエコールミリテール(士官学校)で演説し、1966年にフランスが脱退した北大西洋条約機構(NATO)統合軍事機構への完全復帰を宣言した。フランス国内には、ドゴール主義者など一部に完全復帰への反対論がある一方で、世論調査によると58%がサルコジ大統領の決断を支持している。(共同)

仏ソニーフランス社長が一時監禁
工場閉鎖問題で従業員に不満

ソニーフランスのセルジュ・フシェ社長が3月12日夕から13日朝まで、仏南西部ランド県のポントンクスシュルラドゥールにある工場で従業員に監禁される騒ぎがあった。同工場の閉鎖は昨年12月に決まり、フシェ氏はその後社長に就任した。(時事)

4月 Avril

デモ隊が治安部隊と衝突
50人負傷、ホテル放火も

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開催されたフランス東部ストラスブールで4月4日、NATOに抗議する数百人のデモ隊がホテルや国境検問所に放火するなど暴徒化し、治安部隊と衝突。救急関係者によると約50人が負傷した。暴動が最も激しかったのは、独仏国境のライン川に架かる橋のフランス側一帯で、首脳会議が開かれている会議場から5キロほどの場所。(時事)

5月 Mai

インターネット新法案Hadopi
ネット上で論議が加熱

インターネットの不正ダウンロードを取り締まる新法案Hadopiが、仏下院で5月12日、仏上院で13日に可決された。しかし、ウェブデザイナーなどウェブ関連の業種からの反発が強く、ネット掲示板などで論議が加熱している。

SG ブトン会長が辞任
ウデアCEO が会長兼務

フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラル(SG)は5月6日声明を出し、ブトン会長の辞任とウデア最高経営責任者(CEO)(45)の会長就任を取締役会が承認したと発表した。ウデア氏はCEOも兼務する。(時事)

Hadopi 批判でTF1社員解雇
民放局と政府の癒着に疑問

仏民放局TF1のウェブサイトを担当するジェロム・ブロー(31歳)さんが、インターネットの不正ダウンロードを規制するHadopi法案についての批判を行ったという理由でTF1から解雇通告を受けた。

6月 Juin

228人乗り仏旅客機消息絶つ
落雷で大西洋に墜落か

ブラジルのリオデジャネイロからパリのシャルル・ドゴール空港に向かっていたエールフランス447便A330-200(乗客乗員228人)の機影が1日、大西洋上でレーダーから消え消息を絶った。6日には、大西洋上で墜落したエールフランス機の捜索に当たっていたブラジル空軍当局者が、複数の遺体と機体の残骸(ざんがい)を発見した。

仏フェデラー悲願の全仏制覇
6人目のグランドスラム

テニスの全仏オープン最終日は6月7日、パリのローランギャロスで男子シングルス決勝を行い、ロジャー・フェデラー(スイス)がロビン・ソデルリング(スウェーデン)を下し優勝を果たした。フェデラーは1999年にアンドレ・アガシ(米国)が成し遂げて以来となる史上6人目の生涯グランドスラム(4大大会全制覇)を達成。(共同)

議会演説仏国家元首が161年ぶりに議会演説
仏野党は反発

サルコジ仏大統領は6月22日、パリ近郊のベルサイユ宮殿で開かれた上下両院合同会議で演説し、金融危機からの出口戦略などを発表した。仏大統領の議会演説は161年ぶり。大統領権限拡大を警戒する野党側は反発している。(時事)

仏内閣改造、第4次フィヨン内閣発足
元大統領おいミッテラン氏が文化相に

フランスのサルコジ大統領は6月23日、欧州議会選挙での保守系与党圧勝を受けて、フィヨン内閣の大規模な改造を実施。1980-90年代に社会党政権を維持した故ミッテラン元大統領のおいで、ローマでフランス系文化施設の所長を務めるフレデリック・ミッテラン氏を文化相に起用した。(共同)

7月 Juillet

飲食店の付加税が減税
19.6% から5.5%へ

7月1日、フランス国内の飲食店における付加価値税(TVA)の税率がこれまでの19.6%から5.5%に引き下げられた。飲食業のTVA引き下げは、ジャック・シラク前仏大統領が提案した公約のひとつ。サルコジ大統領が前大統領の公約を引き継ぐ形で実現に至った。

仏「奇跡の少女」が仏到着
イエメン機墜落事故

イエメン航空機がアフリカ東岸沖の島国コモロ付近の海上に6月30日に墜落した事故で、唯一の生存者とみられるフランス国籍の少女バヤ・バカリさん(12)が7月2日、パリ郊外のルブルジェ空港に到着し、治療のためパリ市内の病院に搬送された。肋骨(ろっこつ)を骨折し、数カ所にやけどがあるという。(時事)

イランで仏女性大学教員を拘束
仏外務省は釈放を要求

フランス外務省は7月6日、イラン在住のフランス人女性の大学教員がイラン当局からスパイの嫌疑をかけられ、1日から拘束されていると発表した。(共同)

仏大統領が不調訴え病院に搬送
症状は軽く数日後に退院

サルコジ大統領(54)が7月26日、スポーツ中に身体の不調を訴え、病院へ運ばれて医師の診察を受けた。大統領府が声明を発表した。大統領は週末を過ごすパリ西部ベルサイユの私邸でジョギング中に不調を訴えたという。迷走神経の失調は、一時的に失神などを引き起こすことがあるが、フランスの医療関係者は命に危険が及ぶようなことはないとしている。(時事)

フランスで新型インフル初の死者
ベルギーでも1人死亡

フランスの国立衛生監視研究所は7月30日、同国内で新型インフルエンザに感染した若い女性1人が死亡したと発表した。女性は新型インフルエンザのほか、肺に別の感染症を患って重症化しており、新型インフルエンザが直接の死因かどうかは不明という。(共同)

8月 Août

解放された女性仏女性大学講師を保釈
身柄は在イラン仏大使館に

イラン中部イスファハンで大学講師を務めていたフランス人女性クロチルド・レスさん(24)が、イラン大統領選後に「スパイ容疑」で拘束されていた事件で、イラン当局は8月16日、レスさんを保釈、身柄をテヘランのフランス大使館に移送した。フランス大統領府が同日発表した。(共同)

iPhone 画面が破裂し、仏少年がけが
日本や米国でも同様の事故

多機能携帯電話として人気の高いiPhone(アイフォーン)を使用中にスクリーンが破裂するなど事故が2件、フランスで相次いでいたことが分かった。同国メディアが8月13日までに報じた。また南部マルセイユでも7月25日、29歳の男性が会話中にスクリーンに亀裂が入った。(共同)

9月 Septembre

仏大統領ら脅迫で11人拘束
極左系組織が関与か

2009年3月、フランスのサルコジ大統領や閣僚らの殺害をほのめかす脅迫状や銃弾が大統領府などに届いた事件で、捜査当局は9月3日、同国南部ベジエ近くに住む男ら11人を拘束、取り調べを始めた。フランス公共ラジオによると、脅迫状には収監中の極左政党メンバーの釈放を求める内容が含まれており、捜査当局は極左系組織が関与した可能性もあるとみて調べている。(共同)

サントリーが欧飲料大手を買収
26億ユーロで合意へ

米投資会社ブラックストーンなどは9月22日、サントリーホールディングスから、傘下の欧州飲料メーカー大手「オランジーナ」に対する買収提案を受け取ったと発表した。買収額などは明らかになっていないが、欧米メディアによると26億ユーロ(約3500億円)で、ブラックストーンなどは売却に応じる方針という。(共同)

ウィリー・ロニス氏死去
巨匠とよばれたフランスの写真家

フランスの写真家ウィリー・ロニス氏が12日、パリで死去、99歳。パリ生まれ。父が経営していた写真館を継いだが、写真家に転じ、第2次大戦後、復興するパリの街角や庶民を撮影した人間味あふれる写真で有名になった。ファッションや広告写真も手掛け、フランスではロベール・ドアノーらと並ぶ巨匠と呼ばれた。(時事)

F1 ルノーは猶予付きで資格停止
チームは事故指示認める

パリ発のAP 通信が報じたところによると、自動車 F1シリーズを統括する国際自動車連盟(FIA)は9月21日、パリで開いた世界モータースポーツ評議会で、ドライバーに指示して故意に事故を起こさせたことを認めたルノーに2年間の猶予付きの資格停止処分を科すと発表した。ルノーは猶予期間中にFIAのルールに違反した場合、永久資格停止となる。(共同)

10月 Octobre

著作めぐる騒動で仏文化相窮地
辞任はしない考え

フランスのミッテラン文化相は10月8日、過去の自伝的小説で同性愛や買春を告白し極右政党から辞任を求められた問題で、同国テレビのインタビューに応じ「過ちは犯したが犯罪ではない」とし、辞任する考えがないことを明らかにした。(共同)

仏前首相に猶予付き求刑仏前首相に猶予付き求刑
虚偽告発事件で検察

フランスのドビルパン前首相が2004年、政敵のサルコジ氏(現大統領)を陥れるためうその情報を捜査当局に流したとされる虚偽告発事件の公判で、同国検察は10月20日、前首相に対し、執行猶予付きの懲役1年6月と4万5000ユーロの罰金支払いを求刑した。(共同)

11月 Novembre

レビストロース氏思想家のレビストロース氏死去
構造主義の巨人

20世紀フランスを代表する思想家で社会人類学者のクロード・レビストロース氏が10月30日、死去した。100歳。親族が11月3日明らかにした。葬儀は近親者だけで11月2日に営まれた。サルコジ大統領は3日の声明で「あらゆる時代を通じて最も偉大な民族学者であり、疲れを知らない人文主義者だった」と哀悼の意を表した。(共同)

政権中枢の実名暴露
武器密輸事件で元仏内相

1993-98年に内戦中のアフリカ・アンゴラへの武器密輸事件に関与したとして、実刑判決を受けたフランスのシャルル・パスクア元内相は11月12日、記者会見し、当時のシラク大統領や政権中枢のメンバーが密輸を把握していたと実名を挙げて暴露した。(共同)

EU大統領にベルギー首相が就任
初代はファンロンパイ氏

欧州連合(EU)は11月19日、ブリュッセルで臨時首脳会議を開き、新設する「EU大統領」(首脳会議の常任議長)にベルギーのヘルマン・ファンロンパイ首相(62)を選出、EU外交安全保障上級代表(外相に相当)に英国出身のキャサリン・アシュトン欧州委員(通商担当)(53)を指名した。決定はいずれも全会一致。(共同)

12月 Décembre

パリの名所が軒並み閉鎖
人員削減に抗議

ルーブル美術館やベルサイユ宮殿などパリと周辺の多くの観光スポットで12月3日までに、従業員らがフランス政府の人員削減策に抗議してストライキ入りし、施設が閉鎖された。労組と政府は同日、事態打開を目指し交渉したが決裂。労組は無期限ストを呼び掛けており、観光地の閉鎖は当分続く見通しとなった。(共同)


RÉTROSPECTIVE 2009 日本ニュースサマリー


1月 Janvier

派遣村失業者らに貸し付け

厚生労働省は1月7日、都内4カ所の公共施設に宿泊している「年越し派遣村」の失業者らに対し、仕事や住居探しに必要な当面の資金として、生活保護申請者には保護が決定することを前提に1万円、申請をしていない人には5万円を貸し付けると支援者に伝えた。

2月 Février

日本映画2本がアカデミー賞受賞

映画界最大の祭典、第81回米アカデミー賞の発表・授賞式が2月22日ロサンゼルスで開かれ、滝田洋二郎監督の「おくりびと」が外国語映画賞、短編アニメ賞に加藤久仁生監督の「つみきのいえ」が選ばれた。日本映画の2冠獲得は1955年に「地獄門」が名誉賞(外国語映画賞)と衣装賞を受賞して以来、54年ぶり2度目。

3月 Mars

将棋の中原16世名人が引退

将棋の中原誠16世名人(61)は3月11日、東京都渋谷区の将棋会館で現役引退を発表した。名人15期、棋聖16期のほか、王将、棋王など通算タイトル64期は故大山康晴15世名人の80期、羽生善治名人(38)の71期に次ぐ史上3位。

4月 Avril

三菱UFJ 証券、4万9000人の顧客情報流出

三菱UFJ証券は4月8日、同社システム部の部長代理(44)が、全国の約4万9000 人分の氏名や年収区分などが入った顧客情報を不正に取得し、名簿業者に売却したと発表した。同社は8日付で部長代理を懲戒解雇。大手金融機関の顧客情報が社員によって売却されるのは極めて異例。

5月 Mai

歌手の忌野清志郎さんが死去

ロックバンドRCサクセションのボーカルとして「雨あがりの夜空に」などのヒットを放った歌手の忌野清志郎(いまわのきよしろう)さんが5月2日午前零時51分、がん性リンパ管症のため東京都内の病院で死去した。58歳。

民主新代表に鳩山氏、社民、国新と連立

民主党代表選は5月16日、都内のホテルで行われた党所属国会議員による投票の結果、鳩山由紀夫幹事長(62)が岡田克也副代表(55)を破り、新代表に選出された。

6月 Juin

千葉市で全国最年少の市長が誕生

収賄罪で起訴された前市長辞職に伴う千葉市長選は6月14日投開票され、無所属新人の元市議熊谷俊人氏(31)=民主推薦、社民支持=が、無所属の前副市長林孝二郎氏(63)=自民、公明推薦=ら2 新人を大差で破り、初当選を果たした。

派遣村が「閉村」

労組や市民団体でつくる派遣村実行委員会は6月28日、活動の意義や今後の課題を討議するシンポジウムを東京・浅草で開き、派遣村を「閉村」した。派遣村を頼った失業者らに実施したアンケートでは、就職できた人は約1割にとどまり半数が今も求職中。

7月 Juillet

日本で46年ぶりの皆既日食

月が太陽を完全に覆い隠す皆既日食が7月22日、鹿児島・トカラ列島や奄美大島北部などで起きた。日本の陸地でこの壮大な天体ショーを観測できるチャンスは、1963年7月21日の北海道以来、46年ぶりだったが、多くの天文ファンが訪れたトカラ列島の悪石島や奄美大島の観測場所では、雨や雲のため黒い太陽を見ることはできなかった。次回の日本での皆既日食は26年後の2035年9月、北陸や北関東で観測される。

8月 Août

民主が308議席獲得し圧勝

第45回衆院選は8月31日未明、全議席が確定。民主党が308議席を獲得し圧勝、政権交代が確定した。野党第1党が選挙で過半数を取り政権を奪取するのは戦後初めて。9月中旬の特別国会で鳩山由紀夫代表が首相に選出され、社民、国民新両党との連立内閣が発足する。新与党は衆参両院で過半数を占めるため「ねじれ」は解消する。

9月 Septembre

民社国が連立で合意

民主、社民、国民新3党は9月9日夕、党首会談を国会内で開き、連立政権を樹立することで正式合意した。民主党の鳩山由紀夫代表は社民党の福島瑞穂党首、国民新党の亀井静香代表に対し、両党党首級の入閣を要請。これを受け福島、亀井両氏の入閣が内定した。

第93代首相に鳩山氏

第172特別国会が9月16日召集され、民主党の鳩山由紀夫代表(62)は同日午後、衆院本会議で第93代、60人目の首相に選出された。麻生内閣は16日午前の臨時閣議で総辞職した。在任期間は358日間だった。

10月 Octobre

成人年齢引き下げ案まとまる

政府の法制審議会(法相の諮問機関)は10月28日の総会で、民法の成人年齢について「18歳に引き下げるのが適当」との意見をとりまとめ、千葉景子法相に答申した。憲法改正のための国民投票法は、18歳成人を10年5月の施行までに検討、必要な立法措置を行うとしているが、この期限に法改正を間に合わせるのは困難な情勢。

三遊亭円楽さん死去

情感あふれる話芸で知られ、20年以上にわたり人気テレビ番組「笑点」の司会者として親しまれた落語家の三遊亭円楽(本名吉河寛海よしかわひろうみ)さんが10月29日午前8時15分、肺がんのため東京都中野区の自宅で死去した。76歳。

11月 Novembre

市橋容疑者をついに逮捕

千葉県市川市のマンションで2007年3月、英国籍の英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22)の遺体が見つかった事件で、大阪府警は11月10日夜、死体遺棄容疑で指名手配中の無職市橋達也容疑者(30)を逮捕した。大阪府警が大阪市住之江区のフェリー乗り場で発見、指紋で確認した。

ファミマがam/pmを買収

コンビニエンスストア3位のファミリーマートは11月13日、同7位の「am/pmジャパン」を買収すると正式発表した。am/pmの親会社で焼き肉チェーン「牛角」などを展開するレックス・ホールディングスから全株式を12月24日付で取得。買収金額は120億円で、来春をめどに合併を目指す。店舗名はファミリーマートに一本化する。

12月 Décembre

2010年W 杯、日本は初戦カメルーン

来年6月11日に開幕するサッカーの2010 年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の1次リーグ組み合わせ抽選会が12月4日、南アのケープタウンで行われ、日本は過去2度の準優勝を誇るオランダ、1990年大会8強のカメルーン、欧州予選1組を1位通過したデンマークとE組に入り、いずれも格上と対戦することになった。

 

国境なき医師団

Médecin Sans Frontière
小さな助けが大きな救いに

国境なき医師団

MeÅLdecins Sans Frontiéres栄養失調に苦しむ生後6カ月から3歳までの子供のために栄養治療食 を配る国境なき医師団。ニジェール

街はクリスマス色に彩られ、百貨店では年末商戦がスタート。忙しく行き交う人々の顔もどことなくうれしそうだ。しかし世の中の人々全てが喜びの中にあるわけではない。予測不能な天災や飢饉、病原菌など……。そんな人々に笑顔を届けるべく活躍する人道支援団体が世界に数多く存在する。その中から、現仏外務大臣らが立ち上げ1999年にはノーベル平和賞を受賞した国境なき医師団を紹介する。(編集部 柳澤創、取材協力:国境なき医師団フランス支部)

国境なき医師団の誕生

1971年12月20日、人道的援助を目的とした団体が誕生した。1968年から1970年にかけて内戦中のナイジェリアのビアフラへ赤十字の医療支援活動のために派遣されたフランス人医師とジャーナリストが中心となって設立されたこの団体は、全ての人が医療を受ける権利があり、また医療の必要性は国境よりも重要だという信念に基づき「国境なき医師団(Médecins Sans Frontières)」と名付けられた(国境なき記者団の名称は、国境なき医師団の理念を参考に付けられたとされる)。

19世紀に誕生した赤十字は、敵味方を区別しない中立機関として人道的支援を行う国境を越えた医療活動の先駆けといえる。しかし、必ずしも良い部分にのみ作用するわけではない。年月と共に強大化した赤十字は、次第に政治的制約なども付加され、時に本来あるべき活動に制限が掛かるようになった。そんな赤十字の限界を感じた医師やジャーナリストによって国境なき医師団は誕生したのだ。現在では、世界70カ国で4700人の医療スタッフが活動を行っており、災害や紛争地域にはどの団体よりも早く現地入りすることで知られている。

活動の透明性:証言活動

国境なき医師団の活動フィールドは、紛争地域、貧困地域、自然災害発生地域など広範囲。活動内容も、診察、外科手術、予防接種などの医療行為の他に、物資の援助や生活環境の改善など多岐にわたる。中でも代表的な活動のひとつが、メディアに向ける証言活動だ。国境なき医師団の証言は、活動地域の治安や紛争、衛生問題などさまざまな事項の分析調査に基づいたもので、情勢が不安定な国の政府に対しては警告を行い、被災地に関しては被害状況を分析した上で必要な物資の救援を要請する。国境なき医師団は国連や各NGO団体と連携して活動することが多いが、国連や赤十字などが活動フィールドでうまく機能しない場合には、証言活動を通じて批判することもある。しかし、この地道な証言活動が迅速な援助活動を可能にしてきたのだ。これまでに数々の賞を受賞しており、1999年に国境なき医師団はノーベル平和賞を受賞した。

医療援助だけではなく人道的活動

1999年10月、ノルウェーのノーベル賞委員会は、設立から28年間の功績をたたえて国境なき医師団をその年のノーベル平和賞に選んだことを発表した。

国境なき医師団といえば、団体名も助け医療援助団体というイメージが強い。しかし国境なき医師団フランス支部の広報は、ノーベル賞を受賞した1999年より行われている「必須医薬品キャンペーン」や2007年に開始した「栄養治療」キャンペーンなど、本来最もメディアなどに取り上げてもらいたい活動内容が国境なき医師団の医療活動の陰に隠れてしまうのが残念だと言う。国境なき医師団の活動目的が医療援助のみでないということは、1999年12月10日のノーベル賞授賞式で行われた国境なき医師団インターナショナル会長(当時)ジェームズ・オルビンスキー氏のスピーチにも現れている。

「私たちは危機的な状況にある人々を助けるため行動します。ですがこの行動に満足しているわけではありません。困っている人々に医療援助を行うことは、人間としての彼らの存在を脅かすものから彼らを守る試みなのです。人道的な活動は単なる寄付や慈善事業以上のものです。尋常な状態ではない地域に尋常な空間を築くことを意図しています。物質的に援助する以上に、一人ひとりが人間としての権利や尊厳を取り戻せることを求めているのです。私たちは独立したボランティア組織として、医療援助を必要としている人々に直接施療する立場をとっています。しかし私たちは真空空間で活動しているわけでもなければ、風に向かって語っているのでもありません。支援したい、変化を起こしたい、不正を暴きたいというはっきりした意志をもって行動しているのです。私たちの行動、声は憤 りを示す行為であり、直接的にせよ間接的にせよ他人に対する攻撃は認めないという拒否の態度なのです」(国境なき医師団日本支部公式サイトより)。

医療援助関連のキャンペーン

患者に適切な治療を施すために必要となるのが、医薬品などを含む医療ツールをそろえること。国境なき医師団は「必須医薬品キャンペーン」を1999年から開始した。

医療援助を求める国での問題は大きく分けて2つある。必要な医薬品が高価であることと、多くの病気の治療方法が存在しないことだ。医薬品の開発企業は、新薬を開発すると特許権により20年間は専売権が与えられる。この特許権が医薬品の価格引き上げの大きな要因だ。もちろん、医薬品の価格は年月と共に下がるが、それでも貧しい国にとっては依然医薬品は高価な物資であることに変わりはない。治療法に関しても同じ問題が指摘できる。病気に効果的な治療法が発見されても、治療試験や薬事法に基づく医薬品の登録など多くの行程を経なくてはならず、医療現場で使用可能となるまでに時間が掛かる。また、治療法や新薬の研究は、将来の市場を念頭に置い て進められているため、過去30年間で発売された医薬品の中で熱帯病や結核を対象としたものは全体の1%に過ぎない(国境なき医師団調査)。

とはいえ、キャンペーン開始から10年が経過し改善点や変化も訪れている。例えば、特許権の消滅した先発医薬品が特許保有企業以外から後発医薬品として発売されるジェネリック競争。発売される後発医薬品は先発医薬品と同じ主成分を含んでいるにも関わらず、特許権による専売権が無いため遙かに安価だ。これに伴い、治療費が従来の1%程度までに引き下がるケースもある。

地道な証言活動によって、アフリカ睡眠病、内臓リーシュマニア症、シャーガス病、マラリアなど製薬業界の研究開発の対象となっていない「顧みられない病気」に関しての関心も高まり、非営利の医薬品開発パートナーシップが複数設立された(国境なき医師団も2003年に「顧みられない病気のためのイニシアティブ(DNDi : Drugs for Neglected Diseases initiative)」を他機関と共同で設立している)。

貧しい国ではびこる難病の治療法開発。栄養失調を防ぐための栄養治療食(RUF)の生産と利用拡大。アルテシミニン誘導体と他の抗マラリア薬の併用によるマラリアの新療法(ACT)の普及など、国境なき医師団の課題は常に多い。

活動フィールドは先進国内にも

人命救済や医療援助というと紛争地域や天災の発生した被災地をまっ先に想像するが、国境なき医師団の活動の場は先進国内にもある。路上生活者の保護や、貧困層の医療アクセスなどがそうだ。例えばフランスでは、経済的に有料の社会保障制度に加入できない貧困層のためにCouverture Maladie Universelle(CMU)という医療制度が2000年に誕生した。これは、フランスに住む社会保障制度未加入のフランス人および外国人全てが無料で加入できる制度(不法滞在の低所得の移民にはAide médicale d'État(AME)という医療費負担制度も存在する)。しかし、仏政府は国の負担が大き過ぎるという理由でこれまでに何度か制度改定(一部有料化など)を検討している(2008年のAMEの国負担は年間4億9000万ユーロだった)。国境なき医師団は、このような政府の行為に対しても警告を発しているのだ。

もちろん、先進国内だからこそ行える寄付金や物資の呼びかけなども定期的に行っており、講演会や展示会などを通じて活動の理解を広めている。国境なき医師団日本支部の公式サイトによれば、2009年8月27日現在の年間総収入は、67億5400万ユーロで、そのうち個人寄付が全体の86.9%、58億7400万ユーロとなっている。

国境なき医師団に参加するには

国境なき医師団では医師、看護師、薬剤師や疫学の専門家など医療関連の人材の他に物資調達管理や財務人事管理、車両保守、建設専門家など現場での活動をサポートする人材を募っている。どの分野でも必要となるのが語学力。基本的には英語力だが、赴任先によってはフランス語やスペイン語などの語学力も必要となってくる。医療関連の経験者でなくとも応募は可能。詳しい募集要項や待遇、そして派遣者の声などは各支部の公式サイトで紹介されているので、興味のある人は是非参加してみよう。

また、公式サイトのオンラインフォームから寄付も可能。現場での活動は不可能でも、国境なき医師団の活動に参加出来る。

国境なき医師団(日本支部) www.msf.or.jp
国境なき医師団(フランス支部) www.msf.fr

国境なき医師団の活動原則
1. 第一に医療援助活動
2. 証言活動
3. 医療倫理の遵守
4. 人権の擁護
5. 独立性への配慮
6. 基本原則:公平性
7. 中立性の精神
8. 義務と透明性
9. ボランティアからなる組織
10. メンバー一人ひとりが参加し動かす組織
国境なき医師団

国境なき医師団設立の署名式。1971年 © François Leduc


1999年12月10日。ノーベル平和賞授賞式後にインタビューを受ける国境なき医師団のマリー=イブ・ラグノー医師(中央)とその同僚(右) © Patrick Robert/Sygma/Corbis


2008年8月にメキシコで行われた第17回国際エイズ会議。国境なき医師団は現場での医療援助の他にも証言活動を積極的に行っている © Marcell Nimfuehr/MSF Mexico 2008


採血をする国境なき医師団の医師。マラリア治療も国境なき医師団が積極的に行っているキャンペーンのひとつ © Anna-Karin Moden/MSF Sierra Leone 2008


世界中から集められた寄付金を元に国境なき医師団は医療物資や栄養治療食を支援している © Asako Tamura/MSF Pakistan 2005


2008年5月、大型サイクロン「Nargis」が直撃したミャンマーに支援物資を運ぶカーゴが到着 © Renzo Fricke / MSF Myanmar 2008


熱帯や亜熱帯地域ではびこる感染病リーシュマニア症の治療に訪れた親子 © Susan Sandars/MSF Kenya 2008


天災被害を被った地域では支援物資は、現地人の協力の下に水路などを使い行われることもある © Michel Peremans /MSF Myanmar 2008

 

病院へ行こう! - フランス医療制度を知る

主治医制度?払い戻し?未知なるフランス医療制度を知る
病院へ行こう!

主治医制度、診察の完全予約制、医薬分業、社会保障や民間保険による払い戻し制度……。我々日本人にとっては、痛みを我慢したくなるほどにややこしさを感じるフランスの医療機関の仕組み。とはいうものの、いつ何時、我慢できない痛みがやってくるか分かりません。いざという時のためにも知って損ナシ、フランス医療制度を学びましょう。

取材/樋野ハト、中川さやか 取材協力/ Dr.Olivier Drain イラスト/熊猫手作業社

1病気になったらまずどこへ?
フランス的医療機関の仕組み

フランスの医療機関の仕組みが日本と最も異なる点は、分業制が徹底されていること。初診から入院までの経緯を全て1カ所で完結できる日本と異なり、診察、薬、検査を受ける場所がそれぞれ独立しており、少々手間の掛かるシステムなのだ。一般的な経緯としては、病気になったらまず自分の主治医(Médecin Traitant)のところへ行き、その医師の判断により処方せんを受けたり検査の指示を受けたり、必要とあらば専門医や総合病院の医師を紹介してもらう。日本のように、初診で公立総合病院などの専門医に掛かることは出来ない。もちろん、救急患者として総合病院の救急受付を利用する場合の経緯は例外。また、私立の医療機関(総合私立病院・専門私立病院)を利用する場合は、このような一般的な経緯を経ず、公立機関よりも迅速に専門医の治療を受けることが可能。

フランスの医療機関は、手続きは面倒ながらも医療費の払い戻しがあり、難しい技術を要する手術は無料になるなど患者の負担が少ないのが魅力的な一方で、病院専門医の予約の取りにくさや診察のやり直しなど、治療に相当な時間が掛かることや、30年来変わらない規定医療費の一部(手術の料金など)は医師たちにとっても大きな問題となっているようだ。

フランス医療の流れ

2まずは主治医のところへ
主治医"Médecin Traitant"の役目

フランスでは、主治医制度が推奨されている(義務ではない)。フランス人は通常、両親と同じ主治医にしたり、自宅の近所の開業医・一般内科医師(Médecin généraliste)に主治医の依頼をすることが多い。日本では初診で専門医に診てもらうことは普通だが、フランスではまず主治医のところへ行き病状を伝え、専門医を紹介してもらうという仕組み。紹介なく専門医に掛かると医療費が割高になり、主治医を通した方が割安になる場合もある。主治医は、患者の病歴やワクチン接種歴、検診内容を把握し、健康管理と指導を行う役目も担う一方、専門的な治療や手術が必要と診断すれば、専門医や総合病院を紹介してくれるパイプ役でもある。

主治医探しをするなら、まずは近隣の薬局へ。薬局は近所の医師情報を最も良く知る場所であるため、おすすめの医師を何人か教えてくれるはず。病気のことは日本語で安心して話したいというなら、日本語の通じる医師に依頼するのもいい。

パリの診療室
パリの場合はアパートやオフィスビルの一室が診察所・待合室になっている。開業医は問診や触診、聴診などの診察が主なため、診察室内は一見、オフィスや家のような雰囲気。

Assurance MaladieAssurance Maladie

サイト内のAdresse&Tarifs にて、医師名・専門分野・郵便番号・都市名などから各医師の情報が検索可能。協定医であるかの是非、属するセクターや診察料金などを知ることができる(www.ameli.fr) 。

主治医申告書
主治医申告書Déclaration de choix
du médecin traitant

主治医になってもらう場合は、まず医師から病歴や予防接種歴、健康状態についての問診を受け、主治医申告書に必要事項及び当人と医師双方のサインを記入し、管轄区の医療保険 (Assurance Maladie)へ送付すれば登録が完了。申告書は医療保険(www.ameli.fr)のサイトからダウンロード可能。

3急な病気や事故の時は?
緊急時なら病院の救急受付(Urgence)へ

フランスでは、急を要する場合でも即時対応してもらえないのが現状。急を要する場合や、日曜日や深夜の場合などは、総合病院の急患受付(Urgence)に直接行くのがベスト。フランス語に不安がなければ、救急医師サービスSOS Médecinsに電話をして指示を仰ぐ方法もある。自分で直接病院へ行けない最悪の状況ならば、医師が車内で医療行為をしながら救急病院へ搬送してくれる公的機関のSAMUか、民間救急会社による医者付きではない救急車(Ambulances)を利用する。ちなみに救急車は有料で、51.30~63.81€+走行距離(2.12€/km)。

フランス全土の救急対応施設
● SAMU(医師同乗救急車)TEL : 15
● Ambulances(www.annuairesante.com
*フランス全土のAmbulances 連絡先リスト有
● SOS Médecin(www.sosmedecins-france.fr
*フランス全土の緊急医師リスト有

パリ市内の救急対応施設
● Assistance Publique Hôpitaux de Paris(www.aphp.fr
*パリ市内の救急公立総合病院リスト有
● パリ救急医師会 Urgences Médicales de Paris(www.ump.fr) 
TEL : 01 53 94 94 94
● 救急歯科 SOS Dentiste TEL : 01 43 37 51 00
87, bd Port-Royal 75013 Paris 夜間・休日も受付
● 救急眼科 SOS Ophthalmologie TEL : 01 47 07 64 64

4公立と私立でどう違う?
総合病院での診察・治療について

専門開業医がさらに専門的な治療や手術・入院が必要と判断したときは、専門医が病院へ紹介状を書いてくれる。患者は、指示された病院の専門医に電話で予約を取ることになるが、ここで要注意!公立病院の場合、初診で予約を取るのに平均2カ月、バカンスなどが入れば3カ月待ちも普通であることを覚悟しておこう。なお、一般的に難しい手術などを要する場合は、公立の総合病院で行われる。治療費は安いが時間と手間が掛かる公立に対し、私立病院は医療費が高額ながらも、直接専門医へ診察を依頼でき、処置の早さや上質なサービス、ひとりの医師が一貫して診てくれる安心感が魅力。私立と公立、それぞれに利点があるのだ。

医療施設の違い

診療所 Cabinet
一般内科医や専門医など、開業医による医院。

診療センター Centre Médical / Centre de santé
診療所より規模が大きいが入院は扱わない。複数の専門医が在籍。
「Centre Médical Radiologique et Dentaire Saint-Michel」は15種の専門医が在籍。予約なしでOK、土曜日も営業しており便利。
www.centredesantesaintmichel.com

公立総合病院 Assistance publique
入院や手術の設備を整えた一般的な総合病院。

公立大学病院センター Centre hospitalier universitaire
医学研究や医師の養成も兼ねた総合病院。
フランスでは医学部があるのは国立大学のみ。

私立総合病院 Hôpital Privé
海外の旅行保険も利く。
パリ近郊のアメリカン・ホスピタルなどが代表的。

私立専門病院 Clinique Privé
専門分野に特化した病院。手術や入設備を整えている所もある。

5開業医・病院へ行くときの必需品
Carte Vitale とMutuelle の話

Carte Vitale は、日本で言う健康保険証。フランスで就労する人は外国人であっても国民健康保険を含む社会保障に強制加入となり、Carte Vitale を受け取ることが出来る。フランスの医療機関を利用する際、このカードがあれば規定医療費の70%の払い戻しを受けられるが、なければ100%自己負担となる。Mutuelleとは民間の共済組合・相互保険のことで、加入していると、さらに医療費の払い戻しが受けられる。なお、Mutuelle からの払い戻し率は各自の契約内容によって異なる。高い掛け金を支払っていれば残り30%全額の払い戻しが受けられたり、救急車利用、入院費用、手術などの自己負担分も全額適応されるなど、その違いは大きい。

Carte Vitale

Carte VitaleICチップ付きのカードで、被保険者の社会保障番号や生年月日、住所などのデータが記録されている。有効期限があるので、定期的に最寄りのAssurance Maladie へ行き、専用のカード機でデータ更新を。

Carte Européenne d'assurance maladie

Carte Européenne d'assurance maladieCarte Européenne は、EU諸国内で有効な健康保険証。EU諸国内で治療が必要になった時に保険が利くため、バカンスで近隣諸国に出かける時などは持っておくと便利。申請方法はwww.ameli.fr

6検査は病院にてあらず
数々の専門検査機関の存在

専門検査機関日本の病院なら、治療に必要な検査は病院で行うのが普通だが、フランスの場合は違う。医師から必要な検査リストを渡されるので、レントゲンが必要ならレントゲン医へ、エコーが必要ならその専門医へ、血液検査や臨床検査はそれぞれの専門検査機関に赴くなど、それぞれ異なる機関で検査を受けなくてはならない(急患は別)。予約が必要な検査機関もあり、次の診察までに検査結果をそろえるのもひと仕事。検査の際には、医師から出された検査指示書を提出する。検査結果が後日の場合は、郵送か受け取りに行くかを選べ、同時に医師にも結果が送られる仕組みになっている。もちろん、検査料も社会保障による医療費払い戻しの対象。

Carte de Groupe Sanguin et Facteur Rhésus

血液カードフランスで初めて血液検査をする場合はその旨を伝え、血液タイプが詳細に書かれてある血液カードをもらっておくといい。ラボにて無料で作成してくれる。このカードは、医師や検査機関、入院期間中などに、しばしば掲示を求められることがある。

7手術・入院することになったら?
フランス的入院生活のあれこれ

入院生活や設備は、基本的に日本の病院と変わらない。個室はシャワーとトイレ付きで快適な造りだ。ただ公立病院の場合、入院日数 は最小限にとどめられていて、開腹手術をしても4日で退院という対応もまれではない。入院の際には、盗難被害の責任は病院で持た ないという契約書にサインをする。「病院=安全なところ」という概念はこの国には通用しない。実際に病室での盗難が多いため現金や高価な物は極力持って行かないように。病状にもよりけりだが、食事は1日3回。食事が治療に差し支えない場合はこってりソースの肉料理。固形物が食べられない場合はヨーグルト+フルーツのピュレ。朝食はバゲット&コーヒーなどが出てきたりするのがフランスらしくて新鮮だが、おかゆが食べたくなるのも事実。

フランス的入院生活

8医療費のお支払い事情
診察料はいくら掛かるか?

フランスの医師は、まず社会保障協定医と非協定医の2者に分けられる。協定医の診察料は払い戻しの対象となるが、非協定医は対象外で、診察料も自由に設定されている。医師からも らう請求用紙を、居住区のAssurance Maladie に送付すると払い戻しが受けられるが、近年 は払い戻し金額を差し引いて清算をしてくれる医療機関や薬局も増えている。なお、Mutuelle に加入しているとMutuelle からの払い戻しも受けられる。

社会保障協定医師診察料

● 一般内科医の規定診察料:22€(24.20€、26.40€の地域もある)
● 専門医の基本診察料:23€

※ 協定医はセクター1と2に分かれており、セクター2に属している医師(総合病院との掛け持ちをしている医師や技術力の高い医師など)は規定料金以上の料金を設定することが可能。パリ市内では、約60〜100€前後が相場。

払い戻し率

● 診察・治療費 70% 
● 臨床検査 60%  
● 薬代 35 ~ 65% 
● 入院や手術費 80%

※ 払い戻し率は規定金額が対象で、支払った金額ではない。例えばセクター2に属する医師の診察料が62€だった場合、払い戻しは22€の70%分で、規定診察料との差額40€は自己負担ということになる。

日本語の通じる&日本語通訳付きの医師&病院リスト

* 基本的には予約制なので必ず電話で予約を入れよう

総合病院

Hopital Americain(私立総合病院)
www.american-hospital.org
日本人医師の三村佳弘医師が常駐
63, bd Victor Hugo 92200 Neuilly-Sur-Seine
TEL : 01 46 41 25 25(代表)
TEL : 01 46 41 25 15(日本語受付:平日9:00 ~ 18:00、緊急時は24時間)
TEL : 01 46 41 26 16(三村医師への予約専用電話)
月~金9:00 ~ 18:00(夜間・休日緊急時は24時間日本語電話サービス有)

一般内科

近藤毅医師 
Dr. Takeshi Kondo(循環器内科・一般内科)

55, av du Maine 75014 Paris
TEL : 01 42 79 03 81
月17:30 ~ 19:00、火17:00 ~ 19:00、水15:00 ~ 16:00、
木16:00 ~ 19:00、金15:00 ~ 19:00

稲妻ブリジット医師 
Dr. Brigitte Inazuma(一般内科、針灸治療医)

126, rue Lafayette 75010 Paris
TEL : 01 48 78 22 33
(仏語/稲妻医師のいる時間帯なら日本語での予約対応可)
月・火 昼頃~ 18:00、木・金 昼頃~ 15:30

マーク・ブランスタン医師 
Dr. Marc Bransten(一般内科・針治療医)

186, av Victor Hugo 75116 Paris
TEL : 01 45 04 56 42(予約の際に日本人スタッフに転送)
月・火・木15:00 ~ 18:30、水9:30 ~ 12:30、
金9:30 ~ 12:30、15:00 ~ 18:30 日本人アシスタント在駐

形成外科

オリビエ・ドラン医師 
Dr. Olivier Drain(形成外科、脊椎・下半身専門)

www.lircos.org
診療所:6, av Alphonse XIII 75016 Paris
病院:41/49, av du Maréchal Juin 93260 Les Lilas
TEL : 01 42 24 04 06(診療所にまずは連絡。受付は仏語)
診療所:月14:00 ~ 19:00
病院:火・金14:00 ~ 19:00、木・土9:00 ~ 13:00
(サイトより日本語でメールの問い合わせ可)

産婦人科

パトリック・ドウィエブ医師
Dr. Patrick Douieb(産婦人科・内科・小児科)

65bis, av Victor Hugo 92100 Boulogne-Billancourt
TEL : 01 46 03 37 24
(予約受付の秘書は仏英語。電話番号を伝えれば医師が折り返し連絡)
月14:00 ~、火14:30 ~、水14:00 ~、金14:30 ~、 土9:00 ~
(診察時間は随時予約時間に対応)

歯科

ジャン=ポール・ミュラー医師 
Dr. Jean-Paul Muller

390, rue Saint Honore 75001 Paris
TEL : 01 42 67 75 15
火曜と木曜日日本語診察 (健康保険医)

谷村レミー医師 
Dr. Remy Tanimura

8, pl du General Catroux 75017 Paris
TEL : 01 56 33 39 00
(予約受付の秘書は仏英語。電話番号を伝えれば医師が折り返し連絡)
月~金の9:00 ~ 13:00 14:00 ~ 19:00
インプラントなどもOK(Chirurgien dentiste)

ジャン=ノエル・ベレム医師
Dr. Jean-Noël Beslem

56, rue Balard 75015 Paris
TEL : 01 45 57 16 89(仏英語/予約電話は水曜日も受付可)
月・火・木・金10:00 ~ 19:30、土9:00 ~
フランス人医師。診察の際は説明に必要な会話や用語の日仏語リストを使用しながら治療を行っている。

ジャン=ジャック・デュプイ医師
Dr.Jean-Jacques Dupuis

www.odonto.jp/presentation.html
24, rue de Madrid 75008 Paris
TEL : 01 45 22 29 15(仏語)
TEL : 06 19 65 85 10
(日本語予約受付/ このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください で問い合わせ可)
月〜金9:00 ~ 13:00 / 14:00 ~ 18:00
日本語で治療を受けたい場合は予約時に伝えること。

クロディーヌ・サミュエル医師
Dr.Claudine Samuel

www.hanobihaku.com
37, rue Pergolese 75016 Paris
TEL : 01 45 00 66 39(英仏語)
TEL : 06 28 69 66 86
(日本語予約受付/ このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください でも日本語問い合わせ可)
月~金10:00頃~ 17:00頃(診察時間は随時予約時間に対応)
日本語で治療を受けたい場合は予約時に伝えること。

キース・コーヘン医師
Dr.Keith Cohen

www.keithcohendentist.co.uk
ウエストエンド診療所 :
23 Harley Street,London W1G 9QN
TEL : 0044(0)20 74 36 23 28
シティ診療所 :
1 Angel Court, Copthall Avenue,London EC2R 7HJ
TEL : 0044(0)20 77 96 97 76
月~土曜日
このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください (日本語問い合わせ可)
サイトより初診予約申し込み可

精神科・精神療法

太田博昭医師
Dr. Hiroaki Ohta(精神科、精神療法、カウンセリング)

59, bd Victor 75015 Paris
TEL : 01 45 33 27 83
月~金10:30 ~ 18:00

小林芳樹精神療法士
Dr Yoshiki Kobayashi(精神療法、精神分析)

7, sq Bolivar 75019 Paris
TEL : 06 68 53 39 56
このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください メールでも予約可
月12:00 ~ 18:00、火9:00 ~ 12:00 18:00 ~ 19:30

那須恵理子療法士
Mme. Eriko Nasu(心理療法士、精神分析)

113, rue monge 75005 Paris
TEL : 01 43 37 64 03
診察時間は予約希望時に対応

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野間文芸翻訳賞決定!


野間文芸翻訳賞決定!

日本語の文学作品をフランス語に翻訳する。単に言葉を移し替えるというだけでなく、その作品の持つリズムや作品全体を覆う空気をも伝えるこの仕事が、困難極まるものであることは想像に難くない。だがそれだけに、優秀な翻訳者の精密な読み、大胆な言葉の選択、作品との極限までの付き合いから生まれたフランス語訳の文学作品は、原作とはまた別の傑作となりうる。フランス語で生まれ変わった日本文学を「名訳」で味わおう。
(Texte par Masato Enya, Coordination par Sayaka Nakagawa)

野間文芸翻訳賞

プレスリリース
講談社主催、第17回野間文芸翻訳賞のプレスリリース表紙 ©講談社

今回17回目を数える講談社主催の野間文芸翻訳賞。講談社が創業100年を迎えた記念すべきこの年、フランス語が対象言語として選ばれ、石田衣良作「池袋ウエストゲートパーク」を翻訳したアンヌ・バヤール=坂井氏と中上健次作「奇蹟」を翻訳したジャック・レヴィ氏が受賞した。

講談社は野間文芸賞や野間文芸新人賞、野間児童文芸賞など多くの賞を主催し、その他にも吉川英治文学賞や江戸川乱歩賞などを通じて日本の文芸の発展に貢献している。野間文芸翻訳賞もそのひとつ。日本現代文学(明治以降、ノンフィクションを含む)の優れた翻訳に与えられるこの賞は、講談社から出版された本に限らず、原作が他社から出版されているものも含めた多くの作品の中から、厳しい審査の結果選出される。

野間文芸翻訳賞は、日本文化の海外への紹介と国際相互理解の増進を目的に、講談社が創業80周年を記念して1989年に創設し、過去には日本文学を英語やドイツ語、イタリア語、スペイン語、スカンディナビア語、オランダ語、中国語、韓国語、ロシア語に翻訳した訳者が受賞している。フランス語が対象言語となるのは1991年、1998年に続き、今回が3回目。ちなみに、後の講談社となる大日本雄弁会を野間清治氏が設立したのが1909年で、今年はちょうど100周年。その記念の年にフランス語が対象言語として選ばれた。

今回は1998年1月1日から2007年12月31日までにフランス語に翻訳、出版された作品の中から選出された。選考委員には東京大学准教授で現代フランス文学の紹介者としても名高い野崎歓氏、学習院大学教授で大岡昇平などの作品を翻訳しているティエリ・マレ氏、東京大学教授で村上春樹の「羊をめぐる冒険」のフランス語翻訳者でもあるパトリック・ドゥ・ヴォス氏、そして早稲田大学教授で芥川賞・三島賞作家でもある堀江敏幸氏と豪華な顔ぶれが並ぶ。

石田衣良作「池袋ウエストゲートパーク」と中上健次作「奇蹟」という極端に作風が異なる2作が受賞という今回の結果は、日本文学の多様さと深さ、そしてフランスでの日本文化へと開かれている受容の広さを示していると言える。

野間文芸翻訳賞授賞式

斎藤駐フランス特命全権大使
野間文芸翻訳賞の授賞式にて祝辞を述べる斎藤駐フランス特命全権大使 ©講談社

10月12日、パリ15区のエッフェル塔近くに位置するパリ日本文化会館で野間文芸翻訳賞の贈呈式が行われた。当日、会場には日仏文化交流に携わる機関やメディア、文化人や翻訳家、学生など多くの人々が集まり、受賞者と日仏文芸文化交流の発展を祝った。

自身もフランス語を学んだ経験を持つ講談社の野間省伸副社長のフランス語による挨拶で開会した式では、アンヌ・バヤール=坂井氏とジャック・レヴィ氏それぞれに賞状と副賞である10,000米ドル、日本航空より日欧間往復航空券が贈られた。翻訳の難しさや、その成果が報われたひとつの結果ともいえる受賞への喜びを織り交ぜた各受賞者のスピーチなどに続き、フランス国立東洋言語文化大学(INALCO)が中心となって作る図書館BULAC(Bibliothèque universitaire des langues et civilisations、2011年末パリ左岸国立図書館近くに開館予定)とパリ日本文化会館(MCJP)という日仏文芸に関係が深い両機関に、今回のフランス語での野間文芸翻訳賞を祝う形で、100万円分の講談社の図書寄贈が発表された。

野間省伸代表取締役副社長より賞を受け取る受賞者
©講談社

受賞者

受賞者インタビュー アンヌ・バヤール=坂井

プロフィール1959年東京生まれ。1989年パリ第7大学大学院博士号取得。リール第3大学教授を経て、1998年からフランス国立東洋言語文化大学日本言語文化学部教授(専攻日本現代文学)。 代表翻訳作品:「L'ombre des fleurs」(「花影」大岡昇平著)、 「Une existence tranquille」(「静かな生活」大江健三郎著)、「La clef」(「鍵」谷崎潤一郎著)。

アンヌ・バヤール=坂井

バヤール=坂井さんがこれまで翻訳された作品の多くは、谷崎潤一郎、川端康成、大江健三郎、最近では堀江敏幸と純文学の作品でした。今回、石田衣良の「池袋ウエストゲートパーク」は大衆的な色合いの強いものです。この作品を翻訳されることになった経緯は、どのようなものだったのでしょうか?

大学で日本文学を教える者として、今日本で何が書かれているのかを知ることは重要ですので、文芸誌には、純文学系のものから中間小説系のものまで、出来るだけ目を通すようにしています。「池袋ウエストゲートパーク」を初めて読んだのは、確か「オール讀物」に掲載された時だと思います。その時に特に文章のリズム感が優れていると感じ、興味をそそられ、単行本を購入しました。そして、おそらくこれは、フランスに紹介されたことのないジャンルの日本文学として翻訳の価値があると思い、ピキエ社に話を持って行ったのです。

「池袋ウエストゲートパーク」は現代の若者の言葉や文化、考え方がちりばめられた小説です。翻訳では、バヤール=坂井さんの苦労と巧みさによってそれらが見事に表現されていますが、それ以外の部分で苦労された点や楽しみを感じた点はありますか?

これはいわゆる娯楽小説ですから、とにかくフランス語訳が読み辛かったり、読者が読んでいて退屈するようなものにしてしまっては意味がないので、出来る限り原文にもあるリズム感を失わないように注意して翻訳を進めて行きました。まず翻訳の第一基準をスピード感に置くこと。それ自体が、翻訳者としての作業をとても楽しいものにしてくれるものでもありました。

バヤール=坂井さんは翻訳のお仕事について、異文化の橋渡しをするというジキル的な側面と、翻訳者自身が作品と特権的な関係を結ぶという形容し難い快楽を持った、その文章の世界一の読者であるという誇大妄想的な幻想を抱くハイド的な側面があると仰っています。「池袋ウエストゲートパーク」と世界一密接な関係を築いた読者としてのバヤール=坂井さんにとって、この作品の一番の魅力はどこにあるのでしょうか?

文章の軽快さと、登場人物の個性ではないでしょうか。私は一読者として、推理小説なども含めたエンターテインメント文学を比較的多く読みますが、そのジャンルに属するものの欠点のひとつは、登場人物が類型的で奥行きのないところだと思っています。けれど「池袋ウエストゲートパーク」は、脇役をも含めた登場人物が意外に丁寧に描かれていて、読者を楽しませてくれるのです。

今年は「池袋ウエストゲートパーク2」もフランスで出版されました。日本では「池袋ウエストゲートパーク」はシリーズ化されています。今後もこのシリーズが翻訳されていく予定はすでにあるのでしょうか?

「さあ」としか言いようがありませんね。フランス語訳の「池袋ウエストゲートパーク2」は、実は「池袋ウエストゲートパーク」2と3所収(しょしゅう)の幾つかの短編から構成されているのです。「池袋ウエストゲートパーク3」所収の最後の短編は、すでに仏訳が出来上っており、出版社に渡してあるので、数カ月のうちに出版されるのではないでしょうか。その後の予定は今のところありませんが、考えているところです。

翻訳家になりたいという人からアドバイスを求められたら、何と答えられますか?

技術的には、良い翻訳者になりたかったら、出来るだけ多くの本を読むこと。そして現実的には、翻訳で生計を立てるのは非常に難しいので、覚悟すること。

石田衣良氏原作者の石田衣良氏
今回の受賞を祝う喜びのコメント

純文学ではなくエンターテイメント系の日本の作品がこのように翻訳され、権威ある賞をいただけることは喜ばしいことです。今、日本ではレベルの高い作品が増えているのでもっとフランスで読んでもらえるとうれしいです。

受賞者インタビュー ジャック・レヴィ

プロフィール1953年スリランカで生まれる。パリ、ハノイ、京都、香港で幼少期を過ごす。パリ第7大学で文学と日本語を専攻。現在は明治学院大学フランス文学科教授。
代表翻訳作品:「Amère volupté」(「ベッド・タイム・アイズ」山田詠美著)、「Le cap」(「岬」中上健次著)、「Hymne」(「讃歌」中上健次著)、「Miracle」(「奇蹟」中上健次著)、「Projection privé」(「インディヴィジュアル・プロジェクション」阿部和重著)、「シンセミア」(現在翻訳中、阿部和重著)他。

ジャック・レヴィ

レヴィさんは中上健次作品の翻訳で肝腎なのは「語りのいわば『今、ここにある』妙な悲しみと明るさに満ちた強度を表出すること」と仰っています。「奇蹟」を翻訳されるにあたって、最も気を使われたその点について詳しく教えていただけますか?

彼が持っている真似のできない表現というのがあって、それをどう翻訳するかが問題でした。その表現の特有性というのは一回きりの出来事であって、翻訳はある種の反復です。その反復の過程の中で、一度だけ起きるひとつの表現をどのように再生できるかが翻訳者の賭けでした。中上の作品では、どの作品でも最初の方に登場人物が、その体を何かに晒すという場面があります。それにより感傷的と言えるような感情が現れ、それがバックグラウンドとして小説に付き添っていくのです。「奇蹟」はそれが最も複雑で、高度で、紛らわしい形で表現されていく。「奇蹟」は中上が特有の表現を出し切って、それを書き切ってしまったような強度のある作品だと思います。そうした書き手の体から表出されるものに直面するようにして翻訳に取り掛かりました。また、その中で訳せなかったもの、失ってしまったものというのはあるのですが、その体験こそが最後の方では支えになりました。つまり、訳し損ねているものに形を与えていこう、それを切り抜いていこうとし、そうすることで、反復の中でかろうじて作品の「種」になっているものをテクストの中に見て取れるのではないかと考えながら翻訳を進めていったわけです。

レヴィさんは今回の「奇蹟」よりも以前に、「岬」、「讃歌」と中上の作品を翻訳されています。同じ作家の作品をいくつも翻訳されているうちに、その作家に近づいていけるようになるという感覚はありますか?

中上へのアプローチとして批評的なアプローチというものがあります。そこでは、中上はひとつの作品では語れない、お互いの作品が連携していると見られており、その見方は正しいのでしょう。しかし翻訳をしていると、もちろん同じ作家であるという意識はありますが、作品それぞれが全く異なるものであると感じました。それぞれの作品には何か異なった試み、異なる志が存在し、文体自体も共通するよりも異なるものが膨らんでいくという経験をしています。また別の観点から言うと、中上の作品には「未完成」という特徴があると言われますが、訳していると、実は作品は完成が遂げられ、閉じられているのだと実感しました。特に「奇蹟」はそうですね。これは皮肉に満ちた宗教論でもあって、誕生と終わり、人間の結びつきを鋭く小説家の観点で述べている試みだと思います。

レヴィさんは作品の「『声』に迫っていけばいくほどその正体が退き」、「その『声』が言語間の空洞の奥底へ消え去っていくのではないかという恐れ」の中で翻訳をされていたと語っておられます。その恐れの中にも翻訳者の「悦楽」や「快楽」というものはあるのでしょうか?

ここで得られる快楽というのは、言葉の表面にある煌(きらめ)きを味わっていく快楽とは異なっていると思います。まさしく声の問題で言うと、音や日本の語りの伝統や絶妙な旋律、あるいは幻視を見る声が作品にあり、そうした声は描かれれば描かれるほど幽霊化していく。声が声の無い声となっていき、その肉から離れていく声を追っていく試みがこの小説にはあります。翻訳者もテクストに引っ張られていき、そこでは快楽や悦楽というよりも、一種、離れたいというような、耳に唆(そそのか)されるような、こちらも幻視的な体験を強いられるような、そんな思いがありました。それは悦びのひとつの形でもあると思います。

レヴィさんは「文学作品の翻訳はもちろん完成しきれるものではない」とお考えですが、それはどういった意味でのことでしょうか?

翻訳が反復である以上、翻訳者によって違うものになってくる。それは当然のことです。翻訳はひとつの作品の可能性、脚色として現れてくるものです。ひとつの翻訳として完成されるものではなく、その未完成の形が、完成し切れない反復を露出することによって、つまり何が取り残されているのか痕跡をあらわにすることによって、言語自体が言語として生き残っていくものであると私は考えています。

選考委員長 野崎歓氏インタビュー

野崎歓氏趣を異にした2作品が翻訳賞を受賞したという事実。それは、今後フランスでさまざまなジャンルの日本文学が読まれ浸透していくのではないか、そしてフランス文学とは異なった味わいを持つ日本の作品が、現代フランス文学にも幅広く影響を与えていくのではないかと期待させるものでもあった。選考委員長を務めた野崎歓氏に今回の野間文芸翻訳賞の意義や翻訳の本質に関わる話を聴いてみた。


野崎さんはレヴィ氏の翻訳を「緻密にして難解な重要作品を驚くべき精確さで訳出した」と評され、バヤール=坂井氏の翻訳を「原作への忠実さを貫徹した」と仰っています。ここでの「精確な訳出」、「原作への忠実さ」とはどういったものでしょうか?

いろいろなレベルでのことでもありますが、2人とも意味の取り方が細部まで精確で、レヴィ氏の訳は、我々が読み流してしまうところまでも「こうだったのか」と教えてくれるものだと思います。どちらの翻訳も原作に対する充実した注釈になっていて、教わるところが多い。忠実さというのは同時に、創作も含まなくてはならないものです。中上の物語にせよ、石田衣良の池袋のストーリーにせよ、フランスの読者やフランス語に存在していない要素が多々あるわけですから、それをフランス語に置き換えるとしたら、これは勇気をもってやらなくてはいけない。そしてそれを2人とも見事に貫いている。原文から遊離しているという意味ではなくて、忠実さを極めていくと創作に近づいていく、そういった翻訳ってすごいものだなぁと感服しました。

野崎さんもトゥーサンやウェルベックといった現在のフランス人作家を日本語に翻訳されています。今回の石田衣良の小説のように、現在の、そして幅広い読者を獲得している作家を翻訳することの意義はどこにあるのでしょうか?川端作品や三島作品の翻訳、あるいは野崎さんはスタンダールの新訳も出されましたが、そうした翻訳とはまた違った意義を読者に投げかけるものでしょうか?

古典にせよ現代のものにせよ、大事なのは共有するということ。要するに世界文学というものを豊かにしていくことです。中上健次と同時に石田衣良というのを見ると、日本文学が三島、川端、谷崎というものに囚われないレンジを持ったものであることが、一瞬にして、その2冊があることによって、その2冊だけではない広がりで把握できるわけです。そういった動きが世界文学を作っている気がします。とりわけ新しい作品の場合は、本国でも価値が確立されていない時点でそれを翻訳することにより、その作品に別の生命を与えるものになると思います。それは創造的な部分が感じられる仕事だと思いますし、それが読者の刺激になれば良いと思っています。

翻訳によって原作の持つ別の可能性を発見することがあります。今回の受賞作の場合、どういった部分にそれがあるのでしょうか?

石田衣良の小説の方は、フランスの本屋さんを見てみるとポラール(推理小説)のところに積まれているようです。そうすると、フランスであれば古くはマンシェットのものや、あるいはアメリカのハードボイルド小説、現在の推理小説、そういったところに一石を投じる形となり、日本における石田衣良の捉え方とは違う位置付けになりますよね。それはフランスにそういったものを受け止める期待の地平とでもいうべき地盤があったわけで、そのフランスの地盤を豊かにする点が面白いと思います。中上健次の場合は、まだ具体的な形でフランスの現代の作家が刺激を受けた、あるいは呼応するような発言はそれほど聞こえてきません。じわじわと浸透していくことを信じるしかないのですが、おそらくこの翻訳によって、ある意味で原作以上のクリアさを持ちつつも、声の特異さという点で、フランス文学にはあまりない一種のOVNI(UFO)としての中上性が際立つ気がします。特に「奇蹟」の場合は、語り手が生きているのか死んでいるのか判断しにくいものです。そういった語り手は、フランス文学にはあまりないのではないでしょうか。ですから、「フランス人は今こそ、この賞とともに中上を発見せよ」と言いたいところですね。

フランス語から日本語への翻訳と日本語からフランス語への翻訳では、違った難しさがあると思われますか?

もちろんそれはあるのでしょうが、同時性が強まっているということは感じました。ウェルベックを訳すときはフランスの戦後史のいろいろな瞬間がパッチワークされているけれども、それが我々の文脈にそのまま入ってくる感触があります。石田衣良の場合も、池袋という非常に局限された所でありながら、それを丹念にフランス語にすることでパリの一部もしくは続きかもしれないというスリル、共時性のスリルというものがあると思います。ただ中上となるとOVNI(UFO)だから、一般的に言うと、そのインパクトを正面から受け止める気運がないかなとも思っています。中上は「世界は同時多発的に、玉突き的に事件が起きる」と言っていましたが、翻訳もそうあって欲しいですね。翻訳があることで、点だったものが運動というか連続性を得ることがあるのではないでしょうか。

第17回野間文芸翻訳賞受賞作

Ikebukuro West Gate ParkIkebukuro West Gate Park
Philippe Picquier社刊、Anne Bayard-Sakai訳
(「池袋ウエストゲートパーク」 石田衣良著)

池袋を舞台に、若者たちを主人公にしたミステリー仕立ての作品。4本の中編小説から組まれているが、登場人物や事件などに連続性が保たれ、読み進むにつれ、池袋という特殊な街とスピード感ある物語展開にどんどん引き込まれていく。この小説では若者の言葉や風俗が作品の独特の世界観と文学性を作り上げる大きな一要素となっているが、アンヌ・バヤール=坂井氏の翻訳は、それらをフランス語で巧みに表現する。読者は、口語表現の味わいと軽やかさを損なわないままフランス語で再構築するとはどういうことかを目の当たりにすると同時に、フランス語によって生まれる明 め いせき 晰かつ颯 さっそう 爽とした語り口が原作の持つ面白みを引き出す瞬間を何度も目撃するだろう。選考委員を務めたマレ氏はバヤール=坂井氏の隠語に匹敵する訳語を探し出そうとする細やかな配慮を称えつつ、「それによってもたらされる創意に満ちた言葉は時に芳ほうじゅん醇でさえあって、この翻訳を文学的成功たらしめているのだが、原作以上の出来映えだという人がいたとしてもおかしくない」と述べ、選考委員の堀江氏は「日本の小説の仏訳というより、《セリ・ノワール》のすぐれた新作を手にしたときの気分で読み通した」と語る。正確な翻訳であり、かつ原作とはまた別の面白さも内包する名訳。ぜひスピード感を味わいながら一気に読み通したい一冊だ。

MiracleMiracle
Philippe Picquier社刊、Jacques Lévy訳
(「奇蹟」中上健次著)

老産婆オリュウノオバと精神病院に収容されたトモノオジが語る、「高貴にして澱(よど)んだ」中本の血を継ぐ「闘いの性」に生まれた極道タイチの短い生涯の物語。生と死に取り囲まれた、そして性や暴力のエネルギーが充溢した、また幻覚と感覚に覆われた読み応えのある作品。

1992年46歳で夭逝(ようせい)した芥川賞作家中上健次は、現代日本文学を見通す上で欠くことのできない名前であろう。作品から迫ってくる、むせ返るような重圧、方言による語りが成す軽快な旋律、悲しみとおかしみが渾然(こんぜん)となった翻訳不可能ではないかと思われる日本語の多面体の声を、ジャック・レヴィ氏は見事にフランス語で伝える。文学と翻訳への自身の深い哲学とこだわりを貫き通すかのように、訳者が作品と極限まで付き合ったことが感じ取れる翻訳だ。冒頭近く「Le père Tomo se bouchait les oreilles de ses deux mains, persuadé que la tristesse provenait du ressac de la mer qui déferlait contre l’énorme mâchoire de l’immense poisson.(トモノオジはその妙な悲しみが、巨大な魚の巨大な上顎に打ち当たる海の潮音に由来するのだと信じ、両手で耳をふたぐのだった。)」という一文を読むや否や、読者はフランス語で現れてくる中上健次の小説世界に驚愕(きょうがく)するのではないだろうか。日本語の作品とフランス語の翻訳の両方を読み比べながら、この作家を再発見する機会にして欲しい。

他にもまだまだあるフランス語で読む日本文学。
こんな翻訳が面白い。

アンヌ・バヤール=坂井氏に「これは面白い、これはうまい」と思ったフランス語訳の作品を聞いてみたところ、パトリック・ドゥ・ヴォス訳の「羊をめぐる冒険」とエストレリータ・ワッセルマン訳の「三四郎」を挙げてくれた。

野崎歓氏に今回の受賞作以外の面白い作品、翻訳に興味がある人に勧めたい作品を聞いたところ、「センセイの鞄」や「蛇を踏む」(芥川賞受賞作)などの代表作を持つ現代作家、川上弘美の名前が挙がった。

「日本語の特質がオノマトペ(擬声語)とか感情的な表現にあると思うと、川上弘美の作品は翻訳が難しいのではないか。それに「溺レる」(フランス語タイトル「Abandons」)なんて、タイトルからして漢字、ひらがな、カタカナがあって、そうしたものは翻訳できないのではないかという気がするけれど、それをどう料理しているのか、していないのかという部分が、ある意味危なっかしいところもあり、面白いところでもある」と野崎氏。また「翻訳すると作品の骨組みが見えてくるところがあって、表情が多様に見える川上作品が意外にシンプルにできているという発見もあるかもしれない。根っこにある想像力の向かい方が、翻訳を読むとむしろ定式を持っているということが解る気がする」と、翻訳で見えてくる原作の広がりも見どころのようだ。

Murakami HarukiLa course au mouton sauvage
Seuil社刊、Patrick De Vos訳
(「羊をめぐる冒険」村上春樹著)

フランスでも有名な、村上春樹。この作品は、主人公の「僕」が背中に星形の斑紋のある羊を探す旅に出るという物語。日常生活の深さあるいは浅さを見つめ、「村上春樹の思想」とでも名付けたくなる世界との距離感を、計算された突飛な比喩を交えた独特な文体で物語として露わにする。村上の文体は外国語からの翻訳作品を思わせ、一見すると翻訳しやすそうに見えるが、実際に日本語とフランス語訳を読み比べてみるとドゥ・ヴォス氏がまさに「絶妙」なフランス語でそれを再現していることがわかるだろう。ちなみにドゥ・ヴォス氏は過去に野間文芸翻訳賞をこの作品で受賞している。

Soseki NatsumeSanshirô
Gallimard社刊、Estrellita Wassermann訳
(「三四郎」夏目漱石著)

「三四郎」は、田舎から上京し大学生となった三四郎の心情や生活を描いた小説で、西欧文化が入り混じった明治末期の東京を描き、文化批評にもなっている作品。それゆえに、明治期の活き活きとした東京やそこに息づくヨーロッパ文化が、フランス語を通すことでまた別の印象を呈してくる。「三四郎」のフランス語翻訳版は何通りも出版されているが、この版は夏目漱石の切れ切れのリズムある語り口を一旦引き受けた上で、フランス語での語りとして流動性を含ませつつ見事に再生している巧みな訳と言えるだろう。

 

クリアストリーム事件 ── その行方

クリアストリーム事件 ── その行方

サルコジ大統領とかつての大統領有力候補ドビルパン元首相の間で続くクリアストリーム事件に関連する戦い。2007年の大統領選を控えた2006年から本格化した両者の戦いもついに終盤戦。公判は今月下旬結審の見通しだ。 フランス版ウォーターゲート事件とも言える、クリアストリーム事件をおさらいしてみよう。(本誌編集部 柳澤創)

2004年、仏裁判所はCorbeau(告発者:カラスの意)からルクセンブルクに本社を置く国際証券決済機関クリアストリームの秘密口座に関するリストを入手した(後に偽物と判明)。そのリストには、ニコラ・サルコジなど政治家や企業の名前が記されていた。ドビルパン(2004年当時内相)には、この偽情報を使いライバルであるサルコジを失脚させようと画策した疑いが持たれている。この事件のポイントは、ドビルパンが偽情報に関与したか。収賄疑惑、偽装文章作成および使用、名誉棄損、背任行為と複雑に絡み合うクリアストリーム事件。まずは発端となった出来事から振り返ってみよう。

クリアストリーム事件相関図

フリゲート艦売却に伴うリベートの行方

ことの発端は、1991年に仏政府が台湾に 売却したフリゲート艦にまつわるわいろ疑惑 だ。フランスのルノー・ヴァン・ルユンベー ク判事は、フリゲート艦売却に伴うリベート 疑惑の捜査を2001年6月より開始。そして2004年春、彼のもとに資金洗浄疑惑に関する資料(秘密口座のリストを含む)が匿名で送られてくる。資料にはエアバス副社長(当時)のフィリップ・デルマを始めとする実業家やニコラ・サルコジ、ドミニク・ストロスカーン、ロラン・ファビユスなどの政治家がフリゲート艦売却に伴う収賄に関与していると記されていた。しかしこの情報は、フランスのジャーナリスト、ドゥニ・ロベールが執筆したルクセンブルクで行われている資金洗浄に関する告発本「Révélation$」に類似していること、口座番号と実際の名義人がリストと一致しないことから、ねつ造されたものであることが判明。この秘密口座に関する偽リストの捜査はジャン=マリ・ドゥイ判事、アンリ・ポンス判事の2人の手で行われることになった。

ドゥニ・ロベール 初公判の翌日2009年10月22日、取材に応えるジャーナリストのドゥニ・ロベール   François Mori/AP/Press Association Images

リストの真偽とEADSの関与

密告者からの告発リストの真偽を確かめるべくルユンベーク判事は調査団を結成し、イタリアのリベリアにあるバンコ・ポポラレ・ディ・ソンドリオ銀行に開設された「ステファネ・ボクサ」と「ポール・ド・ナギ」名義の口座に関する捜査を開始した。この口座はサルコジの秘密口座とされており、同銀行も「この口座はクリアストリームが開設した口座で不特定多数の利用者が存在している」とルユンベーク判事に告白している。しかし、告発リストが偽物であるという事実が判明したため調査は2005年5月に終了、サルコジへの疑惑は一時収束した。後に明らかになるのだが、実は同時期にドビルパン(当時内相)がフランス国土監視局の責任者ピエール・ド・ブスケにクリアストリームの秘密口座に関する調査を指示していたというのだ。

カラスから入手したクリアストリームの秘密口座の偽リストの捜査を進めるうちドゥイ、ポンス両判事は、欧州航空防衛宇宙会社EADS がこの疑惑に関与していることを突き止める。その中心的役割を果たした人物として、EADSのIT技術者(当時)イマッド・ラフードと同社副社長(当時)のジャン=ルイ・ジェルゴラン、仏諜報局の責任者(当時)フィリップ・ロンド将軍3名の名前が浮上した。

カラスの正体とドビルパンの窮地

2006年4月28、29日の両日、EADSのジェルゴランは報道機関に2004年5月と6月にルユンベーク判事あてに匿名の告発書類を送ったことを明かし密告者カラスの正体が判明、EADSの関与が確定的となった。また、ジェルゴランは当時フリゲート艦売却に伴う収賄疑惑の捜査を行っていたルユンベーク判事にも非公式に面会していたことも明かしている。次第に事件の全容が明らかになり、捜査は仏諜報機関のロンド将軍と告発リストのねつ造を行ったEADSのラフードに捜査範囲が絞り込まれ、両者からの事情聴取がスタート。ロンド将軍の証言により、ドビルパン(当時内相)が2003年11月と2004年4月、ロンド将軍にクリアストリームの調査を秘密裏に指示していた事が判明し、ドビルパンの偽リスト関与疑惑が濃厚となった。

仏諜報局の関与が表沙汰となり、捜査は急展開を迎える。2006年5月、ドゥイ、ポンス両判事はねつ造書類作成者の裏付け捜査を急ぐと共に、ドビルパンにも捜査の範囲を広げた。2006年初頭に若者の失業率を減らすために打ち立てた新規雇用法案(CPE)の失敗で支持率を落としたドビルパンは、これによってさらに首相としての支持率を落とし窮地に立たされる。

サルコジとドビルパン
記者の質問に答えるドビルパン首相(当時)(右)とサルコジ内相(当時)(左)。ドビルパン内閣時の定例記者会見。2005年10月27日撮影
François Mori/AP/Press Association Images

サルコジの反撃

ドビルパンのクリアストリーム事件関与が濃厚となったことで、当時ライバルだったサルコジの失脚を狙ったという図式が疑惑として浮上してきた。大統領選の最有力候補であるサルコジを失脚させるためにドビルパンが仏諜報部を通じて仏捜査当局に偽情報をリークしたというわけだが、ドビルパンは諜報部へ調査の指示は出していないと反論する。だが2007年5月、EADSの元IT技術者ラフードの家宅捜索で同氏がねつ造に関連していることが明らかになり、7月にはロンド将軍の家宅捜索で、同氏のパソコンにドビルパンとシラクがクリアストリーム事件に関与したという有力な情報が見つかった(データは消されていたが調査部がハードディスクを分析し発見)。

パソコンに残された文章は、ドビルパン(当時首相)がEADSのジェルゴランへあてたもの。2007年大統領選の最有力候補となっているサルコジを失脚させるため、ねつ造した偽リストを秘密裏に公表しようとした疑惑を強く裏付けるものと言われている(当時のシラク大統領の指示も記されていたとされる)。ドビルパンは、参考人として事情聴取に応じたものの、ロンド将軍に調査を命じたという疑惑は否定しており、秘密口座に関するリストの存在は知らなかったとクリアストリーム事件に関する疑惑を完全否定。

ロンド将軍
2009年10月5日に行われたクリアストリーム事件に関する公判に出頭するロンド将軍
Remy de la Mauviniere/AP/Press Association Images

ドビルパンが刑事告訴されるまで

2006年に行われたEADSの元IT技術者ラフードの事情聴取、そして米国の監査法人アーサーアンデルセンの元IT技術者フロリアン・ブルジュがラフードにクリアストリームの口座リストを渡したことを認めたという事実。偽情報の作成者はほぼラフードに確定された。残るのは、その作成を指示した首謀者の特定のみ。

仏捜査当局は2007年7月上旬に、ドビルパンの自宅および事務所の家宅捜索を実施し、7月27日には仏司法当局がドビルパンへの公式事情聴取を開始した。容疑は「盗品の受領、背任、偽造文書使用の共謀」を含む「虚偽の告発を共謀」。続く9月13日にも予審判事の事情聴取が行われ、2009年9月21日、ドビルパンはついに刑事事件の被告となった。

ラフード
偽文章作成の罪の問われている元EADSのIT技術者ラフード(左から3人目)
Jacques Brinon/AP/Press Association Images
裁判所に出頭するドビルパン
2009年9月21日に数年にわたりメディアを賑わせたクリアストリーム事件の初公判が始まり、裁判所に出頭するドビルパン Remy de la Mauviniere/AP/Press Association Images

ドビルパン対サルコジ再び

仏外務省のキャリアで典型的なエリート官僚であるドビルパン。物怖じしない言動でも知られており、イラク戦争直前には外相として武力行使に突き進む米国に真っ向から反対する演説を国連で行いフランスでは人気を得た。2009年9月21日の初公判の開廷前、ドビルパンは記者団に対しクリアストリーム事件への関与を否定した上で、サルコジ大統領の権力乱用による政治的裁判だと訴えた。その数日後、今度はサルコジ大統領がG20出席の為に訪れたニューヨークにて「判事が『罪人』は裁きに値すると判断したのだ」と発言。「推定無罪」の原則を無視して被告を罪人呼ばわりしたことにドビルパンは猛反発。仏憲法では、現職大統領の訴追を認めていないと知りつつも、サルコジ大統領を告発、事態は泥沼化している。10月下旬に結審の見通しのこの裁判、有罪判決が下ればドビルパンは5年の禁固刑を受ける可能性がある。

サルコジ
ドビルパン(左)が首相就任後に行った閣僚会議に出席するサルコジ(当時内相)(右)。2005年6月10日首相官邸にて撮影 Franck Prevel/AP/Press Association Images

いまだ残る疑惑

数年にわたりメディアを賑わせたクリアストリーム事件の決着が間近に迫ったが、未だこの事件には謎に包まれている部分が多い。例えば、ルユンベーク判事とEADSのジェルゴランが非公式に会っていたことがジェルゴランの証言があるまで隠されていたこと。クリアストリームの秘密口座を利用するロシアマフィアの手によって重要参考人が過去に多数暗殺されていることに伴い、ジェルゴランの安全を考えてのことという見方もあるが、この件に関する調査は行われていない。ドビルパンの関与はロンド将軍の証言によるが、その後ロンド将軍はその事実を否定するようなニュアンスの発言もしている。しかしまた一転、10月上旬に行われた証人喚問ではドビルパンの証言を覆す証言を行った。サルコジを失脚させるために作成されたという、クリアストリームの秘密口座の偽リストだが、クリアストリームが資金洗浄に関与しているという疑惑は、ドゥニ・ロベールなど多くのジャーナリストが告発しており(現段階では証拠不十分で不起訴)、偽リストに記されている人物を除いたとしても仏政治家が資金洗浄に関与しているという疑いは晴れていない。ドビルパンの公判結果は、クリアストリームの資金洗浄に関する再調査にもつながる可能性が残されている。

クリアストリーム事件関連書籍仏政治家を巻き込み複雑化したクリアストリーム事件に関する書籍。クリアストリームの秘密口座を暴露した「Révélation$」の筆者ドゥニ・ロベールは、2006年に仏政財界を巻き込んだクリアストリーム事件についての本 「Cleastream l'enquête」を出版した



 

美味しいワインを探してみよう

パリ19区のワインレストラン、シャポー・ムロン

美味しいワインを探してみよう

ワインと一口に言っても産地や葡萄の品種、天候、作り手、醸造方法などによってさまざま。生産量世界一のフランスに限定したとしても、銘柄は数十万以上にものぼるといわれており、とてもじゃないが素人が美味しいワインを探すのは困難。だったら、専門家に選んでもらおう。有名なワイン・カーヴでは、販売員が客のニーズに合わせてワインを選んでくれる。最初は気後れするかもしれないが、合わせる料理の種類や好みなどを細かく説明すればきっと新しい発見があるはず。美味しいワインを求めカーヴに行ってみよう。 (Texte et photo par Hajime Yanagisawa)

写真)パリ19区のワインレストラン、シャポー・ムロン

・パリ最古のカーヴはオーナーもガンコ
Cave Augé

Cave Augé 店内ではワインが所狭しと並べられている

パリ市内オスマン通りのカーヴ・オジェは、1850年創立のパリ最古のワイン・カーヴ。パリ市内の大型ワイン販売店LAVINIAの相談役を務めるマーク・シバールさんが20年前からオーナーとなって切り盛りしている。

かつてオジェはクラシックなワインを基本に 取りそろえており、シバールさんはまず最初に取り扱うワインの見直しをした。こうして現在では、特級やブランドにこだわらず、本当に美味しいワインのみを選び、テーブルワインや自然ワインなども積極的に取り扱っている。

「『本物』や『伝統』という言葉が分かりますか?スーパーなどで『本物のうまさ』『伝統的調理法』などと書かれている商品がありますが、昔を知っている我々古い世代に言わせれば、どれも本物に遠く及びません。消費社会が進み、本物の商品と類似品の区別があいまいになってきています。私は本物の味をお客様に提供したい。たまにどこかの国の金持ちが、高級ワインを買いあさることがありますが、私はそんなお客さんはお断りです。フランスのワインは文化です。銘柄で飲むのではなく、料理とのマリアージュを楽しんでもらいたい。だから、私は店にいらしたお客様とは出来るだけコミュニケーションを取るようにしています」。

ワイン日本人は礼儀正しいが内気なのが難点だという。日本料理も大好きだというシバールさん、フランス語が不得手な人は、カタコト英語でも良いので一生懸命に話してみよう。フランスでしか見つけられないような面白いワインをきっと紹介してくれるはずだ。

Alice et Olivier de Moorの白ワイン( 左)とEric Pfifferling の赤ワイン(右)。どちらもシバールさんお薦めの自然ワイン

Cave Augé116, bd Haussmann 75008 Paris
TEL : 01 45 22 16 97
www.cavesauge.com
営業時間:9:00-19:30 年中無休

写真)レストランやホテルなどに卸販売も行うカーブ・オジェの店頭はいつも慌ただしく活気に満ちている

・美味しい自然ワインとこだわり肉料理
Verre Volé

Verre Volé カラフルなイスの並ぶ店内。気取りのないアットホームな雰囲気が人気

サンマルタン運河近くにあるヴェール・ヴォレは、自然ワインの販売とレストランがセットになった一風変わったワイン・バーだ。2000年にランクリ通りに最初の店舗を、2003年にオーベルカンフに2店舗目(販売のみ)をオープンさせた。お薦めはもちろん自然ワイン。食事時には、店内で販売されているワインの販売価格に「droit de bouchon」の7€を追加することでどのワインでも自由に楽しめる。例えば10€の場合は17€に、40€の場合は47€となる。必ずしも高いワインがおいしいと言うことではないが、追加料金はどのボトルを選んでも変わらないので高いワインほどお得感を感じる。料理は比較的クラシックなラインナップ。オーナー一押しの肉屋から新鮮な肉を仕入れている。

Verre Volé67, rue Lancry 75010 Paris
TEL : 01 48 03 17 34
営業時間:
12:00-14:30 / 20:00-23:00 
年中無休

写真)夜になると、店の外まで客があふれ出す店舗

・日本食材も積極的に料理に採用
Chapeau Melon

Chapeau Melon 左)料理では珍しいマテ貝の一品。ニンニク・バターの香りが最高
右)ブイヨンの味が凝縮された煮込み野菜と子羊のロースト

パリの有名ワイン・バー、ル・バラタンの元オーナー、オリヴィエ・カミュさんが2003年にオープンしたシャポー・ムロンは、もともとはワインの販売のみを行うカーヴだった。しかし常連客の希望もあり、2005年に小さな レストランをスタート。次第に口コミでレストランの規模も大きくなり、今では予約ナシでは入店できない日もあるほどだ。この店にメニューは存在しない。黒板に書かれた4品のコース(31.50€)のみ。内容は週替わりなので、次に来たときに同じ料理に巡り会えるかは運次第。日本料理が大好きだというカミュさんはしょう油やポン酢など、さまざまな日本食材を積極的に料理に生かしている。店内で販売されている全てのワインは、販売価格に「droit de bouchon」8.50€を追加すると店内で飲むことが出来る。

Chapeau Melon92 rue Rébeval 75019 Paris
営業時間:販売15:30-20:00、月休 
レストラン 水~日19:00-22:00日のみ料理はアラカルト、月火休  

写真)山高帽が目印のシャポー・ムロン。
ピレネー駅からもベルビル駅からも近い

・ワインの百貨店
LAVINIA

LAVINIA 左)ワインの百貨店の異名を取るLAVINIA
右)59€のギフトカタログ 「easy LAVINIA」、ボルドーワインをテーマにしたワイン3本

2002年にパリのマドレーヌ寺院近くにオープンした大型ワイン・カーヴ、ラヴィーニャ。 床総面積およそ1500㎡、商品数は6000点以上、まさにワインの百貨店的存在だ。取り扱っ ているワイン約5000点はフランスをメインに 世界各地からえりすぐったもの。この他に、シャンパンやスピリッツ類、またワインセラーなど酒類関連アクセサリーも扱っている。

近年は消費者のニーズに応えビオ・ワイン専門のコーナーを新設。店内インテリアも改良され、ワインの試飲コーナーが設置された。試飲はラヴィーニャ専用のプリペイドカードを使い、ワインのおつまみを注文することも出来る。

さらに新しい試みとして、プレゼントに最適 な「easy LAVINIA」を開発。これはギフト用のワインカタログで59€と79€の2種類があり、カタログをプレゼントとして受け取った人は、同封の専門用紙に希望のワインを記入して郵送するだけでワインを受け取ることが出来る。現在はフランス国内のみの発送だが、需要が高まればフランス国外も考えられるそうだ。

店内購入のワインに関しては、日本の郵送 会社を使い発送が可能。日本人のソムリエもいるので、日本語で相談出来るのもうれしい。

LAVINIA3, bd Madeleine 75001 Paris
TEL : 01 42 97 20 20
www.lavinia.fr
営業時間:
販売&試飲コーナー 月~土10:00-20:00、
店内レストラン12:00-15:00
日休

写真右)店内に設置された試飲コーナー。
専用カードをあらかじめ購入して利用する

・高級ワインを探すなら
Au Verger de la Madeleine

Au Verger de la Madeleine 地下には特級ワインのヴィンテージが多く眠っている

1937年創業のオ・ベルジェ・ド・ラ・マドレーヌで取り扱っているのは高級ヴィンテージワイン。素人でも一度は耳にしたことがある超有名ワインなどを中心にそろえている。場所柄、政治家や官僚などの利用もあるとのこと。店頭にないワインも相談に応じてくれるうえ、旅行者が海外へ発送する場合は免税価格で購入出来る。

4, bd Malesherbes 75008 Paris
TEL : 01 42 65 51 99
www.verger-madeleine.com
営業時間:月~土10:00-20:00
日休

・若者ならではのトレンドのセレクト
Lovin’

Lovin’2002年にシャトレー・レアル界隈にオープンしたワイン・カーヴ。コンテンポラリーを店のコンセプトにしており、内装からワインのセレクトまで若々しさが感じられる。場所柄、旅行者や近所の住民の利用が多く、人気ワインやお手頃価格のワインを多く扱っている。またビオ・ワインも数多くそろえている。

スタイリッシュなデザインのワインの陳列棚

40, rue Saint Honoré 75001 Paris
TEL : 01 42 33 34 58
このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください
営業時間:火~土10:00-13:30、16:00-20:30 月祝休

・作り手にこだわる品ぞろえ
La cave des Papilles

La cave des Papillesパリ左岸のカーヴ・パピーユは、ワインの作り手にこだわった商品を取りそろえている。扱いの難しい自然ワインも、信頼のできる作り手から直接購入し販売しているので安心して飲める。また、午前中のみだが日曜日もオープンしているので急な需要にも対応できるうえ、毎月ワインのアトリエを開催しているので、興味のある方は連絡してみよう。

信頼の出来る作り手のワインが所狭しと並ん でいる

35, rue Daguerre 75014 Paris
TEL : 01 43 20 05 74
営業時間:火~金10:00-13:30 / 15:30-20:30、
土10:00-20:00、 日10:00-13:30、月祝休

ワインのイロハを覚えるのなら、
SPRING Wine School

SPRING Wine School アメリカのSpecialiste of Wine の資格やシャンパーニュ騎士団シュバリエ(騎士)の称号などを持つ田中先生(写真左)

せっかくフランスにいるのだからワインを勉強したい!けれどフランス語だとよく分からない……。そんなニーズに応えてくれるのが、オペラ地区に今年オープンした日本語のワイン学校、スプリング・ワイン・スクール。どのようにワインが出来るのか、テロワールとはどういった意味なのか、なぜ白ワインには辛口と甘口があるのかなどワインの総合的な知識が学べるワイン総合講座と、テーマ別に毎週開催される入門講座、ワイナリーを見学できる研修コースなど、コースもバラエティーに富んでいる。総合講座はワイン初心者を対象なので、これからワインを勉強してみたいという人も安心して受講できる。

在仏歴7年の田中智浩先生は、昨年半年間 掛けて世界一周し、ワインの知識を深めたほどのワイン・マニア。フランス産だけでなく、世界中のワインに関する広い知識を備えており、ワインに関する素朴な疑問にも親切に対応してくれるので気軽に質問してみよう。

16, rue Thérèse 75001 Paris
TEL : 01 71 19 76 34
月~金10:30-17:30
www.springwineschool.fr
ワイン総合講座(全12回):月木15:30-17:30、500ユー ロ(テキスト代金30ユーロ含む)
ワイン入門講座(全1回):金19:30-21:30、45ユーロ
*その他詳細はホームページでご確認下さい。

自然ワイン(Vin Nature)と
ビオワイン(Vin Bio)の違いってなに?

最近よく耳にするビオ・ワインや自然派ワイン。同義語のような印象を持たれがちだが、実際には以下のような違いがある。

ABマーク● Vin Bio(ABマークの付いたワイン):
ブドウの栽培に使用される農薬や醸造時の添加物の量がフランスや欧州で定めるビオ商品の規定内であることを保証したもの。

● Vin Nature:
自然ワインと呼ばれるものは、農薬や醸造時の添加物を使わず自然のままの状態でワインを作ったもの。

自然派ワイン添加物を使用しない自然ワインは、より取り扱いが難しく同じ年の同じ銘柄のワインであっても品質が一定していないことがあり、自然ワインを購入する場合は、信用の出来るカーヴで購入して色々と味の違いを比べ てみよう。

右写真)シャポー・ムロン、オーナーお薦めの自然派ワイン

 

身近なアウトドア フォンテーヌブローの森

身近なアウトドア フォンテーンブローの森
マウンテンバイクまず、フォンテーヌブローと聞いてまっ先に思い出されるのは、
世界遺産にも登録されているフォンテーヌブロー城。
けれど、忘れてはならないのがパリから
南西約50kmのあたりに広がる通称フォンテーヌブローの森。
かつてはルイ王朝の狩猟地、
今ではパリジャンの週末の憩いの場となっています。
パリからならば日帰りで、あるいはちょっとのんびりと一泊で
身近な自然を堪能できる森へ出かけてみましょう。

アクティビティいろいろ

パリ、リヨン駅からRER D線に乗って2駅目、なんと駅名もそのままズバリのBois le Roi(王の森)で下車。所要時間約25分で今回の目的地フォンテーヌブローの森の一角に到着です。駅の周辺はかつての面 影をしのばせる大きなお屋敷が続き ますが、しばし歩みを進めると小道は森へと分け入り、散策にもほどよい風情となります。駅前には商店がないので、パリで乗車前にサンドイッチと飲み物を買っておくことを忘れないように!また、森に入るので地図もお忘れなく。国立地理学院(IGN)(loisirs.ign.fr)のサイトでは森の地図が購入できます。「Balades en forêts de Fontainebleau」というタイトルの地図も出ています。あるいは、もうひとつの「Forêts de Fontainebleau」という地図もお薦め。フランスに住んでいれば当然のように目にする通りにつけられた名前と同じ仕組みで、小道にはところどころに通りの名前が掲げられています。地図と照らし合わせればどこにいるかは一目瞭然。念のためにコンパスの携行もお忘れなく。電車でアクセスできるフォンテーヌブローの森というとこの辺が最寄。半日散策するにはちょうどよいでしょう。

自転車を持ち込むという裏技もあります。ご存知のようにRERには自転車を乗せることが出来るので、気兼ねせずにトライしてみましょう。行動範囲がぐんと広がります。アウトドア用のVTT(マウンテンバイク)タイプのものがベスト。かなり楽しめます。パリ市内ではあなたの普段はナンちゃってVTTもここなら気分は本格VTTです。

マウンテンバイク

これからの季節、この森の秘かな楽しみは栗拾いとキノコ狩りです。栗拾いは年にもよりますが9月下旬頃から、キノコも10月頃からかなりの期間楽しめます。この辺りでは小粒ですが美味しい栗がたくさん拾えます。イガからはずして虫が食っていないものを選んだら、持ち帰って 栗ご飯ですね!キノコはここで単純 に説明するのは難しいので、書店でキノコ図鑑を手に入れてから収穫して下さい。

そして、フォンテーヌブローといえば……

森の入り口から進路を北にとり、地図上にあるPlace de Cuvierという開けた場所を目指します。ゴロゴロと巨岩が転がっているこの辺りは岩登りのメッカでもあります。100年以上も前からアルプス登山のトレーニング場としてこれらの岩場が利用されてきました。今日では、アルプス登山のトレーニングとしてではなく、純粋にこの岩を登ることを目的に世界中からクライマーが集まっています。本格的に楽しむには専用の靴があればベストですが、ちょっとトライするだけならスニーカーやハイキングシューズで十分です。まずは手頃な岩をよじ登ってみてください。ただし、落ち方には十分に気を付けて。地面には木の根が張り出し、小石が転がっています。落ちる際にこれらを踏むと捻挫や打撲、最悪骨折の原因にも成りかねません。本格派は特殊なマットレスを携行して墜落に備えています。

フォンテーンブロー

車で行くのならこのPlace de Cuvierへのアクセスは簡単。高速道路A6から国道N7を使ってパリから40分程度で到着です。N7沿いに大きな駐車場(GPS:48.445939, 2.637292)があるのですぐに分かるはずです。ミレーなどに代表される風景画家が集ったバルビゾン(Barbizon)という村もすぐそばなのでセットで楽しめます。

ミレーのアトリエ
ミレーのアトリエ
Credit: Mussklprozz / Wikimedia Commons

バルビゾン村
バルビゾン村
Credit: Photolibraly

もっといろいろなアクティビティを楽しみたい方には広大な森の南部に位置するLes Trois Pignons(レ・トロワピニョン)というエリアがお薦め。道路地図で目安になる村はジャン・コクトー晩年を過ごしたMilly la forêt。コクトーが眠る礼拝堂La Chapelle Saint-Blaise des Simples では彼の絵画が見られ、木曜日はにぎやかなマルシェが開かれたりするのでブラブラするにももってこいの村です。気の利いたカフェやブランジェリーもあり、美味しいサンドイッチも手に入ります。Milly la forêtを過ぎると県道D16沿い、Noisy sur Ecole とLe Vaudoué という村の間に大きな駐車場があります(GPS: 48.361956,2.523097)。

Les trois Pignons にはたくさんの岩があります。このあたりはCuvierと並ぶ有名な岩登りのメッカ。駐車場から砂利道をたどること数分で巨岩がゴロゴロしている光景を目にすることが出来ます。週末ともなれば地元フランス人のみならず、それこそ世界各地からこの岩を目指してやってくるクライマーたちを目にするでしょう。日本からも例外ではありません。

ここで行われる岩塊を登るクライミングのスタイルをボルダリングといいます。通常の岩登りは墜落に備えてロープで確保するのですが、ボルダリングにロープは使いません。持ち運びできるマットを地面に敷いて墜落の衝撃を和らげるのです。

世界共通のクライマー基本的なルールはいたってシンプルです。

クライミング・ルール
*岩を削ったり加工したりしてはいけない。
*登攀に際しては人工的な道具に頼らない。
*自分の判断で、自分の責任において登る。

これだけです。これさえ守ればあなたも今日からクライマーの仲間入りです。

クライミング

ハイキングを楽しむのなら……

南北どちらのエリアにアクセスしても森の中には縦横に小道があって自由にハイキングを楽しめるのですが、中級者ハイカーへのお薦め極め 付きはCircuit des 25 bosses(25の丘を越えるサーキット)でしょうか。総行程約6時間、総登高距離1000mというトレールです。これは、フォンテーヌブロー南部のLes Trois Pignonsの駐車場からスタートし、25カ所からなる小山(丘といった規模)をたどるコースです。森の中には山とまではいかないまでも、そこそこの起伏があります。それらをつないで歩くことでちょっと した山登り気分を楽しむことが出 来るのです。のっぺりと平坦に見えるフォンテーヌブローですが、思いのほか起伏があり、そこそこ見晴らしも楽しめるお薦めのコースです。「ちょっとした」と表現しましたが、山登りに慣れていない人はしっかりと準備をしていきましょう。くれぐれも装備はしっかりと。靴はやはりハイキングシューズをお薦めします。途中お店や水場は一切ないので食料、雨具、飲み水を十分に持参しましょう。それにしてもパリからのアクセス約一時間ということを考えれば、このバリューは悪くありません。ぜひ皆さんも週末の一日、フォンテーヌブローの森を満喫してください。

今回ご紹介したルートはほんの一例に過ぎません。森の中には縦横に小道が整備されており、四季折々さまざまな表情を見せます。興味を持たれた方はぜひご自身でガイドブックを手に取ってください。そこにはきっとあなたにあったトレールが紹介されているはずです。

ガイド:千葉和浩
在仏6年を経て現在オーストリア・ウィーン在住。
フリーランスカメラマン、競技クライミング日本代表チーム監督

道具

必需品一式をそろえるのにうってつけなのはパリ市内にあるAu Vieux Campeur。カルチエ・ラタンにある山道具の老舗で、地図やハイキングシューズ、クライミング道具、ザック、コンパスなど全てがそろいます。

Au Vieux Campeur
48, rue des Ecoles 75005 Paris,
TEL : 01 53 10 48 48
www.auvieuxcampeur.fr


情報

Circuit des 25 bosses に関する詳細を調べ るのなら、Circuit de Randonnées。ウェブサイトはフランス語のみだが、国内のお薦めのハイキングコース情報が満載。

www.circuitsderando.com/25bosses/index.htm


地図

フォンテーンブローの地図フォンテーヌブローお勧めの地図は、IGN(loisirs.ign.fr)のウェブサイトから買うことが出来る「Balades en forêts de Fontaine bleau」と「Forêts de Fontaine bleau」。細かい道もちゃんと明記されているので出発前にそろえよう。


 

Japan Expoには、どんな企業が参加しているの?

Japan Expoには、どんな企業が参加しているの?

今年10周年記念を迎えたフランス最大のジャパニーズ・ポップカルチャーの祭典Japan Expo。来場者数がわずか3200人だった1999年の第一回目から10年、今年は16万4000人を記録した。そんなJapan Expoにひかれ参加する企業の一部を紹介する。
(Texte et photo Hajime Yanagisawa)

PuffyPuffy AmiYumi
www.puffyamiyumi.com

Japan Expoには今年初参加の人気デュオPuffy AmiYumi。「フランスで日本のアニメが予想以上に浸透していたのに驚きました。アニメと音楽がじょうずに連動しており、見て聴いて楽しめるのがJapan Expoの特徴だと思います。初めてのフランスライブでしたが来場者にあたたかく迎えられ、ライブも大盛況で嬉しかった。7月に発売 された「Bring it!」を多くのファンに聴いてもらいたい」とご満悦の二人。

分島花音分島花音
www.kanonweb.jp

「Japan Expoはとても楽しいイベント。会場でかわいい猫ミミを買ったので会期中はずっとつけていました」という初参加の分島花音さん。ライブ会場の広さにビックリしつつも、駆けつけたファンのためにフランス語で自己紹介を行うなどサービスも満点。今後の活動予定は、新作CDの発売と欧州ツアー。新曲もレコーディング中とのこと、予定では秋ごろにお披露目が出来るそうだ。

スクウェア・エニックス株式会社
スクウェア・エニックス
www.square-enix.com

昨年に続き2回目の参加のスクウェア・エニックス。今年は売り上げが1.6倍もアップしたとのこと。今回は人気商品ファイナルファンタジーの他に、カプコンのゲームソフト「バイオハザード(Resident Evil)」のキャラクターのアクションフィギュアなども紹介。欧州は日本やアメリカと人気商品の傾向が違うので、来年は今年の分析結果を元にさらなる飛躍を目指すという。

バンダイ・ナムコグループバンダイ・ナムコグループ
www.bandainamco.co.jp

Japan Expoでは既におなじみとなったバンダイ・ナムコグループのブース。玩具、ゲームソフトやアニメDVDなど幅広い商品を展開している。今年は、フランスでも絶大な支持を誇る聖闘士星矢関連の商品や、ドラゴンボールのトレーディング・カード、そして超合金ロボットの販売に力を入れているという。ゲームソフトやアニメDVDも順調に売り上げを伸ばしている。

セガ・ミュージアムセガ・ミュージアム
www.sega.fr

業務用ゲーム機器や家庭用ゲームソフトの開発販売で有名なセガ。今年はセガがこれまでに開発したゲーム機やゲームソフトの歴史を知ることが出来るセガ・ミュージアムを企画。欧州で販売されなかった昔のゲーム機や、懐かしのゲームソフトなどが一度に見れるということで予想以上の来場者だという企画スタッフ。ウェブ上でも閲覧できるバーチャル美術館も計画中だそうだ。

ラフォーレ原宿ラフォーレ原宿
www.laforet.ne.jp

時代を先取りしたファッションで国内外から絶大な支持を得ているラフォーレ原宿は今年3回目の参加。Japan Expo第3日目に行われたラフォーレ原宿ファッションショーでは1万6000人収容のメインステージを見事埋め尽くした。会場ブースではゴシック、ロリータ、パンクなどラフォーレ原宿一押しのファッション・ブランドが所狭しと展開され来場者を魅了した。

株式会社 NTT ドコモ株式会社 NTT ドコモ
www.nttdocomo.co.jp

今年初参加のNTTドコモ。ブースではドコモのサービスと日本に旅行などで訪れたフランス人が利用できるNTTドコモのネットワークやドコモの携帯端末のレンタル・サービスの紹介を行った。レンタル出来る端末は3G対応機種なので、フランスで利用しているSIMカードを来日時に持参すれば、フランスと同じ電話番号で携帯電話が利用出来るとのこと。

Japan国際コンテンツフェスティバルJapan国際コンテンツ
フェスティバル
www.cofesta.jp

日本の各種イベントを国際的に幅広く紹介するため、2007年に日本の経済産業省および日本のコンテンツ関連企業6団体 などによってJAPAN国際コンテンツフェスティバル(愛称CoFesta)は誕生した。Japan Expoでは、9月から10月にかけて集中的に開催される東京ゲームショーや、東京国際映画祭などさまざまなイベントの紹介を行った。

株式会社 日本航空株式会社 日本航空
www.fr.jal.com

日本航空はJapan Expoの公式スポンサー。会期中に行われるコスプレ大会の優勝者へ日本への往復航空券を贈るなど尽力的にイベントに参加。近年は人気観光スポットの東京や京都だけでなく高野山での宿坊体験、高山、白川湖、金沢などの観光地や冬は雪祭りのシーズンに合わせて北海道を紹介している。後日航空券を購入してくれる来場者がいるなどリターン率は高いという。

株式会社 日本旅客鉄道株式会社 日本旅客鉄道
www.japanrail.com

Japan Expo初参加のJRは、日本を訪れる外国人に人気のジャ パンレールパス(JR Pass)を来場者に紹介。日本の人気観光スポットといえば京都、奈良、東京、大阪に軍配が上がるものの、旅行シーズンによっては北海道や九州など、近年は東北や四国なども人気があるそうだ。経済不況で海外からの旅行者は若干減ってはいるものの、フランスからの旅行者は年々増えているとのこと。

Japan Expo  10th anniversaryJapan Expo
10th anniversary

今年10周年目を迎えたJapan Expo。第一回目の1999年は来場者3000人程度の小さなイベントだったが、今年は昨年の入場者を上回る16万人を記録した。特設スタンドでは、これまでJapan Expoにゲストとして訪れた漫画家やアニメ作家の色紙やセル画が展示されており、来場者はJapan Expoの10年の軌跡を見ることが出来る。

バッティングセンターバッティングセンター
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Japan Expo開催に合わせ今回誕生したバッティングセンター。バッティングブースは、アメリカからこのイベントのために特別に取り寄せた。球は子供でも楽しめるようにゴムボールが採用されているがバッティングマシーンから発射される本格派。日本における野球の歴史やグッズを知ってもらうためのブースも隣接しており、待ち時間の間も楽しむ来場者が多かった。

株式会社 日本国際放送株式会社 日本国際放送
www.jibtv.com

日本国際放送は日本放送協会(NHK)の子会社で、日本国外に国際放送を配信する放送局として2008年に誕生した。この放送局の特色は、番組が全てインターネット経由のストリーミングで配信されることと、大部分の番組が英語吹き替えで放送されてい ることだ。Japan Expoには初参加だが、来場者が日本のコンテンツに興味を持っていることに確かな手応えを感じている。

NolifeNolife
www.nolife-tv.com

日本のポップカルチャーを紹介するテレビ局として絶大な人気を誇るNolife。Japan Expoのブースでは、Nolife関連グッズの販売のほかに、公開収録が行われるなど精力的に活動を行い、連日ファンが詰めかけるブースとなった。Japan Expoで行われた各種イベントも積極的に取材しており、Japan Expoの魅力を余すことなく伝える公式スポンサーとしても大活躍。

ジャパンコンテンツ株式会社
ジャパンコンテンツ
TEL : +81(0)3-5530-9328

昨年に続き2回目の参加のジャパンコンテンツ。去年に比べると日本のビジュアル系の雑誌やフィギュアなどがフランスに増えてきた感じがあるそうだ。今後は日本にあるビジュアル系のコンテンツをウェブやiPhoneで配信を行ったり、フランス語版の出版を中心に活動をしていきたいとのこと。日本の雑誌をもっと身近に感じてもらえるようになれば嬉しいとスタッフ一同。

The LoooniesThe Looonies
www.myspace.com/looonies
www.triceratops.net

The Loooniesは日本のロックバンド、トライセラトップス の最新アルバム「Made in Love」収録曲「Future Folder」、「Loony’s Anthem」、「Made in Love」のビデオクリップに登場する架空のロックバンド。The Loooniesは、音楽ファンのみならずアニメ界にも話題を振りまき小説まで誕生したほどの人気ぶり。

Kaze / Wasabi RecordKaze / Wasabi Record
www.kaze.fr
www.wasabi-records.fr

日本のアニメ関連商品の販売を行うKaze。1993年に創立し、アニメ「ロードス戦記」のカセット販売からスタートした。2005年にはJ-Popに特化した音楽レーベルWasabi Recordを立ち上げ、分島花音を始めとする人気アーティストをフランスに紹介している。Japan Expoでは、KazeとWasabi Recordが協同のブースでそれぞれの商品を販売。

タコ焼き Atsu Atsuタコ焼き Atsu Atsu
www.atsu-atsu.fr

近々パリ市内で予定しているタコ焼き専門店のオープンに先駆け出店。漫画やアニメによく登場する食べ物として知名度はあるものの、実際に食べたこと無い人がほとんど。従来のタコ焼きとは少し趣向を変え、中の具はタコの他にサケとエビを用意。Atsu Atsuスタッフによれば、フランス人にはタコよりもエビが大人気だそう。1日におよそ2000食の注文が入ったという。

大阪ブース大阪ブース
(大阪府・大阪市)
www.osaka.fr

西日本のキー都市、大阪府と大阪市のジョイント参加。お好み焼きやタコ焼きなど大阪の名物を知っているなど、フランス人の若者が意外にも大阪に精通していることに一同ビックリ。今回はアニメの祭典ということで、大阪日本橋にある西日本最大の電気街でんでんタウンを紹介している。他にも大阪の観光名所や大阪を代表する企業などの紹介も行った。

京子食品京子食品
www.kioko.fr

パリではおなじみの京子食品はJapan Expo初参加。会場では、日本のお菓子や飲料水を中心に販売。特に人気だったのが、あんパン、焼きそばパン、ラムネやがぶ飲みクリームソーダなど日本ならではの商品。会場ブースでは取り扱っていなかったワサビや本だしなどの日本食材や調味料についての問い合わせも多く、初参加ながらも確かな手応えを感じたとのこと。

株式会社 味の素株式会社 味の素
www.ajinomoto-europe.com

会期中ひときわ人気の高かったブースのひとつ味の素。このブースでは、日本ではおなじみのカルピスと、即席めんの親方ラーメンをPR。親方ラーメンは、その場で作ったものを試食してもらうデモンストレーション販売でお昼どきには長蛇の列。カルピスも、定番のホワイトの他、ブドウ味などさまざまなフレーバーを紹介。後を引くおいしさにおかわり殺到だった。

ギメ東洋美術館フランス国立
ギメ東洋美術館
www.guimet.fr

ギメ美術館はJapan Expoに初参加。主催者であるSEFAからの要望で参加を決定した。Japan Expoは、漫画とアニメの祭典と認識していたが、来場の若者たちがアジア美術にも興味を示していることに驚きと美術館スタッフ一同。来年もぜひ参加したいと確かな手応えをつかんだ様子。ブースでは、現在開催中の展示会の案内や美術館のウェブサイトの案内を行った。

ビッグジョン株式会社 ビッグジョン
www.bigjohn.co.jp

1960年にジーンズの生産を開始。その後自社デニムの開発をスタートさせ、国産ジーンズの先駆けとして知られるようになったビッグジョン。Japan Expoの参加は今年が初めてだが「世界中どこでも、良い商品は必ず理解してもらえる」と初参加の気後れを感じさせないスタッフ一同。しかし、予想していたよりも年配の来場者が多いことにビックリしたそうだ。

AAA言語学院AAA言語学院
www.aaaparis.net

パリのオペラ座地区に学校を構える語学学校AAAは、Japan Expo参加常連企業のひとつ。AAAスタッフによれば、来場者の日本語レベルは年々向上しており、最近は「こんにちわ」「ありがとう」など簡単な言葉を交わしてくれる人が増えたそうだ。毎年参加しているのでAAAの知名度も上がってきており、エシャンジュ(交換授業)についての問い合わせも多いとのこと。

インターカルト日本語学校  www.incul.com
( 株)サクシーオ  www.homestay-in-japan.com
Voyages à la carte  www.voyages-alacarte.fr

インターカルト日本語学校/( 株)サクシーオ/Voyages à la carte漫画やアニメの人気も助け、旅行や留学目的で日本へ訪れる若者が増えてきたフランス。そんな若者たちの手助けになればと日本の日本語学校、ホームステイ手配会社とフランス旅行会社の3社が協同で日本へのホームステイをPR。ブースを訪れた来場者には、日本に関連する簡単なアンケートに答えてもらいながら日本の魅力を余すことなく紹介していた。

新宿日本語学校学校法人 新宿日本語学校
www.sngfrance.fr

独自の学習法を用いて多くの外国人に日本語を教えてきた新宿日本語学校(SNG)。2003年にフランス支部が開校してからは、東洋文化学院(INALCO)の学生など日本語を学ぶ多くのフランス人が、日本語のスキルアップのためにSNGに在籍している。 「Japan Expoは初参加ですが、会期中に多くの若者から日本語留学について訪ねられました」とスタッフ一同ご満悦。

Ikebana-SuiôIkebana-Suiô
www.atelier-ikebana.com

今年初参加のいけばなのブース。日本でいけばなの素晴らしさに出会い草月流師範資格を取得したマリー・アンドレさん(師範名:水桜)が、いけばなのデモンストレーションとアトリエを開催。マリーさんによれば、いけばなは年配の方だけでなく若者にも興味が高く大盛況だったとのこと。いけばなの魅力を少しでも知ってもらうためにも問い合わせは常時受け付けている。

Les Jardins de GaïaLes Jardins de Gaïa
www.jardinsdegaia.com

フランス東部、ウイッチスハイム市に本社を構えるお茶の専門店ガイア。昨年は、初参加にもかかわらず予想以上の反響があったので今年も参加を決めましたとのこと。日本茶はもちろん、ヨーロッパやアジアなど世界各地のお茶を取りそろえている。会期中は、ブース内のアトリエ・スペースにて抹茶のたて方や緑茶の上手な入れ方などのデモンストレーションが行われた。

 

パリの美術館レストラン&カフェ

パリの美術館レストラン&カフェ

芸術の都、美食の都、どちらのパリも一度に満喫。一度は行きたい王道から注目の新スポット、隠れ家的穴場まで、お腹も心も至福になれるおすすめ美術館レストラン& カフェ!(Ryoko Umemuro & Akiko Taira)

*営業時間・料金は変更される可能性があります。あらかじめご了承下さい。

エッフェル塔を望むアート空間で味わう世界の食材
Les Ombres

ケ・ブランリー

ケ・ブランリー美術館別館の最上階、エッフェル塔を目前にした絶景のロケーションにあるレストラン、レ・ゾンブル(「影」の意)。壁や床、食器にいたるまでエッフェル塔の影をモチーフにデザインされた内装は、美術館の設計者ジャン・ヌーヴェルによるもの。

この眺め良きアーティスティック空間でいただけるのは、若き実力派セバスチャン・タッセさんの独創的で繊細な感性が光るガストロノミックなフランス料理。美術館が非西洋の原始美術を紹介していることもあり、自立支援の一環として開発途上国で作られた食材を購入・使用、非西洋のスパイスなどエスニックな要素も取り入れている。現地から送られる食材が頻繁に変わるため、単品料理は毎週変更。展覧会ごとに変わるコース料理もお薦め。

手軽に楽しむなら建物地上階の姉妹店カフェ・ブランリーへ。エッフェル塔の眺めも異なるので、できれば両方試したい。

前菜21€ ~、メイン28€~、デザート13€ ~、
ランチコース 28€ ~、コース 95€
12:00-14:30 / 15:00-17:30
(サロン・ド・テ)/ 19:00-22:30(金土 23:00まで)
TEL : 01 47 53 68 00
www.lesombres-restaurant.com

Le café Branly
9:00-18:00(木金土 20:00まで)、月休
TEL : 01 47 53 68 01

美術館情報Musée Quai Branly

2006年に開館したアフリカ、オセアニア、アジア、アメリカの文明・芸術を紹介する美術館。所蔵品は30万点を超え、資料的価値としても高い原始美術品を多数展示している。ジャングルの英雄ターザンの実像に迫る「Tarzan !」展開催中(9月9日まで)。

住所 27, quai Branly 75007 Paris
M Alma-Marceau⑨、Iéna ⑨、Bir Hakeim ⑥
RER C線 Pont del Alma
オープン 11:00-19:00(木金土 21:00まで)、月休
入場料 企画展 7 €、常設展+ 企画展 10€
TEL 01 56 61 70 00
WEB www.quaibranly.fr

芸術家の集った庭でいただくママンの手料理
Le Salon de Thé de Cathy

Le Salon de Thé de Cathyパリ9区、ヌーベル・アテネ地区にある小さな門をくぐり、木々に囲まれた石畳の小道を抜けると現れる可愛らしいおうち。ロマン派の画家アリ・シェフェール(1795-1858)が自宅兼アトリエとして晩年を過ごし、ドラクロワやショパン、ジョルジュ・サンドなど当時の芸術家が集い、語らい、作品を発表していた場所だ。現在ロマン派美術館として彼らの作品を展示している敷地内にある自然美を生かした庭園では、鮮やかな草花の心地良い春から秋限定でサロン・ド・テがオープンしている。

店を切り盛りするのはキャシーさん。化学調味料は使わず、新鮮な食材を使ったヘルシーな手料理を提供。毎朝市場で仕入れるため料理も毎日異なり、昼食時には常連のパリジャンが庭を埋め尽くす。

喧騒(けんそう)となったパリの街からワープしてきたかのような空間の木陰の下で味わう優しい料理と自家製レモネードは夏の疲れを優しく癒してくれる。

ランチセット 11 € ~、ケーキセット 10€
11:30 - 17:30、月祝休 10月31日(土)まで

美術館情報Musée de la Vie Romantique

19世紀、多くの芸術家や知識人を魅了し、パリのロマン派運動の中心地であったヌーベル・アテネ地区にある。当時この邸宅に集っていたロマン派の芸術家たちの作品やゆかりの品々を展示する他、アーティストたちのアトリエとしても使われている。

住所 16, rue Chaptal 75009 Paris
M Saint-Georges⑫、Pigalle②⑫、 Blanche②、Liège⑬
オープン 10:00-18:00、月祝休
入場料 常設展無料、企画展 3.30€~9€
TEL 01 55 31 95 67
WEB www.vie-romantique.paris.fr

現代アートに囲まれてこだわり創作フレンチ
Restaurant de la Maison Rouge

Restaurant de la Maison Rouge

2004年のオープン以来、刺激的かつ質の高い企画展で話題を集めるメゾン・ルージュの中庭に面したレストランでは、美術館同様、自由な精神と遊び心、飽くなき探求心とこだわりが気さくに味わえる。「申し訳ないのですが、料理が出来るまで少しお待ちいただきます」とは調理場を一人で切り盛りするシェフのパスカル・オブザレックさん。デザートを含め、加工品はもちろん作り置きも一切せず、注文を受けてから全て調理するためだ。

週末に提供されるブランチと単品料理は展覧会に合わせて創作される。本展覧会中日本人へのお薦めはマグロのステーキ。レアに焼かれた柔らかいマグロの下には何と海苔が。日本人にはなじみの組み合わせだが、長年フランス伝統料理に従事してきたパスカルさんの確かな実力に裏付けられた創造性とそのていねいな仕事は幸福な味の新発見を与えてくれる。日本のほうじ茶まであるドリンク類も充実。

前菜 5€~、メイン 11€~、デザート 5.50€、
ランチコース 13€~、ブランチ 21€(土日のみ)
12:00-18:30(火 15:00まで、 木 21:00まで、
15:00よりサロン・ ド・テ)、月休
TEL : 01 46 28 21 14
*シェフ夏休暇のため8月15日まで軽食のみの提供となります。

美術館情報La maison rouge

美術収集家アントワーヌ・ド・ガルベールによって設立された私営の現代アート・スペース。かつて印刷工場だった古い建物を改造し、年2~3回企画展を行っている。漫画(BD)と現代アートの関係性に迫る展覧会「Vraoum!」開催中(9月27日まで)。

住所 10, bd de la Bastille 75012 Paris
M Quai de la rapée⑤、Bastille①⑤⑧、 Gare de Lyon
RER A線
オープン 11:00-19:00(木 21:00まで)、月火休
入場料 7€
TEL 01 40 01 08 81
WEB www.lamaisonrouge.org

パリを一望 絶景・絶品レバノン料理
Le Zyriab by Noura

Le Zyriab by Noura

建築家ジャン・ヌーヴェルの名を一躍世に知らしめたアラブ世界研究所。セーヌ川沿いに建つこの建物を訪れたらぜひ最上階へ。心地良い風に吹かれながらパリのパノラマ・ビューが楽しめる屋上では高級レバノン料理を味わえる。

アラブ料理の中で最も洗練されていると言われるレバノン料理は、素材を生かした調理法で、日本人にも親しみやすい。宗教上の理由から野菜料理のバリエーションも多く、ベジタリアンにもおすすめ。「種類豊富な小皿料理をみんなでつまみながら和気あいあいと楽しんでください」とは支配人のマホルード・アッシさん。特別な夜はぜひ家族や気の置けない仲間と共に。エレガントな店内で味わうパリの夜景とワイン発祥の地であるレバノン産のワイン、そして上質な料理の数々が至福の時を与えてくれる。また、テラス席でパリを一望しながらレバノンのスイーツやミントティーでゆったり午後のひとときを過ごすのも最高だ。

前菜 10€~、メイン 22€~、デザート 9€~、
ランチコース 48€~、ディナーコース 72€~
11:00-23:30 日夜・月休
TEL : 01 55 42 55 42
www.noura.com

美術館情報Institut du Monde Arabe

アラブ22カ国の情報や文化を紹介、フランスとの相互理解・文化交流を目的に設立された。アラブ世界の美術品などを展示する美術館他や図書館、多目的ホールなどを備える。パレスチナの現代作家の作品を集めた「Palestine」展開催中(11月22日まで)。

住所 1, rue des Fossés-Saint-Bernard 75005 Paris
M Jussieu⑤⑩、Cardinal-Lemoine⑩、Sully -Morland⑦
オープン 10:00-18:00、月休 図書館 13:00-20:00、日月休
入場料 7€
TEL 01 40 51 38 38
WEB www.imarabe.org

パリの中心で開放感が味わえる
Le saut du loup

Le saut du loup中世時代のものから現在までの装飾芸術品を展示する装飾芸術美術館の地上階にあるル・ソ・デュ・ルゥ。場所柄モード関係者やクリエーターも多く訪れる店内は白と黒を基調にしたシックな空間。ルーヴル宮殿内カルーゼル庭園に面するテラス席は、パリの中心地にあって広々とした空の下、心地良い開放感が味わえるだけでなく、左手にはガラスのピラミッド、左手にはエッフェル塔も望める好スポット。現代フランス創作料理を提供している他、夜はバーにもなり、利用価値は幅広い。

前菜 6€~、メイン 17€~、 デザート 6.80€~
TEL : 01 42 25 49 55
12:00-26:00
www.lesautduloup.com

美術館情報Musée des Arts Décoratifs

住所 107, rue de Rivoli 75001 Paris
M Palais Royal-Musée du Louvre①⑦
オープン 11:00-18:00(木 21:00まで、土日 10:00より)、月休
入場料 8€(装飾芸術美術館、モード&織物美術館、広告博物館共通)
TEL 01 44 55 57 50
WEB www.lesartsdecoratifs.fr

パリ一美しいサロン・ド・テ
Le Café Jacquemart-André

Le Café Jacquemart-André19世紀の美術収集家の邸宅を美術館にしたジャクマール=アンドレ美術館。庭に面した当時のダイニング・ルームは現在、パリ一美しいと言われるサロン・ド・テとして多くのパリジャンや旅行者を魅了している。イタリア・ルネッサンスの作品を始めそうそうたる美術品を堪能した後、高い天井、壁に飾られた絵画やインテリアに囲まれティー・タイムを過ごせば、すっかり貴族気分。毎日10種類程用意されるデザートもお薦め。

ランチプレート (11:45-15:00)16.50€
ティーセット(15:00-)9€
ブランチセット (日 11:00-15:00)26€
11:45-17:30( 15:00よりサロン・ド・テ)、日 11:00より 無休
*8月25日まで、サラダ付軽食、 デザート、ドリンク類のみ の提供となります。

美術館情報Musée Jacquemart-André

住所 158, bd Haussmann 75008 Paris
M St. Philippe du Roule⑨、Miromesnil⑨
オープン 月~日 10:00-18:00
入場料 10€
TEL 01 45 62 11 59
WEB www.musee-jacquemart-andre.com

この夏オープン 話題の新スポット
Le Chantier

Le Chantierパリ市郊外のヴァル・ド・マルヌ現代美術館(MAC / VAL)内にあるル・シャンティエは、気軽にほっと一息つける和やかなムードのカフェ・レストラン。フランス伝統料理に長年携わってきたシェフのミュリエル・カリウさんが世界の味を求める旅から戻り、今年7月にオープン。確かな実力が現れるシンプルな料理の中には、旅の経験を生かしたエキゾチックな風味がブレンドされている。サンドイッチなどの軽食も用意されているので、小腹が空いたときにも最適。

軽食 6€~、メイン 12€、デザート 5€~
火~金 12:00-15:30、土日 12:00-19:00、月休
TEL : 01 46 80 28 77
www.lechantier.eu

美術館情報MAC/VAL, Musée d'Art Contemporain du Val-de-Marne

住所 Pl de la Libération 94404 Vitry-sur-Seine
M Porte de Choisy⑦ T3(puis bus 183 Musée MAC/VAL下車)
RER C線 Gare de Vitry-sur-Seine(puis bus 180 Villejuif-Louis Aragon行Musée MAC/VAL下車)
オープン 12:00-19:00、月休
入場料 4€
TEL 01 43 91 64 20
WEB www.macval.fr

ベルサイユのバラに囲まれてティー・タイム
La Petite Venise

La Petite Venise広大な敷地を有するベルサイユ庭園で優雅なひとときを過ごしたいなら、庭園の真ん中、運河のそばにあるイタリア料理店ラ・プチット・ヴニーズで。17世紀の田舎風建築の中は上品で落ち着いた雰囲気。夏場はぜひバラの草花に囲まれたテラス席でイタリアン・ジェラートを。心地良い自然の中でいただく本場の味は、疲れも癒すぜいたくなひとときを与えてくれる。夏の週末や祝日に行われる庭園の噴水ショーに合わせて行ってみるのもお薦め。

前菜 9.50€~、メイン 18€~、 デザート 6.50€~
月~日 9:30-18:30
TEL : 01 39 53 25 69
www.lapetitevenise.com

美術館情報Les Jardins de Versailles

住所 Parc du Château de Versailles 78000 Versailles
RER C線 Versailles Rive Gauche
SNCF Saint-LazareよりVersailles-Rive-Droite
オープン 7:00-20:30(冬期 8:00-18:00)
入場料 無料(噴水ショー開催日は8€)
TEL 01 30 83 77 88
WEB www.chateauversailles.fr

ベル・エポックのセレブを満喫
Le restaurant du musée d'Orsay

Le restaurant du musée d'Orsay印象派絵画を始め19世紀から20世紀初頭の芸術作品を展示するオルセー美術館が、1900年開催のパリ万博のために建設されたオルセー駅を改造して作られたのは有名な話。美術館の中階にあるレストランは、当時セレブが集った駅のホテルのサロンだった所。ガブリエル・フェリエの天井画やきらびやかなシャンデリアなどその場にいるだけで夢心地。華麗な装飾品に比べると値段はお手頃で、お子様ランチがあるのもうれしい。

前菜 8€~、メイン 13€~、デザート 7€~、 ランチコース 16.50€
火~日 11:45-14:30 / 15:30-17:30(サロン・ド・テ、木休)
木 19:00-21:30、月休
TEL : 01 45 49 42 33
*入店には美術館入場券が必要です。

美術館情報Musée d'Orsay

住所 1, rue de la Légion d'Honneur Espace Median 75007 Paris
M Solférino⑫
RER C線 Musée d'Orsay
オープン 9:30-18:00(木 21:45まで)、月休
入場料 8€
TEL 01 40 49 48 14
WEB www.musee-orsay.fr

カジュアルorエレガント 選べる2つのカフェ
Café Carlu / Restaurant Café de l'Homme

トロカデロ広場に面するシャイヨ宮殿内にある2つのカフェ・レストランからはエッフェル塔が望め、パリ気分を満喫できる。建築・文化財博物館の入る正面入り口向かって左側には、カジュアルな雰囲気のカフェ・カルル。セルフサービス式カフェでインターネット接続エリアも。海洋博物館と人類博物館(2012年まで改装工事中)が入る右側にはエレガントな雰囲気のカフェ・ド・ロム。優雅な気分でしっかりと食事もいただける。

Café Carlu
軽食 6.50€~、セットメニュー 29.50€ 
11:00-19:00(木 21:00まで)、火休
TEL : 01 53 70 96 65 
www.laffiche.fr

Restaurant Café de l'Homme
前菜 12€~、メイン 20€、デザート 3€~ 
12:00-24:00
TEL : 01 44 05 30 15 
www.restaurant-cafedelhomme.com

美術館情報La Cité de l'architecture et du patrimoine

住所 Pl du Trocadéro 75016 Paris
M Trocadéro ⑥⑨
オープン 11:00- 19:00(木 21:00まで)、火休
入場料 企画展 8€、常設展+ 企画展 10€
TEL 01 58 51 52 00
WEB www.citechaillot.fr

Musée national de la Marine

住所 Pl du Trocadéro 75016 Paris
M Trocadéro ⑥⑨
オープン 11:00-18:00、火休
入場料 企画展 7 €、常設展+ 企画展 9€
TEL 01 53 6 5 69 69
WEB www.citechaillot.fr
 

ヘルシンキ隠れ家ストリート

ヘルシンキ隠れ家ストリート

ストップオーバーで立ち寄るだけでも、たとえ雨に降られてしまった場合でも、十分に楽しむことができるのがお買い物。そこでフィンランドならではのブランド・ショップが並んだ、市内中心部からフェリー乗り場までをつなぐポホヨイエスプラナーディ通りのお店をご紹介!

Helsinki Map


1. Kankurin Tupa

サンタのテーマパークみたい

Kankurin Tupa
1階にはフィンランドならではの木材を使用したアクセサリーや動物を模った小物が並び、地下が「サンタクロース・カンパニー」と名付けられたクリスマス関連商品の専門店となっている。とりわけ後者には、さすがサンタが住む国のお店というだけあって、かなり本格的な商品が揃う。まるでテーマパークに入場したかと見紛うほど、凝った内装には魅惑されてしまうはず。

住所 Phojoisesplanadi 35
営業時間 月~金 10:00‐20:00 / 土日 10:00‐18:00
WEB www.kankurintupa.fi

2. Pentik

Pentikインテリアを優しく温かく

サンタの故郷である、北部ラップランドを拠点とするデザイン会社がペンティック。アヌ・ペンティックという名の女性デザイナーが自宅の地下で細々と作り始めたもので、1970年代から急成長を遂げた。トナカイをモチーフとした温かく優しい色づかいの食器やキッチン用品には、寒い北欧に住む人々の夢が一杯詰まっている。

住所 Pohjoisesplanadi 25-27
営業時間 月~金 10:00‐19:00 / 土 9:00‐17:00
日 12:00‐17:00
WEB www.pentik.com

3. Moomin Shop

Moomin Shopムーミンがいっぱい!

ムーミン・グッズの販売専門店。大型デパート「カンプ・ギャラリー」の1階にある。箱一杯に積み上げられた何十頭ものムーミンのぬいぐるみを前にしたら、誰だって思わず笑みがこぼれてしまうはず。関連書籍のほかに、ムーミンのイラストがプリントされたコースターや文房具など、とにかく店内の至るところにムーミンがいる。

住所 Kämp Galleria
Pohjoisesplanadi 33
営業時間 月~金 10:00‐20:00 / 土 10:00‐17:00
日 12:00‐16:00
WEB www.kampgalleria.fi

4. Aarikka

Aarikka大自然から生まれたおみやげ品

フィンランドの白樺や松を使った木製アクセサリーに代表されるように、この国が有する大自然を材料としたアクセサリーや小物を扱うアーリッカ。クリスマスに世界中の子どもたちへサンタクロースが配れるようにと、フィンランドの森の奥で日々プレゼントを作り続けているという伝説の小人トントの人形が10ユーロから買えるから、手軽なおみやげとしてもぴったり。

住所 Pohjoisesplanadi 27
営業時間 月~金 9:00‐19:00 / 土 9:00‐17:00
日 12:00‐17:00
WEB www.aarikka.fi

5. Artek

Artek巨匠のデザインに出会える店

「フィンランディア・ホール」などを始めとして、歴史に残る数々の建築物を設計したフィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アールトがデザインした家具を販売するアーテック。食卓にアクセントを与えるミラー・ボールや、机としても使える変幻自在の組み立て式の椅子など、ユニークでどこか遊び心に満ちた家具が揃っている。

住所 Eteläesplanadi 18
営業時間 月~金 10:00‐18:00 / 土 10:00‐16:00
WEB www.artek.fi

6. Annikki Karvinen

Annikki Karvinen北欧の伝統が生んだ高級感

フィンランド人デザイナー、アンニッキ・カルヴィネンが手掛けたレディース・ブランド。「ポッパナ織り」と呼ばれる、コットン生地を割いて染色したフィンランドの伝統的な織物を扱っている。すべて手織りという布地には、さすがに高級感がたっぷり。ここでは日本のデパートなどで販売されている価格の約半額で購入することができる。

住所 Pohjoisesplanadi 23
営業時間 月~金 10:00‐18:00 / 土10:00‐16:00
日 12:00‐16:00
WEB www.annikkikarvinen.com

7. Marimekko

Marimekko北国の夢を映す鮮やかな色

「小さなマリーのドレス」という意味を持つ、フィンランドを代表するアパレル・ブランド。インテリアや生活雑貨も扱っている。どんな眠気も覚めてしまうほどの鮮やかな色使いが特徴で、世界各国に1000を超える店舗を展開。ここでは1階に女性服が並び、地下1階へと下りるとタオルやバスローブなどが並ぶ。同じ通りにはさらにもう一店舗がある。

住所 Pohjoisesplanadi 31
営業時間 月~金 10:00‐20:00 / 土 10:00‐18:00
日 10:00‐17:00
WEB www.marimekko.com

8. iittala

iittala透明に光るガラス芸術

元々はスウェーデンのガラス吹き職人が創業したガラス食器のブランド。これまでに鳥を模った「イッタラ・バード」や、アルヴァ・アールトがデザインした「アールト・ベース」などの人気作品を発表し続けている。黄色や緑の透明色の使い方が美しい。ムーミンのマグカップなどで有名な「Arabia」社の商品も同店で販売している。

住所 Pohjoisesplanadi 25
営業時間 月~金 10:00‐19:00 / 土 10:00‐17:00
日 12:00‐17:00
WEB www.iittala.fi

サンタが住む国の夏休み。

 

サンタが住む国の夏休み。- フィンランドへの旅

サンタが住む国の夏休み。

いよいよ夏休みの季節となり、ホリデーの過ごし方について真剣に考え始める頃。
しかし、ローマやバルセロナといった欧州の観光地は既に訪れてしまい、
中世の建築物や美術館めぐりを目的とした海外旅行に
少々飽きてしまっている読者も実は多いのではないだろうか。
そんな方々にお勧めしたいのが、フィンランドへの旅。
コテージで過ごす時間をこよなく愛する国民が住み、
日仏間を飛行機で結ぶ中継地としても便利なこの国ならではの
夏休みを紹介する。
(本誌編集部)

取材協力: Finnair(www.finnair.com)、
Visit Finland(www.visitfinland.com)、Finavia(www.finavia.fi )、
日本政府観光局(JNTO、www.seejapan.co.uk

急がない休日の過ごし方
フィンランドのコテージ・ライフ

ペッカ・フットゥネンさんフィンランド国内のコテージを 紹介・斡旋する「ロマレンガス」
マーケティング・マネージャー
ペッカ・フットゥネンさん

「夏は暇さえあればコテージ」

フィンランド人は、コテージで過ごす時間が本当に好きなんだ。私自身、夏は週末になる度に家族でコテージへと赴く。さらに子どもが夏休みに入ると家族一同でコテージに長期滞在するから、暇さえあればコテージでくつろいでいることになるね。

青年期になって、「今年の夏はもうコテージなんか行かない」なんて言い出す子どもたちもいるけれど、また数年経ったら、「今年は友達と一緒に過ごしたいから、コテージの鍵 を貸して」なんて頼んでくるんだからね。それで自分が人の親になると、子どもを連れてまたコテージへと出掛ける。定年を迎えたら、余暇の時間をコテージで過ごす。結局、いつまで経ってもコテージから離れられないんだ。

「1日なんてあっという間」

滞在期間は平均すると、長期の場合で1週間ぐらい。この前、コテージを3週間も借り切ったドイツ人の父子がいたけどね。そこまで長いと、お父さんはともかく、子どもにとっては休日というよりも何かの罰だったのじゃないかと思ったけれど(笑)。冗談はさておき、それぐらいゆったりとした時間を過ごせるのがコテージ・ライフの良いところだと思う。

1週間も同じ場所にいて退屈しないかって?例えば、朝起きて、コテージの庭で家族揃ってゆっくり朝ごはんを食べる。腹ごしらえをしたらボートに乗って湖の沖合いまで出掛けて、数時間ほど釣りを楽しむ。戻ってきて昼食。そのとき、釣った魚をさばくことだってできるだろ?少し昼寝をしたら、午後は森の中を散策。夕方にコテージに戻ってきてサウナに入ったら次は湖に飛び込んで、体が冷えたなと思ったらまたサウナに入る。そんなことをしていたら、1日なんてあっという間に過ぎてしまうよ。

「せめて一度は急がない休日を」

日本人の観光客がコテージを利用することは正直言って少ない。やっぱりわざわざ遠方から来るわけだから、一つの場所に長時間留まるよりも、色んな観光名所を周りたいって思 うんだろうね。でも欧州在住の日本人だったら、例えばヘルシンキに数泊して、車をレンタルしてコテージに3泊、それからその車でフィンランドの他の地域を周って計1週間、という過ごし方だってできるし。

せめて一生のうち一度、ほんの数日だけでもいいから、「急がない海外での休日」というのがあってもいいと思うんだけどな。

ロマレンガス
フィンランド国内にある2000以上のコテージを紹介する組織。ヘルシンキ郊外にあるサマー・コテージから、サンタクロースの故郷として有名なラップランド地方のスキー・コテージまで幅広く斡旋している。

Lomarengas Oy
Eteläesplanadi 22 C, 00130 Helsinki, Finland
Tel: 00358 306 502 502(英語)
E-mail: このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください
www.lomarengas.fi

フィンランド人流
コテージでの夏の過ごし方

セータリさん「フィンランド人がなぜコテージでの生活を好むか。それは森の沈黙を聞くためだよ」と語る、コテージの経営歴40年のセータリさん。フィンランドにあるコテージのほとんどは、彼のような農家が兼業で営むことが多いという。

Seeteri Farm
Riitta and Juhani Torkkomäki

Helsingintie 956, 31400 Somero, Finland
Tel: 00358 2 748 3565
E-mail: このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください

コテージ
(左写真)サマー・コテージの内部。木材を使用した内装に涼しさを感じる
(右写真)コテージ・ライフでは、ダーツ遊びや洗濯だってイベントになる

サウナ● サウナに入る
フィンランド人が大好きなサウナ。森に囲まれたコテージの中で、大自然の景色を眺めながら入るサウナは格別だ。多くのサウナが湖に面した位置に設置されている。

湖で泳ぐ● 湖で泳ぐ
サウナに入った後は、裸のままでコテージを抜け出して湖に飛び込む。コテージの多くは深い森の中に建てられているので、誰かに裸を見られるかもしれないという心配は無用。

湖で泳ぐ● 昼寝
コテージのベランダで耳をすませば、風のざわめきが聞こえてくる。森からの涼しげな風と北欧の透き通った太陽の光を受けながら、極上の 昼寝を味わうことができるはず。

ボートを漕ぐ● ボートを漕ぐ
ほぼすべてのコテージには、ボートが備え付けられている。ボートの上で釣りや読書に興じたり、ボートを漕いで対岸のレストランまで出掛けるという人も。

焚き火● ソーセージと焚き火
遊び疲れたら、焚き火の時間。最寄りの食料品店で事前に買出しをしておいたソーセージを焼き、冷蔵庫に冷やしておいたビールと共に味わうのがフィンランド流。

語り合う● 語り合う
コテージは、家族や友人と語り合う機会を提供してくれる。「コテージにいるときは、仕事や学校の話はしない。その代わり、その日に見た植物や鳥の話をするんだ」とペッカさん。

夏休みだからこそ訪れたい
ヘルシンキの観光スポット

フィンランドに来たからには、やはり首都ヘルシンキの散策も楽しみたいはず。ヘルシンキ市内は小さくまとまっているので、丸1日あれば、かなり多くの観光名所をめぐることができるだろう。
ヘルシンキ市内地図

パリから飛行機で3時間。ヘルシンキ空港から市内中心部までは空港バスで約35分。ヘルシンキ・カード(1日券が33ユーロ)を購入すれば、ヘルシンキ市内の公共交通機関の運賃と、60カ所以上の博物館、美術館への入場など が無料となる。

ヘルシンキお助け隊観光客の強い味方
ヘルシンキお助け隊

ヘルシンキ市内を散策していると、緑色のベストを着用した若者たちの姿を時折見かける。彼らの 正体は、いわば「移動式インフォ メーション・センター」。海外からの旅行客を相手に、目的地までの行き方を教えてくれたり、お勧めのショップを案内してくれている。皆、平均的なフィンランド人と同様に流暢な英語を操るが、中には日本語を話す者もいる。

深夜0時まで開館
ヘルシンキ大聖堂
Tuomiokirkko

ヘルシンキ大聖堂

北部では太陽が沈まない白夜が見られることもあるフィンランドでは、ヘルシンキ市内でも夏季は夜の11時を過ぎてもまだ明るい。そしてこの街のランドマークであるヘルシンキ大聖堂は、8月末までは真夜中0時まで開館。夕食後に訪れれば、大広場を見下ろすように建つこの大聖堂が、薄暗い空の中に白く光る様子を眺めることができるはずだ。

Unioninkatu 29 Helsinki
9:00‐0:00 入場無料

岩が醸し出す大自然
テンペリアウキオ教会
Temppeliaukion kirkko

テンペリアウキオ教会
(左)教会内部ではクラシック音楽が流れている (右)岩山の中にある洞窟のような外観

剥き出しの自然石で囲まれた、他の欧州諸国ではまず見ないユニークなデザインの教会。ガラス窓からは自然光が差し込み、独特の荘厳な雰囲気を作り出している。また音響が良いことから、コンサート会場としても頻繁に利用されている。上部を覆う岩山の上は自由に歩けるようになっており、ここで日向ぼっこをする地元民の姿が多く見られる。

Lutherinkatu 3 Helsinki
月・火・木・土 10:00-20:00
水・金 11:00-18:00
日 11:45-13:45、15:00-18:00

海岸近くにある物語の舞台
かもめ食堂
Kahvila SUOMI

かもめ食堂
(左)店の窓には「かもめ食堂」という店名が日本 語で書かれている (右)ボリュームたっぷり、魚のセット・メニュー

2006年に公開されて人気を呼んだ日本映画「かもめ食堂」。ヘルシンキの小さな日本食店に偶然集った3人の日本人女性を中心に展開するこの物語の舞台となったレストラン「カフェ・スオミ」は、市内中心から徒歩で30分ほどの場所にある。魚や肉を中心とした手頃なセット・メニュー(12.10ユーロ~)が中心。海岸にも程近いこの場所では、実際にかもめの姿をよく見かける。

Pursimiehenkatu12 Helsinki
月~金 7:00-18:00

世界遺産登録の要塞
スオメンリンナ島
Suomenlinna

かもめ食堂
(左、右上)早朝から深夜まで島へと船が出 港している
(右下)島が要塞として機能していた頃の面影を感じさせ る大砲

人口わずか900人というスオメンリンナ島は、17~18世紀にかけてスウェーデン王国やロシア帝国の支配下に置かれ、要塞として機能していた。夏の間、深い緑に覆われた小高い防空壕の丘の上に立って、風に揺れる菜の花を背にバルト海を望めば、遥か彼方から海兵たちの勇ましい掛け声や砲弾の音が聞こえてきそうだ。半日あれば、島中をぐるりと見て回れる。

行き方: ヘルシンキ中心街のマーケットから出ている船で15分

ヘルシンキでストップ・オーバーする夏休み。

フィンランド航空今年の夏は既に日本への里帰りを決めてしまったという人でも、フィンランドでの夏休みを楽しむ方法がある。それが、複数の航空路線を乗り継ぐ際に、その乗り継ぎ地点での宿泊を楽しむ「ストップ・オーバー」。フランスに住む日本人だからこそ便利に活用できる、ヘルシンキ空港のストップ・オーバー術をご覧あれ。

ヘルシンキ空港でのストップ・オーバー

フィンランドには興味あるけれど、お盆は日本に里帰りするのでこの夏はこれ以上の長期休暇が取れないという人へ。そんな人へのお勧めプランが、ヘルシンキ空港でのストップ・オーバーだ。2キロ四方に主要な観光名所が集まっているヘルシンキ市内であれば、ストップ・オーバーでの短い滞在でも十分に楽しむことができるはず。

日本へ最短で行ける欧州の国

フィンランド航空の直行便であれば、ヘルシンキ - 成田間が9時間半。意外なことに、ヘルシンキは日本までの航路を最短で結ぶ欧州都市だったりする。また同航空の便は東京・大阪・名古屋の3空港で離発着しているので、日本への帰省にはとても便利。さらに空港内には日本語案内が出ていたり、ラウンジでは日本語でEメ-ルが打てたりと、実はヘルシンキ空港は、欧州在住の日本人にとって最も使いやすい空港の一つなのだ。

ヘルシンキ空港でのストップ・オーバー・ プランの一例

* パリからヘルシンキ空港でストップ・オーバーして東京に帰省し、復路では東京からヘルシンキ空港での乗り継ぎのみでパリへと戻ってくる場合

パリ→東京
8月5日(水) 12:20 シャルル・ド・ゴール空港発
16:15 ヘルシンキ空港着
16:30 空港バスでヘルシンキ中央駅着
市内で1泊、翌日夕方まで市内を観光
8月6日(木) 17:20 ヘルシンキ空港発
8月7日(金) 08:55 成田空港着

東京→パリ
8月19日(水) 11:00 成田空港発
15:20 ヘルシンキ空港着、パリ便に乗り継ぎ
16:05 ヘルシンキ空港発
18:10 シャルル・ド・ゴール空港着

*時刻はすべて現地時間


日本語の表示!
ムーミン・グッズ
日本語の打てるPC
空港内のお土産さん。ムーミン・グッズは ここでも手に入る!

乗り継ぎそのものも便利

ヘルシンキ空港
森の国だけあって
空港内には木のデザインが

ロンドンのヒースロー空港やパリのシャルル・ド・ゴール空港と比べて、ヘルシンキ空港の規模はずっと小さく、全体的にこぢんまりとしている。だから国際線を乗り継ぐ場合でも、歩いて移動する距離は、長くてもせいぜい100メートルほど。建物の構造も非常にシンプルなので、30分もあれば楽ちんに乗り継ぎができてしまうはず。

ヘルシンキ空港

ヘルシンキ空港でストップ・オーバーができる日本までの航空券の料金などの詳細については、フランスの各日系旅行代理店までご連絡ください。

ヘルシンキ隠れ家ストリート

 

ロードバイクでサイクリングに出かけよう!

ロードバイクでサイクリングに出かけよう!

ツール・ド・フランスのスタート目前!せっかく自転車大国フランスにいるなら、ロードバイクを手に入れて、天気の良い日はサイクリングに出掛けてみよう。手に伝わる石畳の起伏の振動、ペダルを回して得られるスピード感、聞こえてくる自分の呼吸音、森林の心地よい匂いや照りつける陽の光が最高のぜいたくを与えてくれるだろう。移動手段としての自転車ではなく、乗ることそのものが目的の自転車。その楽しさを思う存分体に注ぎ込もう!(Texte par Kazuyoshi Ashidate & Masato Enya)

初めてのロードバイクはこうやって選び、
こうやって乗ろう!

ロードバイク(Véloroute)は舗装された道路を走ることに特化した自転車で、実用自転車とは性能も値段も大違い。そのスピードやギアチェンジのスムーズさなどは、初めて乗る人には感動ものだろう。ただしその分、自転車選びも慎重に。

購入後のメンテナンスを考えて自転車屋さんやDecathlon、GoSportといったスポーツ用品量販店でお店の人と相談しながら決めるのが一番。気を付けることは、体に合ったものを選ぶこと。無理な体勢でのサイクリングは体を痛めるので危険。試乗可能ならサドルからハンドルまでの距離やペダルまでの高さを試して、無理のない体勢で運転出来るものを選ぼう。次は、部品のチェック。各パーツにこだわれるのもロードバイクの楽しみのひとつ。フレーム(cadre)のメーカーや重さ、前後の変速機(dérailleurs)や車輪(roues)にどんなものが使われているのか、インターネットなどで各部品のグレードをチェックしながら探すと分かりやすい。

ロードバイクは実用自転車と乗り方も違う。ロードバイクは、サドルに座った状態で足は地面に届かないもの(止まっている時はサドルから前に下りて車体をまたぐような格好で足を地面に着ける)。サドルに座ってペダルが真下にある時に足が少し曲がる程度のサドルの高さでペダルを回そう。ペダルを回すと きはグイグイ踏むのではなく、軽めのギアで、足の親指の付け根でクルクルと回すように。そうすればひざを痛めることも防げ、疲れも少ない。ハンドルはブレーキレバーの根元を上から包むように持ち、ブレーキを掛けるときは片方だけでは危ないので左右同時に。最近のロードバイクならギアチェンジはブレーキレバーのところにギアを変えるレバーが付いているので、スピードと足への負担を考えながらこまめにギアを変えて、楽にペダルを回すことが長時間のサイクリングを無理なく楽しむコツだ。

サイクリング必携アイテム

普通の自転車ではちょっと行けない遠くまで足を伸ばせるのもロードバイクの魅力。ただし準備はしっかりと。

●携帯用の空気入れと替えのチューブ(Chambre à air)
途中でパンクしたら大変。パンクしたときの準備は必ずしておこう。パンクは穴をふさぐよりチューブごと交換してしまう方が楽。替えのチューブはいくつか持っていこう。タイヤレバーと工具も必携だ。

●地図
目的別、コース別などさまざまな自転車用の地図があるので、自分に合った自転車コースが載っているものを選び、必ず持参しよう。インターネットのGoogleMapなどで調べた地図をプリントアウトして持っていくという手も有効だ。

●水と食料
サイクリングで水は不可欠。夏の暑い時などは水なしでは脱水症状になりかねないので、必ず持っていこう。チョコレートなど高カロリーの食料や、スポーツ用品店などで購入可能なエネルギー補給用の食べ物やドリンクも重宝するだろう。

中古自転車を探してみよう!

ロードバイクは普通の自転車に比べると高価。入門タイプでも300ユーロ、良いものになると4000ユーロ以上のものもざら。そんなときは中古車を探してみてはどうだろう。自転車人口の多いフランスだけあって、良いものが見つかることも多い。アノンス・サイト「PriceMinister」やオークションサイトの「eBay」でも売りに出ている。ちょっと面白いのが、自転車専門のアノンス・サイト「Troc-Vélo」(www.troc-velo.com)。アノンスを出している人も自転車に詳しい人が多く、各部品が詳しく記載されていたり、情報が細かく載っていたりするので便利。プジョーなどフランスの自転車メーカーにこだわって探してみたり、とにかく値段の安いものを探してみたり、探し方もいろいろ。質問や交渉はサイトを通じて売り手とコンタクトを取れるようになっているので、気になるマシンがあったらコンタクトを取ってみよう。

自転車専門のアノンスサイト
自転車専門のアノンス・サイト
Troc-Vélo(www.troc-velo.com)
インターネットで中古自転車を購入するとき は、自転車の状態やパーツ、サイズなど不明な点をしっかりと質問しよう。また自転車の受け渡し方法や連絡先なども事前にきちんと確認すること。連絡や個人情報のやり取りなどは慎重に。

これだけはそろえよう!

ロードバイクを手に入れたら、メンテナンスや簡単な修理、それから安全・快適にサイクリングを楽しむための道具もそろえておきたい。

● ヘルメット(Casque)
転倒など万が一のために必ずかぶろう。

● 気圧計付き空気入れ(Pompe)
ロードバイクのタイヤには常に空気をしっかり入れておこう。最も重要で基本的なメンテナンスなので、気圧計付きの空気入れできちんと規定の空気圧を保つように。

工具● 工具(Outil)
ハンドルやサドルの調整など簡単なメンテナンスや調整に欠かせない工具。2~6mmの六角レンチとプラス、マイナス・ドライバーがひとつになったものが便利。

タイヤレバー● タイヤレバー(Démonte-Pneu)
パンク修理のときにタイヤを外すためのプラスチック製の工具。チューブ交換のときに車輪を傷めないように使う。

● 自転車メンテナンスの本
ロードバイクを長く快適に使うための実用書。オイル注入方法、各部所の調整、掃除など簡単なメンテナンスは自分で出来るようになろう。そうすれば、自分の自転車に愛着もわくこと間違いなし。

服装は、運動可能な格好ならさほど気にすることもない。ズボンのすそが巻き込まれたり汚れたりする恐れがある場合は、ゴムやすそ止め用のバンドを使って止めておこう。靴もペダルと固定できる専用のシューズがあるが、初心者はスニーカーなどで良いだろう。ただし靴ひもが巻き込まれると危険なのでひもはしっかりと靴の中に入れるか、靴ひものないものを履こう。レーサーパンツや自転車用のウェア、シューズなど、フランスでは種類も豊富なので、一通りそろえてツール・ド・フランスの選手気分で走るのも悪くない。

Bike

ロードバイクを手に入れたら、早速サイクリング。パリ近郊でフランス人レーサーに交ざって走るも良し、ちょっと遠くに足を伸ばしてみるも良し。フランスの風景に溶け込んでいく感覚や普段と違った旅の面白さにきっと病みつきになるだろう!ロードバイクをこれから始める人のために、パリ近郊で楽しめるサイクリングコースを紹介しよう。

サイクリングに行く前にこれだけは注意しよう

ロードバイクは車と同じく車道を走る。快適で楽しい乗り物だけど、事故に遭わないとも限らない。事故には充分気をつけよう。①車道の右側を走ること。自転車専用道路や自転車走行が許可されているバスレーンがある道路では、必ず自転車のレーンを走ろう。②歩行者には十分気を付けて。自転車は車と違い音がしないので、歩行者がこちらの存在に気付かず、飛び出してくることもある。③右折・左折や交差点を横切るときなどは、後方の車などに注意して、必ず手信号で合図を送ろう。

>ブーローニュ・ヴァンセンヌ

ブーローニュの森の中にあるロンシャン競馬場周辺はロードレーサーのメッカ。休日ともなると、大勢の人でにぎわう一周約3.5kmのコースがある。またヴァンセンヌの森にも一周約3kmのコースがあるのはご存知だろうか?

これらのコースの魅力はなんといってもレース気分を味わえること。道路の状態も良く、初心者でも時速30kmで走り続けることも難しくないので、ロードバイクのスピード感を味わうにはうってつけ。サイクリングはひとりで走るのと、集団で走るのとでは大違い。集団内では空気の流れが出来、風の抵抗も軽減されるため、はるかに楽に走れる。そろいのジャージでトレーニングをしている集団もいれば、50代、60代のおじさんたちで結成されたサークルもいて、それぞれが合流したり離れたり、いつのまにかツール・ド・フランス並みの大集団になっているなんていうことも。

もちろん森の中で「のんびりサイクリング」も十分楽しめる。車や信号の心配をしないでペダルを回せる環境は格別で、緑に囲まれた森林浴サイクリングだって楽しめる最高のコースだ。

ブーローニュ・ヴァンセンヌ
左)ヴァンセンヌ: レーサーたちに交ざって走ってみよう!
右)ブーローニュ: 休日になると本格的なレーサーたちでにぎわう

行き方ブーローニュの森はロンシャン競馬場の周りがコースになっているので、パリの 地図でも場所は簡単に確認出来る。
【注】競馬開催日は、競馬場の周りが自転車通行禁止になるので、競馬場がレースの日はチェックしておこう。ヴァンセンヌの森はAv. Daumesnilを真っすぐ進みヴァンセンヌ城の前に出よう。城を左手に、駐車場を右手に見て、駐車場が終わるところから右折してRoute de la Pyramideに入れば500m程でオベリスク前に着く。その向かいが周回コースの入り口。

>ベルサイユ

ベルサイユ宮殿を訪れたことがある人は多いかもしれないが、自転車で行ってみた人はどれくらいいるだろうか?パリから約15km。30分程で達成出来る上に、広い道路が続き、自転車レーンが設けられている区間も多いので、初めての遠出には向いている目的地。適度な疲れと自分の足で目的地に到達する達成感が心地良く感じられることだろう。

宮殿に着いたら庭園の中も自転車で回ってみよう。側面の庭園に直接通じる門から入ると、牧草を食(は)む羊たちがのほほんと過ごす中を走るゆったりサイクリングが楽しめる。トリアノン宮殿も訪れることも出来れば、庭園の隅の方の緑深い小道を通ることも出来るので、観光の範囲もぐっと広がるはずだ。

ベルサイユ自転車で行くベルサイユは電車で行くのとは別の味わいがある

行き方Pontde Sèvresを渡ってパリを出たらD910道路に従って真っすぐ。そのまま走っていると県道D10(Avenue de Paris)に自然と入り、正面に宮殿が見えてくる。パリから外にサイクリングに行く時や帰り道では、境になる大きな道路やロータリーに注意しよう。複雑な道路ではしっかりと地図を確認しながら慎重に。

>ウルク運河

ヴィレット公園からウルク運河沿いにClaye-Souillyまで自転車専用道路が整備されている。坂道も信号もないので、30kmという距離も負担にならない。5kmも走っていると運河の水質が変わってくるのが分かり、景色も緑が多くなってくる。15km程走るとスブラン国立森林公園を通過、持参したサンドイッチを食べるのにちょうどよい。森林公園を出てしばらくすると、舗装されたばかりの走りやすい道路に変わる。ついつい速度を出しがちになるが、野ウサギの飛び出しには注意しよう。

ウルク運河運河ではヌートリア(沼狸、ragondin)に会えるかも

行き方ヴィレット公園ではウルク運河とサン・ドニ運河を間違えないように注意が必要。ジョレス駅から運河の南側(ヴィレット方面に向かって右側)を進むとよい。

ツール・ド・フランス

世界で最も有名な自転車ロードレースのひとつ、ツール・ド・フランス。96回目となる今年は、20チーム総勢196名が7月4日にモナコをスタートし、時計回りにフランスを一周して26日にパリのシャンゼリゼでゴールする(全21ステージ、計3,445km)。フランスでは他にも数多くの自転車ロードレースが行われているが、パリ中心部が舞台になるのはツール・ド・フランスのみ。自転車乗りなら誰もが憧れる夢のレースを、今年こそ是非体感して欲しい。

コース地図

ジャージと各賞

マイヨ・ジョーヌと呼ばれる黄色のジャージが優勝者に与えられるということは聞いたことがあるかもしれないが、他にもさまざまな賞があり、エースをアシストする役割の選手たちにも表彰台が用意されている。

  • 個人総合タイム賞(マイヨ・ジョーヌ)
    マイヨ・ジョーヌステージ毎にタイムを競い、合計タイムが最も早い者にマイヨ・ジョーヌが与えられ、次ステージでマイヨ・ジョーヌを着用出来る。パリに到着した時にマイヨ・ジョーヌを与えられた(キープした)者が総合優勝の栄冠を手にする。
  • 山岳賞(マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ)
    マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ山岳地帯に設けられたポイント区間で獲得したポイントの合計が最も高い者に与えられる。ポイントは山岳の等級、通過順に応じて異なる。
  • マイヨ・ヴェールポイント賞(マイヨ・ヴェール)
    各ステージの着順とスプリント区間で獲得したポイントの合計が最も高い者に与えられる。
  • マイヨ・ブラン最優秀若手賞(マイヨ・ブラン)
    25歳以下の選手の中で最もタイムの早い者に与えられる。当該年齢であれば何度でも受賞可能。
  • チーム総合タイム賞
    ステージ毎にチーム上位3名のタイムが加算され、その合計タイムが最も早いチームに黄色地のゼッケンが与えられる(通常は白地)。
  • 敢闘賞
    ツール・ド・フランス関係者からなる審査団によって、ステージ毎に最もアグレッシブな走りをした者が選ばれ、赤地のゼッケンが与えられる。全ステージの終了時にはレース全体の敢闘賞も選ばれる。

みどころ

 第1ステージ

第1ステージMonaco - Monaco
15,5km 7月4日

モナコの市街地を舞台に、1分置きにひと りずつスタートする個人タイムトライアル形式で行われる。集団走行と異なり常に空気抵抗を受けるため、自転車やヘルメットの仕様を変える選手がほとんどである。

 第7ステージ

第7ステージBarcelone - Andorre Arcalis  
224km 7月10日

今大会最長コース。徐々に高くなってゆく3つの峠を越えなければならない。しかもゴール手前では7,1%の急傾斜が10km続き、クライマー(grimpeur)の最初の熱い戦いが繰り広げられる。

 第13ステージ

第13ステージVittel - Colmar 
200km 7月17日

ヴォージュからアルザスへと向かう起伏に富んだ中級山岳ステージ。アタック(集団から飛び出して千切りに掛かる)向きで、選手たちの駆け引きが勝負のポイントとなる。

 第20ステージ

第20ステージMontélimar - Le mont Ventoux
167km 7月25日

「プロヴァンスの巨人」モン・ヴァントゥー の頂上がゴール。7.6%の急傾斜が20kmも続き、マイヨ・ジョーヌを狙う選手たちを次々と振り落としていく。最終ステージを残し、おそらくここで勝負が決まる。ツール・ド・フランス7連覇という偉業を成し遂げたランス・アームストロングでさえ、モン・ヴァントゥーではマルコ・パンターニ(2000年)、リシャール・ヴィランク(2002年)に勝つことが出来なかった。

 第21ステージ  パリで観戦

第21ステージMontereau - Fault - Yonne - Paris
164km 7月26日

例年、マイヨ・ジョーヌを懸けた戦いが最終ステージまで持ち越されることはなく、すでにマイヨ・ジョーヌは決まっている。しかし、だからといって魅力がないわけではない。今年のコースでは、自転車集団はシャラントン方面からセーヌ川沿いにアラブ世界研究所、オルセー美術館前を通ってコンコルド広場、シャンゼリゼ通りへと抜け、コンコルド広場と凱旋門の手前の折り返し地点との間を8周する。猛スピードで目の前を走り去っていく大集団は圧巻で、初めて見る人には何が起こったのか分からないほどの一瞬の出来事だろう。でもご安心を。何せ8周である。シャンゼリゼ通りで見学場所をおさえておけば、16回見ることが出来るというわけ。これなら写真を撮り損ねる心配もない。何度か見ているうちに、石畳の上を高速で駆け抜ける選手たちが激しい振動に耐えていることもはっきりと分かるようになる。

大集団がパリに入るのは16時頃。その1時間半前にはスポンサーの装飾を施したキャラバンカーの一群がやってくる。この時には既にシャンゼリゼ通り沿道の最前列は埋まっているだろう。しかし、できれば14時前には到着して、人越しではなく目の前で観戦したい。注意しなければならないのは道路の横断が出来ないということ。友だちと現地で待ち合わせをする場合は駅の出口を間違えないように。

レース終了後、観客たちは表彰台の方へ向かい、周辺は大変な混雑となる。でも諦めて帰るのはまだ早い。表彰式の後、全ての選手がチームごと列になって観客に手を振りながらシャンゼリゼ通りを一周する。レース中はどこにいたのか分からなかったマイヨ・ジョーヌもはっきりと確認出来るチャンスを逃す手はない。

注目選手今年はランス・アームストロングの復帰に注目が集まっている。ツール・ド・フランス7連覇(1999年~2005年)を達成した直後、一度 は現役を退いたが、昨年秋に現役復帰を表明、今シーズンからレースに出場している。チームメイトのアルベルト・コンタドールは、昨年はツール・ド・フランスを逃したものの、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を果たし、史上5人目の三大グラン・ツール制覇者になったということもあって、優勝候補の筆頭に挙がっている。山岳コースを得意とする昨年の覇者カルロス・サストレ、2007年、2008年共に個人総合2位に終わったカデル・エヴァンスも上位争いに加わるだろう。そのほか、昨年はチームメイトのサストレをアシストしながらマイヨ・ブランを獲得したアンディ・シュレック、昨年個人総合で61位に終わったもののステージ優勝1回、ステージ毎の敢闘賞3回に加え、レース全体での敢闘賞も獲得したシルヴァン・シャヴァネル、そして1996年以来のツール出場となる日本人選手の活躍にも期待したい。

 

エコなヴァカンスの過ごし方

接続可能なツーリズム この夏のエコなヴァカンスの過ごし方

夏休みの予定がまだ決まっていない人、今年は自転車でのんびりとフランスの地方を探索してみませんか?自転車で移動すればエコロジーに貢献できる上にとても経済的。きっと新しい発見があるはず。(取材執筆・平野いづみ)


ブルゴーニュの運河沿いのサイクリング・コース

はるか大西洋から紅海までの
ルートを自転車でたどる "EuroVélo6"

Vélib'の導入以来、自転車がパリジャンの足としてすっかり定着した。まもなくツール・ド・フランスの季節だが、“自転車の復権”はツーリズムにも確実に反映されている。EuroVélo(www.eurovelo6.org)は1994年、ヨーロッパ自転車連盟(ECF)の提唱により始まったプロジェクト。エコな交通手段である自転車で、欧州の3大大河(ロワール、ライン、ドナウ)に沿ったサイクリング・ルートをたどり、豊かな自然や文化遺産を自分のペースで発見出来る。全長約2400kmのルートの大部分は“緑の道”と呼ばれる自転車専用レーン。それ以外も車の通行量が少なく、サイクリング可能に整備されている。

フランスのルートは、大西洋沿岸の街サン・ナゼールからミュールーズ近くのスイス国境までの約1100km。サントル、ブルゴーニュ、フランシュ・コンテ、アルザスの4地方が参画しているが、各自治体との協力により周辺観光地の紹介及びレンタル・サイクルのシステムやルート整備なども着実に進んでいる。

Euro Vélo6はエコなヴァカンスの過ごし方の提案であると同時に、拡大していくEUを持続可能なスローペースで巡る、ヨーロッパ的な壮大なスケールのプロジェクトなのである。

中部フランス、サントル

Euro Vélo6へのアクセスの拠点となるのは、アンボワーズ、ブロワ、トゥール、アンジェ、オルレアン、ナント、サン・ナゼールなど。これらの街で自転車をレンタルし、目的地までサイクリングして自転車を返却するか、目的地に到着後、自転車を列車に持ち込み、起点の駅まで戻ることも可能(www.locationdevelos.com)。 また、約150の宿泊施設がAcceuilVéloに加盟している(www.visaloire.com)。

この地方のルート280kmはユネスコ世界遺産に指定されており、シュノンソー、シャンボール、ブロワ城とお馴染みのロワール古城の他、シュヴェルニー、シノン、ソミュール、サンセールなど、ロワール・ワインのドメンヌ(www.vinsdeloire.frwww.vins-centre-loire.com)も多数。サンセールの北、約55k mにあ るブリアールには、ロワールとセーヌを結ぶエッフェル作の運河橋があり、“船で橋を渡る”という珍しい体験が出来る。ここから陶器の街ジアンも近い。また6~9月にかけて、サン・ナゼールから約20kmの城壁の街ゲランドでは、長い竿を使って塩を採取する塩職人の姿が見られる。ゲランドでは塩の他、キャラメル・サレなどもお土産にお薦めだ。

ロワール
左)船で橋を渡る、一風変わったギュスターブ・エッフェル作の運河橋 ©OTSI de Briare
右)中部フランス、ロワール・エ・シェールのシャンボール城 ©E.Mangeat


ブルゴーニュ

オセール、ヌヴェール、ディジョン、ボーヌ、マコンなどが、この地方でのアクセスの拠点となる。ワインのドメンヌで有名なジュレイ・シャンベルタン、ヴージョ、ニュイ・サン・ジョルジュ、ムルソー、サントネーなどの地にもローカル線(TER)が停車し、たいていの場合、列車に自転車が持ち込める。事前予約をすれば、路線バスにも自転車持ち込み可(5台まで)。日曜と学校休暇の時期には、バスが1日乗り放題になるPass Vélo(9€: 2~5人用)が利用出来る。”コート・ド・ボーヌ、グラン・クリュを巡る1日”の自転車コースもお薦めだ。ボーヌをスタートし、ポマール(3km)、ヴォルネー(4.8km)、ムルソー(8.6km)、ピュリニー・モンラシェ(13km)、シャサーニュ・モンラシェ(15km)、サントネーまで約20km。また、新たに自転車専用レーンが100km以上整備され、ブルゴーニュ運河沿いのルートが走りやすくなった。他に見どころとして、世界遺産のフォントネー修道院やヴェズレーの丘、ボーヌのオテル・デューなどがある(www.la-bourgogne-a-velo.com)。パッケージも各種用意されている。例えば、“ロワール河畔でBIOを満喫する週末”は、ヌヴェール付近のシャンブル・ドットに1泊。BIOの朝食とディナー、レンタ・サイクル付。2人で120€。早速、チェックしてみよう(www.vite-en-bourgogne.com)。

ブルゴーニュ
左)ブルゴーニュ地方の運河沿いのコース ©Alain Doire( Bourgogne Tourisme)
右)ブルゴーニュ地方のワイン畑を巡るサイクリング・コース ©Alain Doire( Bourgogne Tourisme)


フランシュ・コンテとアルザス

モンベリアール城フランシュ・コンテ地方のモンベリアール城 ©Floriane Ravard

フランシュ・コンテのルートは約187km。アクセスの拠点となる街はベルフォール、モンベリアール、ブザンソン、ドールなどで、世界遺産のブザンソンの城砦やアルケ・スナンの国立製塩所、「近代建築の父」ル・コルビュジエのロンシャン教会、ソショーにあるプジョー博物館、ワインの里アルボワなどが主な見所だ。一風変わった宿泊施設として、ペニッシュのシャンブル・ドット、Péniche Quiétude Besançon(bathotel.free.fr)がある。キャビン1泊B&B 80€(2人)でクルーズも可能だ。

アルザスのルート(約66km)は、ドーブ川に沿ってミュールーズを抜け、ライン川河畔の街スイスのバーゼルへとつながっていく。ミュールーズの自動車博物館やアルザス・ワイン街道(gastronomie.vins.tourisme-alsace.com)などが見所。また、スンガウは土地が平坦なため“自転車天国”と呼ばれている。


古い農場を改装したBIOシャンブル・ドット

Les Chambres Vertesブロワから約18km、コルムレーにあるLes Chambres Vertesでは、地産地消のBIOターブル・ドット(24€要予約)が楽しめる。古い梁(はり)のある客室も雰囲気たっぷり。レンタ・サイクルやインターネット・アクセスもある。全3室、45€~。

Les Chambres Vertes
Le Closde la Chartrie 41120 Cormeray
Tel : 02 54 20 24 95
Email : このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください
www.chambresvertes.net


17世紀建造の修道院を改装したシャトー・ホテル

Grand Hôtel de l’Abbayeブロワ、オルレアンから約30km、歴史的建造物に指定されているシャトー・ホテル。庭園や菜園などもさることながら、ロワールとボージェンシー橋を臨むベランダで味わう朝食は、素晴らしい旅の思い出になるだろう。全17室。99€~。

Grand Hôtel de l’Abbaye
2, quai de l’Abbaye 45190 Beaugency
Tel : 02 38 45 10 10
Email : このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください
www.grandhoteldelabbaye.com


ワイン街道のど真ん中、
ワイナリーが経営するシャンブル・ドット

La Maison d'Olivier Leflaiveオリヴィエ・ルフレーヴ氏は、ピュリニー・モンラッシェの生産者としても有名。17世紀建造の建物を改装したシャンブル・ドット。グラン・クリュのデギュスタションが楽しめるターブル・ドット(要予約:40~50€)や、ワインセミナー(要予約:1人10€)もお薦め。全12室、150€~。

La Maison d'Olivier Leflaive
Place du Monument 21190 Puligny-Montrachet
Tel : 03 80 21 37 65
Email : このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください
www.maison-olivierleflaive.fr


サイクリングで欧州の名所を再発見
EuroVeloEuroVélo6は、1994年にヨーロッパ自転車連盟(ECF)の提唱により始まったプロジェクト。欧州の3大大河(ロワール、ライン、ドナウ)に沿ったサイクリング・コースを通じて、エコロジーに付いて考えてもらうのが目的。
EuroVélo6: www.eurovelo6.org

取材協力: フランス政府観光局、EuroVélo6、サントル地方観光局、ブルゴーニュ地方観光局、アルザス地方観光局、フランシュ・コンテ地方観光局

 

異邦人・三宅純

異邦人・三宅純

フランスの大手百貨店ギャラリー・ラファイエットのポスターに日本人らしき人物が……。裾の短いズボンに、手にはトランペット、いったい誰……?作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、トランペット奏者……さまざまな肩書きを持つ彼の名は三宅純(みやけじゅん)。映画音楽やCM曲など、これまでの作曲数は2500を超え、音楽業界では知る人ぞ知る有名人。そんな彼の素顔にせまる。
(Texte et photo par Hajime Yanagisawa)

度胸とトランペットをかばんにニューヨークへ

ラファイエットのポスター音楽家、三宅純と聞いてピンと来る人は少ないだろう。2005年にフランスに移り住むまで、彼はおよそ2500曲のCM曲を手掛けている。アップルコンピュータ、アサヒビール、キヤノン、SONY、TOYOTA、日本コカ・コーラなど。CM曲以外にも映画音楽、ポップス、ジャズとあらゆるジャンルで活躍しており、音楽業界では知る人ぞ知るカリスマ的な存在。その才能は、音楽業界の生き字引の異名をもつラジオ・ノヴァ局の名物ジャーナリスト、レミ・コルパ=コプールのお墨付きである。

三宅と音楽の出会いは小学6年生。友人宅でその母親が聞いていたジャズに魅了されたのが大きなきっかけだったという。もともと幼少時代から母親の薦めでピアノを習っており三宅の生活の中に音楽は存在していたが、それは習い事としての音楽。そんな中、友人宅で聴いたジャズは衝撃的だったそうだ。以後学生時代は、ブラスバンド 部員達の練習が終わった後の音楽室を借りて、見よう見まねのフリージャズで腕を磨き、機会を見つけてはプロに混じりセッションを行っていた。

少年三宅に転機が訪れたのが高校2年の時、トランペッター日野皓正(ひのてるまさ)との出会いだ。独学で始めたトランペットがプロとして通用するのかを知るため、三宅は新宿のジャズクラブへ日野を訪ねた。回答次第では音楽家の夢をあきらめ受験に専念することを決めていたのだが、日野からの答えは「ニューヨークに渡り本場でジャズを学ぶこと」だった。音楽への道が見え始めたと同時に、17歳の少年に取って一人暮らしも海外生活も初めてづくし。決断まではかなり迷いがあったそうだ。しかし、1976年卒業と同時に渡米、日野の推薦でバークリー音楽大学へ入学した。

ジャズの終わりを感じた時

ラジオ・ノヴァ局の名物ジャーナリスト、レミラジオ・ノヴァ局の名物ジャーナリスト、レミ(左)と三宅純(右)

葛藤しながらもたどり着いたニューヨーク。カルチャーショックに遭いながら音楽浸けの日々がスタートした。入学後最初に苦労した点は“読譜力”だという。「いまでこそ譜面を書く仕事をしていますが、当時は譜面を真っ向から否定していたので入学から数年は譜面の授業はボイコットしていたのです。でも、最終的には記号だけで音楽を人に伝える事の出来る譜面というものの価値に気がつき、授業にも参加するようになりました」。ジャズに特化したカリキュラムが存在するものの、この学校では“アドリブ力”よりも“読譜力”に重きを置いており、“読譜力”に応じてアンサンブル(合奏クラス)分けが行われる。音楽家として生活する上で読譜力も確かに重要な要素の一つ。だが、三宅の本当の勉強の場はむしろ学校の外でのソロイストとしての演奏活動。勉強の合間を縫ってコンサート・ツアーに参加し、プロにもまれながら音楽を肌で学んだ。

卒業後マサチューセッツ州アーティスト・ファウンデーション主催の作曲コンクール・ジャズ部門で優勝した三宅。日本への凱旋帰国を前に彼はマイルス・デイビスの復活コンサートを見に行く。しかし、そこには衝撃的な事実が待ち構えていた。「ジャズは死んでしまった」。日進月歩を続けるジャズにスリルを感じていた三宅にとって、帝王マイルスの復活コンサートの内容は納得出来るものではなく、ジャズの限界を感じた瞬間だった。

作曲は即興の積み重ね

1981年。日本は空前のフュージョンブーム、経済においてはバブル全盛期。ジャズに対する複雑な思いを胸に日本での音楽活動がスタートした。帰国後しばらくは、日野皓正の弟、日野元彦などとジャズ界のコア・バンドに参加して活動していたが、どこか完全燃焼出来ない。そんな彼に第2の転機が訪れる。テレビCMの仕事だ。バブル全盛の当時、企業はこぞってテレビCMに資金を投入。制作側も存在感のあるCMを数多く作成していた時代。「テレビCMが一番面白かった時代でしたね。これは映画なのか何なのかという映像が流れ、最後に全く関係のない商品や社名が登場する。思いもかけない驚きの連続で『ああ、これはジャズだ』と感じました」。

ギャラリーラファイエットで行われたコンサート
2009年3月11日、ギャラリーラファイエットで行われたコンサートでトランペットを演奏する三宅純

テレビCMの中にジャズを見出した三宅の新たな音楽人生がスタートした。ジャズやクラシック音楽の作曲と異なり、テレビCMの場合は映像に合わせた音楽を制作する“画合わせ”がある。限られた時間の中での表現力、中には難しい注文を要求してくるクライアントもいた。しかし、そんな状況を三宅はスリルに満ちた環境と楽しむ。作曲に関しても独特な手法を用いている。例えば、始めに基本となるメロディーを作曲する。その後、今度はそのメロディーを他人が作曲したと仮定し、即興で音を追加していくのだ。こうした即興の積み重ねでCM曲は誕生していった。ジャンルは違えど、アドリブに重きを置くスタイルは、まさにジャズそのものである。

CM王、その先にあったもの

Stolen from Strangersアルバム 「Stolen from Strangers」 のカバー写真 ©Miyake Jun / Jean Paul Goude

CM音楽を手掛け始めてから20数年。「CM王」と呼ばれ、テレビCMの移り変わりを見てきた。「昔は作り手も企業も懐が深かった」─三宅はしみじみと話す。「CMが完成するまで何が出てくるか分からなくても、余裕で聴いてくれていました。予想外のものが出来上がったとしても『ほ~こういう考え方もあるんだ』と受け止めてくれる決定権のある担当者がいたのです。しかし時代も変わり、最近ではクライアントからサンプルを提示され『このような感じで』などと注文が入るし、中間管理職が上層部に上げるために、そのサンプルを元にネガティブ・チェックするようになったりして、CM全盛期の面白さはなくなったと思います」。そんな時代の移り変わりを見据え、ある決断が三宅に芽生える。

私は常に異分子

90年代に入り、三宅の中にある想いがふくらみ始めてきた。日本脱出。海外移住計画である。自身のアーティスト活動に軸足があるべきなのに、CMの作曲に時間を費やし過ぎているのではないか?音楽家としての自分を見つめ直したとき、新境地に達するために日本脱出を決意したという。しかし、突如の離婚。娘と暮らすシングルファー ザーとなり海外移住計画が一時頓挫。娘の高校卒業を待ち、2005年に渡仏が実現した。

海外移住地として当初は住み慣れたニューヨークが候補に挙がっていた。しかし、9・11(アメリカ同時多発テロ)以降、いろいろな意味で候補地としての魅力が薄れてい た。そんな時、アドレス帳を眺めてみると意外にもパリに知り合いが多いことに気が付く。ワインもうまい、食べ物もうまい、そして何よりも陸続きの大陸が魅力的だった。

海外移住した三宅は当然当地では異邦人(Stranger)となる。しかし、日本在住時も彼はどこかで自分を異分子と感じる違和感を携えていた。世界を股に掛け仕事を展開する彼の生活スタイルがそのような印象を起こさせているのかもしれない。“ホーム”を限定させずに多文化を柔軟に吸収するが故、彼の音楽スタイルが生まれているのだ。

出会いを紡いで広がる世界

ジャン=ポール・グッドジャン=ポール・グッド(左)、三宅純(右)。2人とも裾の短いズボンの愛好家

テクノロジーの進歩によりどこにいても創作活動が出来るようになり、海外移住計画が可能となったと話す三宅。確かに近年のテクノロジーの進歩には目を見張るものが あり、サンプラーやシンセサイザーなど、いわいる楽器でさえもソフトウエアという形で存在している。一昔では考えられないくらい場所に制限されずに創作活動が出来るようになり、データの受け渡しもネットワークの高速化が可能にした。しかし、海外移住の大きな手助けはそれまでに出会った人とのつながりだろう。

サタデーナイトライブのプロデューサー、ハル・ウィルナー、ピナ・バウシュ音楽監督アンドレアス・アイゼンシュナイダーとラジオ・ノヴァ局ジャーナリストのレミ・コルパ=コプール。彼ら3人は三宅が認める世界的な音楽通だ。深い知識と音楽に対する厳しい視点を持ち合わせる彼らは友人であり良き理解者。三宅自身、彼らに自分の作品が認められることが何よりもうれしいと言う。

ギャラリー・ラファイエットのアートディレクター、ジャン=ポール・グードも、三宅の友人の一人。グードが企画する舞台作品を通じて2人は出会い、その後三宅同様にグードも“裾の短いズボン”の愛好家だということで一気に親近感が増した。その縁もありグードは、三宅の最新アルバム「Stolen from strangers」のジャケットデザ インを担当し、さらには三宅をラファイエットのイメージキャラクターに起用するという展開につながった。

出会いを通じて訪れる出来事の数々。あと何年フランスに滞在するかは分からないし、次の滞在地も決めていない。いずれは、またどこかの地でストレンジャー・ミヤケとなるだけ。でも今はフランスを存分に楽しんでいる。先の見えない未来にスリルを求める三宅純。それが彼の素顔である。

 

お薦め無料ソフト

お薦め無料ソフト

今やパソコンは生活必需品のひとつとなり、価格も一昔前に比べたらリーズナブルになった。とは言っても、ウイルス対策のセキュリティーソフト、ビジネス関連オフィス系ソフト、写真や映像の編集ソフトなど、便利なソフトはどれも高価でなかなか手が出せないのも現状。そんな時は、無料ソフトウエアを上手に使って快適パソコン生活。
(Texte par Hajime Yanagisawa)

Windows Windows用 Macintosh用 Macintosh用

セキュリティー編

パソコン購入後まず行わなければならないのが、パソコンのセキュリティー強化。マッキントッシュ・ユーザーの中には「マックにはウイルスが存在しない」と考えている人もいるそうだが、これは大間違い。マッキントッシュにも、コンピューターウイルスは存在する。パソコンがウイルスに感染すると、自分のパソコンだけではなくメールでやりとりをする相手やネットワークで接続されている他のパソコンにも被害が及ぶので、必ずセキュリティーソフトをインストールしよう。

WindowsKingsoft Internet Security U

Kingsoft Internet Security U日本語のWindows利用者には、使い慣れた日本語のセキュリティーソフトを使うのが一番。 Kingsoft社のInternet Security Uは無料ソフトとは思えないほどの機能を持ち合わせている。このソフトには有料版と無料版の2種類が存在するが、どちらもウイルス対策とファイアウオールの機能が搭載。唯一の違いは、無料版ではウイルス定義更新時のポップアップ・スペースに広告が表示をされることだ。もちろん、広告の表示を望まないユーザーの場合は1年更新版980円と無期限更新版1980円も存在する。

Kingsoft Internet Security U
動作環境: Windows 2000/ XP/Vista、CPU Pentium 300Mhz以上(Vistaは1GHz 以上)、メモリ256MB以上(Vista は1GB以上)

WindowsSpybot Search & Destroy

Spybot Search & Destroy最近パソコンの調子が悪い、スパムメールが増えた。そんな時は、パソコンを修理に出す前に自己診断を行ってみよう。特にスパムメールの増加やネットワークの接続スピードが低減した場合は、スパイウェアの可能性が高い。Spybotをインストールしてパソコンをスキャンしてみよう。思った以上にスパイウェアがパソコンにインストールされてることにビックリするはず。

Spybot Search & Destroy
動作環境: Windows 2000/XP/ Vista、メモリ128MB以上推奨
www.safer-networking.org

MacintoshiAntiVirus と ClamXav(ClamAV)

iAntiVirus Windowsに比べると無料ソフトが少ないのがマッキントッシュの難点。しかし、マッキントッシュにも無料のセキュリティーソフトはある。一番有名なのはClamXav(ClamAV)。MacOS X Server (Tiger)には標準でClamAVがインストールされており、公式ページでは日本語のサポートも存在し安心。Intel Macユーザーには、iAntiVirusがお薦め。現状では英語版しかないが、シンプルなユーザーインターフェースで初心者にも簡単に操作出来るようになっている。

iAntiVirus
動作環境: Intel Mac、OS X 10.5以降
www.iantivirus.com
ClamXav 1.1.1
動作環境: PowerPC / Intel、OS X 10.3.9以降
www.clamxav.com
www.clamav.net

MacintoshWindowsAvast! 4 Home Edition

Avast!海外で人気の無料セキュリティーソフトといえばAvast!。公式サイトによると登録利用者数はすでに全世界で8000万人を超えている。無償版のHome Editionは、インストール後60日間無料で利用出来る。引き続き無料で利用する場合はユーザー登録を行い、登録メールアドレスに送られてくるライセンスキーを入力することで利用期間を延長可能。ライセンスキーは14カ月有効で、期限が過ぎたら再登録することで継続出来る。簡易ながら侵入検知機能も搭載されているので安心。

Avast! 4 Home Edition
動作環境: Windows 2000/XP/ Vista、CPU Pentium(Vista はPentium 4 )以上、メモリ128MB以上、Vistaは512MB 以上
www.avast.com

ビジネス編

MacintoshWindowsOpen Office

Open Officeビジネスに欠かせないソフトといえばワープロソフト、表計算、プレゼンテーションソフトの3点。一般的に流通しているのは、Microsoft社のOffice製品。日本ではJustSystem社の一太郎や三四郎なども根強い人気がある。しかし、無料のOffice系ソフトといえばOpen Officeだろう。2000年10月に、サン・マイクロシステムズ社がStar Officeの開発元StarDivison 社(ドイツ)を買収しOpenOffice.org プロジェクトを立ち上げた。2002年にOpen Officeの正式版がリリースされてからは着々とユーザーを増やし、今では無料Officeソフトの定番の地位を築いている。

Open Office
動作環境: Windows 2000 / XP / 2003 / Vista、メモリ256 MB以上(512MB以上推奨)、 Intel Mac OS X 10.4以上、メモリ512MB以上、Power PCユーザーは、OpenOffice 2.4.0が使用可能
www.openoffice.org

MacintoshWindowsThunderbird

ThunderbirdインターネットブラウザFirefoxの開発元Mozilla Foundationが開発したメールソフト。現在は Mozilla Foudationの子会社Mozilla Messagingが開発を引き継いでいる。このソフトは、一般のメールソフトと同じようにPOP3、SMTP、IMAPのプロトコルが利用出来る上にニュースグループの購読やRSSの取得も可能。メールソフトとしては、Firefoxほどの知名度はないものの、後述するPortable Appsに対応するソフトとしても配布されており、パソコンではなくUSBキーにソフトを保管し持ち運ぶ事が出来るので外出先のパソコンなどでもメールアカウントを設定することなく使えるのも利点だ。

Thunderbird
動作環境: Windows、Pentium 500MHz以上、メモリ128MB 以上、Mac OS X 10.2.x以上、Intel x86、PowerPC G3, G4, G5、メモリ256 MB以上
www.mozillamessaging.com

ダウンロード支援

FlashGet

昨今はパソコンソフトもオンライン購入が主流。インターネット接続の高速化が進みダウンロード時間も短縮されているが、ネットワーク障害や操作ミスでダウンロードに失敗した場合、再度ダウンロードを行わなければならないのが手間だ。FlashGetはそんな悩みを解決してくれるソフトのひとつ。ダウンロード途中でネットワーク障害が起きても復帰と同時に中断された部分からダウンロードを再開出来る。

FlashGet
動作環境: Windows XP/Vista、メモリ128MB以上推奨
www.flashget.com

ファイル共有

Dropbox

Dropboxはパソコンにどこからでもアクセス可能な共有フォルダを仮想構築してくれる便利なソフトだ。使い方は、インストール時に作成されたフォルダーにファイルを保存するだけ。ファイルは、ソフトをインストールしたパソコンとDropboxのサーバー上に自動的に保存されるので、どのパソコンからでもDropboxのサイトにアクセスするだけで共有ファイルを取り出すことが出来る。

Dropbox
動作環境: Windows XP/Vista、Mac OS X 10.4.x以上
www.getdropbox.com

ファイル操作&リカバリー

Recuva

操作ミスもしくはうっかりゴミ箱を空にしてしまうと通常の操作ではファイルを復活させることは出来なくなってしまう。そんな時に活躍するのが、ファイル復活ソフトRecuva。通常スキャンとディープ・スキャンの二段構えで削除ファイルを検索。デジタルカメラなどで使われるメモリカードにも対応しており、フォーマット直後の場合はかなりの高確率で消去画像を復活させることが出来る。

Recuva
動作環境: Windows XP/Vista、メモリ128MB以上
www.recuva.com

Unlocker

Unlockerは、通常の削除方法では削除することが出来ないファイルを削除するソフト。この他にも、パソコンが強制終了した場合やファイルが特定のプログラムに関連付けられたまま使用不可になった場合、Unlockerを起動することで関連ソフトを強制解除することが出来る。(注:システムファイルなど、必然的に削除や移動が出来ないファイルもあるのでUnlocker使用の際は細心の注意を払って行うように)。

Unlocker
動作環境: WindowsXP、Vista 32bit版
ccollomb.free.fr/unlocker

携帯出来るソフト

Portable Apps

Portable Appsのサイトでは、USBキーに直接インストールして持ち運びが可能なソフトを取りそ ろえている。例えば、メールソフトのThunderbird Portableを利用すれば、USBキーを外出先のパソコンに差し込むだけで通常通りにメールの送受信が可能となり、使用したパソコンにメールの痕跡を残さずに済む。他にも、Firefox、画像修正ソフトGimp、オーディオ編集ソフトAudacityやオフィス系ソフトOpen Officeなど便利なソフトが目白押しだ。これらのソフトを利用するには、インストールしたいソフトのファイルサイズに応じたUSBキーを用意するだけ。Open Officeや画像編集ソフトなどビジネス中心のソフトを一通りインストールしたい場合は、およそ4GBのUSBキーの購入が目安。

Portable Apps
動作環境: USB接続可能なWindows XP/Vista
www.portableapps.com

お勧め Portable Apps ソフト

Gimp
PhotoshopのPSDファイルを始めとする多くの画像形式を開くことが出来る上に、一般的な画像修正はほとんど出来る優れもの。

Nvu
ウェブサイト作成ソフト。外出先からでもウェブサイトを更新出来るので便利。

Filezilla
FTPクライアントの定番Filezillaの携帯版。

VLC Portable
映像Codecがソフト本体にインストールされているので、大抵の映像ファイルはこのソフトで開くことが出来る。

Audacity
音声修正ソフトの定番。一般的な音声ファイルの修正が可能で、修正後はmp3形式としても出力可能。


※注意:海賊版の使用もしくは有料ソフトの不正ダウンロードは犯罪です。正式に購入したソフトであっても、規定ライセンス数を超えてインストールすることも犯罪です。フランスの不正ダウンロードを取り締まるHadopi法案では、不正行為を制度として取り締まるのでインターネットでの不正行為やソフトの不正利用には気を付けましょう。

 
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