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Tue, 03 December 2024

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英国での思い出をより美しく残すための、ちょっとしたコツをご紹介します。

第6回 日没後のロンドンの撮り方
~ISO感度とは? (2)

前回はISO感度の「高い」「低い」の違いについて述べました。ISO感度を低め(100)に設定すると高画質の写真が得られますが、撮影状況が暗くなると、シャッター・スピードはそれに応じて遅くなっていきます。逆にISO感度を高め(800/1600)に設定すると、低感度設定時に比べ画質は劣ってきますが、シャッター・スピードは速くなります。日没時などで周りが暗いのに三脚を持ち合わせていない場合には、高感度設定が「手ブレ」を防ぐのに効果的だということです。

高感度設定での高速シャッターを利用して撮影されることが多いのが、スポーツ・シーンや車など動きの速い被写体。これらの被写体を流れることなく的確に止めて撮影するために、「何百分の1秒」という高速のシャッター・スピードが必要になってくるからです。

感度を変えることで、「表現方法」も変わってくる例を紹介します。写真1ではISO感度を100に設定していますが、日没後なのでシャッター・スピードは日中に比べ格段に遅くなります。ここではこの「シャッター・スピードの遅さ」を利用して、「車の流れ感」を表現しました。ヘッド・ライトやテール・ランプの光の線が、肉眼では見えない効果を生み出しています。写真2では高感度に設定して撮影しているのでシャッター・スピードが速く、走っている車も止まったように写ります。このように同じ風景を撮影しても、感度設定やシャッター・スピードを変えるだけで、受ける印象がかなり変わってくるのです。


(写真1) 日没後、エンバンクメント駅付近の陸橋よりビッグ・ベンを眺む。
ISO感度100/シャッター・スピード1秒
(写真2) ISO感度1600/シャッター・スピード1/40秒


 

前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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