ニュースダイジェストのグリーティング・カード
Wed, 11 December 2024

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第37回 安定する被写体
~垂直・水平に構成する~

一人ひとり、話し方のくせが異なるように、カメラの構え方にも人それぞれ違いがあるようです。例えば、無意識に画面の右肩が下がる、あるいはその逆などですが、私もカメラを使い始めた頃には、先輩に指摘されるまで、自分の画面構成が少し傾いていることに気が付きませんでした。垂直・水平に気を付けることに慣れるまでは手間に感じたものですが、徐々にそれも撮影時の一つの習慣になりました。特に建物などの写真は、画面がきちんと垂直・水平に撮影できていると、安定感が生まれます。

写真1写真2は同じ場所を撮影したものですが、写真1では画面が右方向に少し傾いています。写真2ではその傾きを垂直に直しました。2枚を比べてみると、垂直になっている写真2の方が、画面が安定して見えないでしょうか。

垂直・水平を正確に測るために、カメラ上に装着する「水準器」という器具や、「方眼マット」と呼ばれる、カメラの画面中に方眼が入るアクセサリーなども売られています。しかし単純にカメラの画面の四辺を使って、平行線を確認する目安にするのも良いでしょう。写真3では、水平線(街と空の境界線)と画面上辺が平行になるように構成しました。また、写真4のように被写体自体に縦や横のラインがあると、垂直・水平に構成しやすくなります。

また往々にして、カメラを手持ちで撮影するとくせが出やすいものです。三脚を使えば、落ち着いて垂直と水平線が確認できるでしょう。

注意したいのは、広角(ワイド)レンズを使用する場合です。ときに画面端が湾曲することがありますので、できるだけ画面中心に近い線を目安にするようにしましょう。


(写真1)
垂直線が右に傾いているため、画面の安定感に欠ける


(写真2)
建物の縦の線が垂直になったため、写真1より安定して見える


(写真3)
水平線を画面の上辺と水平になるように構成した


(写真4)
撮影するときには目安となるものを被写体の中に見付けると、
垂直・水平に構成しやすくなる


 

前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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