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Thu, 18 July 2024

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第176回: ノンドミサイルに関する変更

3月の予算案でノンドミサイル(非永住者・永住する意思のない者)に関する重要な変更点が発表されたと聞きました。

はい、その通りです。2025年4月6日から変更されます。

現行の規則がどういったものか教えてください。

英国に居住するノンドミサイルの個人は、国外の所得や利益については送金ベースの課税を選択できます。これは各課税年度において、英国に送金された場合にのみ英国で課税されるものです。政府は、この課税方式の代わりに居住ベースの新たな課税方式を提案しています。

新しい変更点はどういったものでしょうか。

最近英国に入国したか、あるいは新たに入国する人については、4年間ルールが適用されます。25年4月6日以降、英国以外の国に10年以上居住した後の英国における最初の4年間の課税年度については、国外所得・利益の制度が適用されます。この制度を利用する人は、国外の所得・利益が英国に送金された場合でも、英国の課税は全額が免除されます。前述した日付より前にすでに英国に居住している人であっても、2025/26年度において税務上の居住者となってから4年以内であれば、この特典を享受できます。

何か移行措置はありますか。

2025年4月5日時点ですでに英国に4年以上居住しているものの、まだ税務上の居住者とはみなされていないノンドミサイルの場合、2025/26課税年度には国外の所得(国外の利益ではない)の50パーセントのみ英国で課税されます。個人で保有する国外の資産は、キャピタル・ゲイン税のための評価基準を19年4月5日時点の価値に変えることができます。

これに加えて財務相は、これまで送金ベースを適用してきた個人には、25年4月6日から27年4月5日までの間、国外の所得・利益の英国への送金に対して一律12パーセントのみ課税すると発表しました。27年4月6日以降は、25年4月6日より前に取得した国外の所得・利益の送金には「通常の税率」が課されます。

海外駐在員についてはどうですか。

英国に居住していない駐在員など国外居住者が享受している現行の国外勤務日数控除は、引き続き適用されます。しかし25年4月6日以降は、この規則が改正されます。対象となる従業員は、英国に居住してから最初の3年間は引き続き控除を受けることができますが、その所得を英国に送金できるかどうかという現行の制限はなくなります。政府は、改正後の控除の適用基準については追って一般からの意見を募る予定です。25年4月6日以降に新たに英国に入国する人で新制度の適用を受けない人は、国外勤務日数控除の適用も受けられないことが見込まれます。

相続税に関しては何かありますか。

相続税も影響を受ける分野です。相続税に関する新たな居住ベースの制度など広範な変更点がありますが、詳細については今年後半に意見の公募が行われる予定です。英国の資産は、税務上の居住者かどうかにかかわらず、引き続き英国の相続税の課税対象となる見込みです。しかし国外の資産については、相続税の課税対象が個人の居住地(現行制度のドミサイルではなく)で左右される可能性があり、英国での居住が10年になると「クリフエッジ」(限界点)となり、世界中の資産が相続税の課税対象となる可能性がある上、非居住者になっても最初の10年間は引き続き課税対象となります。

*この記事は一般的な情報を提供する目的で作成されています。更なる情報をお求めの場合は、別途下記までご相談ください。

Chi Lam チー・ラム チー・ラム
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DeloitteとPwCに15年以上勤務し、駐在員税務に関するアドバイスを多くの多国籍企業に提供。英国税務のコンプライアンス、HMRCへの対応、渡英前の個人・企業税務計画なども得意とする。

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