ニュースダイジェストの制作業務
Wed, 24 December 2025

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最近、すっかりご無沙汰していたぶぉっくす・ぽっぷのコーナー。気付けば、サッカー・クラブ欧州一の座を争うチャンピオンズ・リーグのグループ・リーグが始動していた。そこで気になるのが、「最もレベルの高いサッカー・ リーグはどこ」という議論。取材班は、9月にロンドンで開催された 「Inner City World Cup」と呼ばれるアマチュア・サッカーのW杯に出掛け、 在英邦人選手で構成されたチーム「ロンジャパ」の皆さんに意見を聞いた。

渋谷英秋さん(しぶや・ひであき)
55歳、旅行会社
イングランドのプレミア・リーグは、ゴール前にボールが行き交う数が世界一多いんです。観るには最高のリーグだと思います。選手のボールに対する執着心にも、頭が下がりますよね。

池上吉典さん (いけがみ・よしのり)
35歳、広告営業
選手には移籍の自由が保 証されていて、豊富な資金を持つが故に世界中から好選手を集めるプレミア・リーグが一番でしょう。でもリーグ中位のチームだったら、日本の浦和レッズでも勝てるかも。

一瀬淳さん (いちのせ・じゅん)
33歳、アパレル業
スピード、そして激しい体の当たりで群を抜くプレミア・リーグが世界最高だと思います。あとイングランドには日本のJリーグにはまだない、何百年というサッカーの歴史がありますよね。

石田優介さん(いしだ・ゆうすけ)
26歳、学生
速さと強さで、プレミア・リーグが世界一でしょう。ただイングランドといっても、主力は外国人選手に頼っていますけどね。観客の熱きサポートなど、日本が見習うべき部分は多いと思います。

宮原継享さん(みやはら・ひでゆき)
27歳、スポーツ・インストラクター
プレミア・リーグはスピードとパワーの面で優れていますが、その分ロング・ボールを放り込むだけの単調な試合になりがち。足元が器用な選手が揃うスペイン・リーグの方が、技術は高いのでは。

中山朋彦さん(なかやま・ともひこ)
35歳、エンジニア
ドリブル1つとっても、個人技が少ない気がするんです。それに比べて、華麗な個人技に溢れるスペイン・リーグには魅了されてます。日本が肩を並べるには、もっと資金が必要なんでしょうね。

池田良平さん(いけだ・りょうへい)
24歳、学生
スペイン・リーグに所属する選手には、お客を魅了させようとする遊び心がある気がするんです。イングランドのプレミア・リーグは、勝利を優先し過ぎて面白みに欠けている印象があります。

山口剛さん(やまぐち・つよし)
29歳、学生
確かにイングランドのプレミア・リーグは、歴史がありますよね。でも世界最高のサッカー・リーグといえば、イタリアのセリエAでしょう。なぜって、僕がACミランのファンだからです。


なぜか女性の人口が圧倒的に多い感のある在英邦人社会。でもサッカーの話だけは、 やっぱり無骨な男性陣に熱く語ってもらいたい。というわけでアマチュア・サッカー の大会に出掛けたら、いたいた、グラウンドを駆け回る熱き日本人男性たちが。ピリピリとした緊張感を漂わせながら早飯していた試合前や、完全に燃え尽きて口数少なくなった試合後の選手たちに恐る恐る声をかけながらの取材となった。曰く、イングランドのプレミア・リーグが持つ魅力は何と言ってもスピード、パワー、そして潤沢 な資金力。対して、「世界一はどこだ」の答えをめぐってほぼ半数を分け合ったのが、 独特の「華やかさ」で観客を魅了するスペイン・リーグだった。国民性の違いがサッカーに表れた結果なのか、サッカーを通して我々がそれぞれの国民性を見ているだけなのか。とにかく国籍を問わずに語り、そしてプレーすることができる、それがサッカーの一番の魅力なんだろう。

 

政府にしろメディアの報道にしろ、捕鯨問題となると全く見解が異なる日本と英国。ただ正直なところ、日々の生活に密着している問題ではないがゆえに、そういった対立に関する報道を目にしても「対岸の火事」みたいに捉えてしまうこともしばしばだ。私たちが本当に知りたいのは、そんなメディアが伝えない普通の人々たちの声。そうであるならば、普通の日本人と英国人の生の声を聞く「ぶぉっくす・ぽっぷ」が一番、というわけで、今回も英国ニュースダイジェスト取材班が出動し、ロンドン中心部で街頭調査を行った。さてさて、クジラを巡る普通の人々たちによる日英対決の行方はいかに?

サヤカ・アレキサンダー
30代、主婦
日本人は英国人のように鯨油だけ採って残りを全部捨てたりしません。クジラに対して敬意を払っているからです。英国のメディアは捕鯨を残酷な行為として捉えるばかりで、客観性に欠けると思います。

川合知美さん (かわい・ともみ)
56歳、日本語教師
日本の捕鯨はまず第一に伝統的な文化ですし、乱獲しているわけでもないので、反対する理由がありません。日本は他の捕鯨国と同盟を組んで、捕鯨の正当性をもっと国際的にアピールするべきです。

斉藤知義さん (さいとう・ともよし)
66歳、大工 
クジラの肉は昔、一般食でした。塩漬けや汁物のとして食べていましたね。特に汁物は寒い時に大変温まりますし、美味しかったです。英国人は魚を中心とした日本の食文化をもっと理解するべきだと思います。

鹿子生さん (かこう)
59歳、医者 
近年のクジラの過剰繁殖に伴い小魚が減少しています。海の生態系を守るためにも捕鯨は必要です。感情的な反捕鯨運動に対し、日本の捕鯨がどれだけ健全であるか科学的に証明し世界に主張するべきでしょう。

長山哲銘さん (ながやま・てつめい)
16歳、男性
今までクジラを食べたことがないので、単純に食べてみたいという理由で僕は捕鯨に賛成です。英国人はそもそもクジラを食べ物だと思っていないのでしょう。適度に捕獲する分には問題ないと思います。

真貝瑞希さん (しんかい・みずき)
31歳、学生
乱獲は確かにいけないと思いますが、きちんと管理した上で捕獲量の調整などもしっかり出来るのであれば、賛成です。捕鯨問題については、食に対する意識の違いが英国人と日本人の間にあるのでしょうね。

Yoshiさん (よし)
35歳男性、技術者
英国人が捕鯨に反対するのは、やはり食文化の違いでしょう。そういった反対意見に対して、日本はその時々で柔軟に対応策を考えていくしかないのでしょうね。あまり強硬になるべきではないと思います。

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秋山優希さん (あきやま・ゆき)
32歳、学生
クジラの捕獲の仕方が残酷ですし、そもそも捕鯨は必要ないと思うので反対です。昔給食でクジラの肉を食べたことがありますが、独特な味をしていました。また食べてみたいとは思わないです。

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三島通弘さん (みしま・みちひろ)
28歳、ホテル勤務
クジラが絶滅しては困るので、捕鯨は止めて欲しいです。私自身はクジラを食べたことはないですけど、捕獲してまで食べてみたいとは思いません。英国は動物愛護心が強い国だから反対者も多いのでしょう。

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近藤彩香さん (こんどう・あやか)
20歳、学生
クジラが本当に絶滅の危機に瀕しているのなら捕鯨には反対、でももしそうでないのであれば他の魚を食べながらクジラだけ特別扱いするのは変なので捕鯨に賛成です。「どちらともいえない」にしてください。

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トニー・クロスさん
67歳、自営業者
クジラが乱獲されているのは明らかです。捕鯨は制限されるべきだと思っています。もちろん私は、かつて英国がクジラをカナダに輸出し、鯨油を販売していた歴史も知った上でこう思っています。

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ブァリティー・チャップマンさん
16歳、学生
クジラって本当に可愛いですよね。タンカーの原油流出がクジラの生態に被害を及ぼしているとも聞きました。さらに捕鯨を行うなんて余りに可哀想。クジラを保護するべきだと私は思います。

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ジェーン・カーティスさん
40歳、主婦
捕鯨のニュースを聞くと非常に憂鬱になります。本当に必要な活動なのか、甚だ疑問です。捕鯨を行わなければならない真の理由って何ですか。いかなる国であっても、直ちに中止するべきだと思います。

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スタッド・シフさん
25歳、会計士
クジラは絶滅に瀕している動物なので、保護されるべきです。なぜ日本人がクジラの肉を食べたいと思うのか、全く理解できません。別に日本は食料不足に陥っているわけではないのでしょう。

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ダニエル・ストーンさん
32歳、アナリスト
クジラは保護されるべきだと思います。全ての国が捕鯨活動を中止するべきです。ただ確かに、我々英国人はクジラを食べない分だけ他の動物を殺し、そして食べているというのも事実なのですが・・・・・・。

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ピーター・ドクマーレンさん
37歳、音楽関連会社経営
なぜ世界の一部では捕鯨が許されているのか、スペインの闘牛文化と同じくらい私には理解できません。ただ捕鯨国がこれまで築いてきた食文化や歴史を考えると、すぐに禁止というのは難しいのかもしれませんね。

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ウィリアム・マッコリーさん
37歳、兵隊
クジラの殺戮は許されるべきではありません。私も兵隊ですし、生き残りを賭けた状況の中では、人や動物を殺さざるをえないとは思います。ただ現在の捕鯨国に、果たしてそれほどの正当性はありますか。

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リズ・レイさん
57歳、企業政策顧問
クジラは希少な動物だと思いますし、何よりも美しい生き物なので捕鯨には反対です。クジラがもし絶滅の危機に瀕しているというのであれば、尚更です。全面的に捕鯨禁止にすべきだと思います。

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ション・ローさん
28歳、IT関連
クジラの生態に多大な悪影響を及ぼすのでなければ、捕鯨を行っても大丈夫だと思います。というか、別に気になりません。要は程度の問題。きちんとした規制さえあれば、私は捕鯨に反対しません。

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エドワード・アンダーソンさん
17歳、学生
1年ほど前にとある場所のレストランでクジラを食べました。とても美味しかったと記憶しています。諸説あるけど、捕鯨を再開することはできるのでは。とにかく、私はクジラの料理が好きです。


「ぶぉっくす・ぽっぷ」においても、捕鯨国日本と反捕鯨国の急先鋒である英国の意見の相違がくっきりと対照的に表れた。捕鯨が 日本の文化であれば、動物愛護が英国の文化。一方は 「生態系が乱れる」から反捕鯨かと思いきや、もう一方 は「生態系のバランスを守るために」捕鯨は必要と説く。 「クジラを食べる必要がない」と言えば「食べてはいけない理由がない」、「捕鯨は残酷」と来れば「鶏や豚を殺すのだって残酷」・・・・・・。双方から顰蹙(ひんしゅく)を買うのを覚悟して言うならば、まさにあー言えばこー言う状態に陥っているのがこの捕鯨論争なのだ。 圧倒的多数を占めた英国の捕鯨反対派は「クジラが 絶滅の危機に瀕している」ことを主な理由として挙げ ているが、これには「種類によっては逆に増えすぎて 生態系を乱している」との反論が待ち受けている。本来客観的な数字データで示すことが出来る生存数についてさえ、立場によって見解の大きな相違が見られる ことが13ページのインタビューで分かった。これでは、議論はすれ違っていくばかりだろう。5月17日に掲載した「『クジラを食べるな』その理由」と題した特集に対しては、「実際に捕鯨について英国人と口論に なったことがある」と書いた手紙を複数頂戴したが、 この状況を見れば頷ける。ウーム、このままいけば捕鯨問題は日英摩擦のきっかけとなるのだろう か・・・・・・。 ただいわゆる文化論はとりあえず置いといて、少なくとも捕鯨活動がクジラとその周りを取り囲む環境に どのような影響を与えているのか、という問題については判断を誤れば深刻な結果を生むことになるはず。 人間同士の言い争いを知ったら、クジラは一体何て思うのだろう?

 

かつては「没個性的」なんて呼ばれた日本人だが、ところがどっこい最近の日本の若者が持つ独特のオシャレ感覚には世界中が注目しているらしい。確かに日本のメディアをのぞけば、ファッションに関する流行情報が氾濫している。果たして我々はオシャレなのか。そしてそのセンスはバーバリー、シャネル、アルマーニなどなど高級ブランドを有する欧州各国人に勝っているのか。答えは道行く在英日本人の声の中にある!

アンケート実施場所: ピカデリー・サーカス駅ほか

藤原悠子さん(ふじわら・ゆうこ)
29歳、無職
日本人は靴、バックなどのセンスが良いように思います。日本では特にブランド品が人気ありますよね。ブランド品は皆が持っているから、私も持っているだけで安心感を得てしまいます。

滝沢貴之さん(たきざわ・たかゆき)
25歳、学生
日本人、特に若い世代のファッションが個性的であると感じます。女の子もメイクがとても上手いです。特にロンドンにいる日本人は「我」の強く出たファッションを好む傾向があるように思います。

前田雄一郎さん(まえだ・ゆういちろう)
26歳、ミュージシャン
日本人の男性は本当に気を遣っていると感じますし、流行にも敏感だなと。日本にいる時は外国の服を着るのがカッコいいし、逆に外国にいる時は、日本のブランドがカッコいいと思います。

新池奈見子さん (しんいけ・なみこ)
24歳、学生
日本人の皆さんは、様々な色の服を組み合わせたり、重ね着したりするのが上手いですね。外出する時は常に身だしなみを 気にしますし、よく他人のファッションも研究していると思います。

立木隆三郎さん (たつき・りゅうさぶろう)
22歳、学生
英国人と比べれば日本人の方がオシャレでしょうね。特に英国のヘビメタ・ファッションは過激過ぎて、時代遅れなんですよね。80年代ファッションを今でも路上で見かけるぐらいですから。

大橋康弘さん(おおはし・やすひろ)
42歳、会社員
日本人はブランド物に憧れているだけで、「オシャレ」とは違うのでは。また以前はバーバリーのトレンチ・コートを見て英国人をオシャレだと思っていましたが、実際はそうでもないですね。

小早川信さん(こばやかわ・のぶ)
24歳、飲食業
日本人はブランド名に弱いだけです。欧州では、体のスタイルが良いフランス人がなんでもよく似合うと思います。欧州のブランドはデザインが優れているだけでなく、丈夫なので信頼感がありますね。

斎治佐男さん (さい・おさむ)
50歳、大学職員
日本人はオシャレとは違うと思いますよ。日本から観光で来たのですが、母にバーバリーのお土産を買う予定です。欧州で販売されているブランド製品は外れがないですししかも長持ちしますね。


「日本人はオシャレ」と考える在英邦人が7割。我々は「流行に敏感」「バッグ、靴、小 物など細かいところに気を使う」「重ね着が上手い」からだ。日本人以外でオシャレと 誉れ高かったのは、やはりフランス人とイタリア人。「スタイルが良いから何でも似合 う」との元も子もない理由で支持あり。だから日本人は、小技を効かせた独特のオシャ レ術を身につけたのです・・・・・・で終わらないのが在英邦人事情。なぜって、母国日本 に住む日本人とは違って、在英邦人は素っ気無いファッションした英国人に悪影響(?) を受けているらしいのだ。あまりの堕落振りに「このまま日本に帰ると、ヤバイ」と呟いたある女性回答者の一言に頷く人も多いだろう。蛇足ながら、今回の調査では写真撮影を許可してくれた人が少なくて残念。素敵なファッションをした方を是非撮りた かったのだが、ことごとく断られてしまった。次回の取材もまた頑張ります!

 
今回のお題

去る7月14日にロンドンの日本人幼稚園、前田学園で行われた「夏祭り」。当イベントに参加したニュースダイジェスト取材班は、この貴重な機会に在英邦人の子供たちの意見に耳を傾けよう、ということでぶぉっくす・ぽっぷを実施した。お題は、「英語と日本語のお勉強はどっちが好き?」。ついでに「家族の中で一番英語が上手なのは?」という質問も聞いてみました。それでは、日本と英国の将来を背負う彼らの生の声をお聞きください。

アンケート実施場所: 前田学園

アンケート結果

小野いりなさん(おの・いりな)
6歳、英国滞在歴2年
私はロンドンの現地校に通っているので、今は授業のほとんどを英語で行っています。日本語をいっぱい話すのは、週末ぐらい。だから家族の中では私が一番英語を上手く話せると思います。

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吉川浩介さん(よしかわ・こうすけ)
11歳、英国滞在歴6年
せっかく英国にいるのだから、英語をもっと勉強したいです。大分上達したと思いますが、それでも過去形を使っての英作文などは今でもやっぱり難しいです。英語が一番上手なのは、お父さんです。

石川優太さん(いしかわ・ゆうた)
12歳、英国滞在歴2年
今は家庭教師に英語を教えてもらっています。せっかく英国に住んでいることだし、身に付ければきっと将来役立つと思うのでもっと学びたいです。英語が一番上手なのは、うちではお父さんですね。

斎藤智仁さん(さいとう・ともひと)
11歳、英国滞在歴6年
英語の勉強の方が好きです。日本語は同音異字とか、ことわざ、四字熟語などが難しいです。もう6年も英国に住んで大分慣れたので、家族では僕が一番英語を上手く話せるようになったと思います。

藤田莉沙さん(ふじた・りさ)
4歳、英国滞在歴3年
英国のTV番組では英語が使われているので、英語の方が好きです。可愛いブタさんが登場するアニメ番組「Peppa Pig」がおもしろくてよく見ています。家族で英語が一番上手なのはお父さんです。

大宮彰文さん(おおみや・ひろふみ)
12歳、英国滞在歴3カ月日本語の方が好きです。理由は、生まれた国が日本ですから。英語の勉強は、もうすべてが難しいと感じています。家族の中ではお父さんが一番英語を上手に使いこなしていると思います。

吉山碧さん(よしやま・あお)
4歳、英国滞在歴2年
おじいちゃんとおばあちゃんが待つ日本が好きです。だからおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に話せる日本語の勉強の方が好きです。家族の中では、お父さんが一番英語が上手ではないかと思います。

長島薫さん (ながしま・かおる)
6歳、英国滞在歴5年
うーん、どちらかというと日本語です。英語は別に苦手というわけではないのですが、日本語の方がやっぱりずっと分かりやすいですね。家では、パパが1番英語を上手に話します。


回答者の年齢層は2歳から12歳。「子供」と一口に言っても、調査対象は幼稚園児から小学校高学年までと幅広い。年少者がご両親と相談してから答えを決める様子を見ては思わず微笑んでしまったり、「英語は将来のキャリアに必要になってくると思う」との回答にドキリとさせられたり、調査班は今回の取材を大いに楽しんだ。さて、調査結果には年少者ほど日本語派、年長者ほど英語派という傾向がはっきりと表れた。「日本語が好き」と答えた子供たちは、家族や友達といった身近な人が話す言葉に愛着を感じているよう。逆に英語を話したいと答えた主に年長者たちは、今ある環境を出来る限り楽しみたい、と考えているようだ。「家族で英語が一番上手なのは誰?」との問いには、「お父さん」との回答が大多数。色々苦労が多い海外生活、お父さんの奮闘ぶりに頭が下がる思いを感じながら、調査班は1日を終えたのであった。

 

イングランドでは7月1日からついに、公共の屋内空間を全面的に禁煙とする禁煙法が施行された。スコットランドや北アイルランドでは2006年から施行され、また欧州大陸に目を向ければ既にイタリアやスウェーデンでも同様の措置が取られており、愛煙家の肩身はますます狭くなるばかり。果たして世界は嫌煙主義へと向かっているのだろうか。日英両国のタバコ事情を知る在英邦人のご意見を拝聴するため、今回も街頭調査に出陣!

アンケート実施場所: らいすわいん前

大塚雄介さん(おおつか・ゆうすけ)
22歳、フリーター
自分自身は喫煙者ですが、タバコが健康に悪いというのは、もう否定し難い事実ですよね。しかもロンドンではタバコの値段が余りに高く金銭的にも辛いので、これを機会に禁煙に挑戦してみます。

西山ゆみさん(にしやま・ゆみ)
33歳、主婦
私はタバコを吸わないので禁煙法に賛成ですが、喫煙者は嫌がるでしょうね。法的な措置も有効なのでしょうが、結局は禁煙者と喫煙者がお互いに配慮するという姿勢が一番大切なのだと思います。

理子セイさん (みちこ・せい)
30歳、会社員
喫煙者には気の毒ですが、禁煙者には朗報でしょう。タバコのポイ捨てが増えるとかカジノのお客が減るとか言われていますが、新しいことを始める時にこういった懸念が出るのはしょうがないですね。

見浪千津子さん(みなみ・ちづこ)
34歳、会社員
喫煙者が屋外でばかり喫煙するようになって吸殻のポイ捨てが増えるのが心配です。日本と比較しても街中にある灰皿の数が断然少なく感じるので、これから対策が必要になると思います。

尾形佳香さん(おがた・けいこ)
26歳、学生
ロンドンには煙草を吸うのが好きな人が多いですよね。これからオフィスの外で煙草を吸っている人を多く見かけるようになるでしょう。屋外にも決められた喫煙スペースを設置した方がいいのでは。

的場千佳さん(まとば・ちか)
24歳、学生
「禁煙法」と聞くと、屋外までもが禁煙のように思ってしまい、分かりづらいです。禁煙法を施行するのであれば、その詳細を説明した広告が必要。また屋外での歩きタバコこそ危険だと思います。

植木麻由さん(うえき・まゆ)
23歳、学生
ロンドンにいる喫煙者のマナーは、ちょっとひどいと思います。灰皿を設置している場所が少なく、携帯灰皿を持参している人も今まで見たことがありません。禁煙法など意味ないのでは。

中西慎さん(なかにし・まき)
23歳、学生
喫煙の問題に関しては、喫煙できるスペース、禁煙者のみに許されるスペースなどをしっかり分ければいいだけのこと。吸殻のポイ捨てを増やす全面禁煙法は必要なかったのではないでしょうか。


在英邦人の間では禁煙法支持派が優勢。なかには「喫煙って迷惑」「喫煙者に対してタバコを吸うなと直接は言いにくいので、法律でまとめて禁止してくれて嬉しい」と、嫌煙丸出しのご意見が少なからず見られた。さらには禁煙法反対派の中にも、理由を問うと「煙草を吸えないためにイライラしている喫煙者と一緒に過ごすのが嫌だから」という人もいて、喫煙者のイメージってかなり悪い。また日本と比べて英国特にロンドンにはマナーの悪い喫煙者が多いとの意見も根強く、こういったネガティブなイメージに拍車を掛けているようだ。これに対して、禁煙法反対を掲げたのはやはり主に喫煙者。個人的には「禁煙法は不条理」と断じていた回答者の叫びが印象に残った。どうやら今回の禁煙法の施行は、タバコの存在に改めて注目を集めた挙句に、喫煙派と嫌煙派を対立させてしまう絶好の機会となってしまったようだ。

 

世界中の男性の憧れの的となっている日本人女性と、国際市場において人気はいまひとつと言われる日本人男性。果たしてこの状況は、日本人女性には魅力があって、日本人男性にはないということを示しているのか。各国出身者たちとの交流を経た在英邦人は、その辺りをどう思っているのか。この問いに真正面から取り組むために、今回のお題は「結婚するなら日本人?」としてみました。さて、その結果は?

アンケート実施場所: ロンドン大学(SOAS)前

谷岡 聡子さん(たにおか・さとこ)
24歳、学生
そもそもモラルや考え方の基準が違うので、外国人との結婚は難しいと思います。英国での生活はまだまだ私にとっては夢を見ているような感覚があり、現実感もあまりないんですよね。

村越 悠子さん(むらこし・ゆうこ)
21歳、学生
言葉に出さなくても理解し合えるような日本人同士と違って、英国人とそういう関係を結ぶのは難しいでしょう。込み入った話をした際に、英国人がどこまで私を理解しているかは疑問ですね。

Nicholas Stallardさん
(ニコラス・スタラード) 21歳、学生
西洋女性と東洋女性、両方お付き合いをしたことがありますが、自分の意思を主張する西欧女性に対して、日本人女性はまず一歩引いて、相手の言い分を聞く態度を示せる人が多いと思います。

畠中 道仁さん(はたなか・みちひと)
28歳、学生
しっかりとした意思を持つ英国人の態度は素晴らしいです。しかしいざ結婚となった時、自分の意見に対して妥協を許すことが少ないように見受けられる彼らとの結婚は難しいかな、と思います。

横田 美香さん(よこた・みか)
30代、学生
日本人と比べて、おっとり行動する外国人は多いと思います。そんな人々と生活をしていると、今まで小さなことにこだわってばかりいた自分までが開放されたような気がするのです。

尾畑 智洋さん(おばた・ともひろ)
21歳、学生
ロンドンで出会った現地人は、自分の気持ちをしっかり言葉や態度に示して伝えられる人が多いと感じます。またそれぞれ独自の世界観を持っている人が多く、とても魅力的だと思います。

鳴海 あすかさん(なるみ・あすか)
26歳、学生
まだ渡英2カ月で英語が十分に話せないので、英国人のことを結婚相手として見ることができないです。逆に日本人の友達は本音がすぐに見えてしまうので、これまた判断が難しいですね。

立原 慎太郎さん(たちはら・しんたろう)
24歳、学生
頼られるのが好きなので、独立心の強い外国人は物足りないです。しかし、せっかく多国籍の人々と出会えるロンドンで暮らしているので、ぜひ英国人を含めた外国人とも付き合いたいと思います。


いや驚いた。編集部の予想に反して、「結婚相手には日本人」との答えが多数派になってしまった。驚いたことがもう1つ。今回の回答者は男女ほぼ同数なのだが、男女別に見ると「Yes」と回答した女性の割合が、男性のそれよりも多いのだ。理由で一番多いのが「だって信頼できるから」。巷では「近頃の日本人はモラルがなくて……」なんて声が聞かれるが、まだまだ捨てたもんじゃない。「結婚するには信頼が必要」→「信頼できるのは日本人」→「だから私は日本人と結婚する」という3段論法に乾杯。ただ付け加えると、日本人との結婚を望む派の中でも、現在の恋人は英国人を含む外国人、という人が少なからずいた。そして彼らの多くは、日本人が持つ以心伝心の感覚が外国人パートナーに通じないことに不満を抱えているようなのだ。それでも恋人であり続けるということは、やっぱり街頭調査では答えられない、特別な理由があるってことなんだろう。

 
タイトル

日本の代表的な漫画作家、赤塚不二夫がかつて描いた「おそ松くん」という作品に、イヤミという登場人物がいた。「おフランス帰り」である彼の奇妙な仕草が笑いを誘っていたわけだが、確かに外国人化してしまった日本人には、独特の雰囲気が漂うのかもしれない。英国に長く暮らしている日本人の方々は、果たして「英国人化」しているのか。今回もまた街角インタビューを通して、皆様のご意見を拝聴!!

アンケート実施場所: ロンドン、ジャパン・センター前ほか

タイトル

人物
秋吉沙耶さん(あきよし・さや)
25歳、学生
日本人というと、物静かなイメージがある気がします。私もヨーロッパの人に比べれば口数は少ないのですが、それは自分が日本人であることと関係しているのかな、と思います。

人物
渡辺恵子さん(わたなべ・けいこ)
30歳、ファッション・デザイナー
「態度が曖昧」とのイメージを持つ日本人でも、英国滞在歴が長い方は好き嫌いをはっきりと示す傾向が強いと思います。その意味では、私も典型的な日本人像とは異なるかもしれません。

渡辺順平さん(わたなべ・じゅんぺい)
21歳、学生
今は服飾関連の勉強をしていますが、私を含め在英邦人はあまり流行に左右されない人が多いと思います。他の人々と同じものを着たがる傾向のある典型的な日本人とは違うなあと思いますね。

ロスタイン有希子さん)
(ろすたいん・ゆきこ) 28歳、主婦
英国では、例えば電話回線接続の工事が勝手にキャンセルされた時など、苦情を言わざるを得ないですよね。私の思う「控えめな日本人像」とは裏腹に、大胆になった自分を感じます。

九嶋美紀さん(くしま・みき)
26歳、ケーキ・デコレーター
控えめで静かだった、いわば大和撫子タイプであった日本在住時代の私に比べて、今は物事をはっきり言えるようになってしまいました。たまに性格がきつくなったと言われることもあるほどなんです。

人物
速見奈津子さん(はやみ・なつこ)
25歳、会社員
英国に来てから色々と主張できるようになりました。自分の思いをはっきり伝えることに慣れてしまうと、日本に帰った際、わがままな人と思われてしまうのではないかと心配です。

栗原観太郎さん(くりはら・かんたろう)
23歳、学生
英国人は、時間にルーズな人が多すぎます。そんな人々に囲まれているためか、「時間に厳しい」という典型的な日本人のイメージに反して、時間の感覚に対する考えが少し緩まった気がします。

まとめ
今回の問いに答えるためには、まず典型的な日本人像とは何か、ということについて考えをめぐらせてしまうのではなかろうか。在英邦人の皆様たちのご意見を並べると、「控えめ」「親切」「気が利く」「礼儀正しい」「時間に正確」「曖昧」「集団主義」などなど。どんな日本人像を持っているにせよ、英国で異文化に接したことからこのような国民性の違いを認識したという人が多いようだ。そしてこの違いを深く実感した上で、自らの「日本人らしさ」を改めて自覚し大切に維持していこうと思った人たちが「YES」派、違いを力強く乗り越えようと、積極的に変化を受け入れた人たちが「NO」派に回ったと推測できる。いずれにしても、異文化に出会ったことで皆それぞれの方法で成長を遂げているようだ。これって、海外で暮らす最大の魅力なんだと思う。さて、本企画では次回よりメールでの回答も受け付けます。

 

英国に長く住んでいる人であれば、ビザの更新が迫ったり、友人や恋人との出会いや別れ、その他大きな環境の変化に直面したりした時に「自分は果たして今後英国で一生を過ごすのだろうか?」と自問自答してみたことが一度ならずとあるはず。自身の人生設計に密接に関わる「永住先」という究極の選択に対して、在英邦人たちはどんな答えを持っているのか。今回もぶぉっくす・ぽっぷ取材班が街頭調査へ出動!

アンケート実施場所: ロンドン、ジャパン・センター / らいすわいん前ほか

福田 るみさん(ふくだ・るみ)
30歳、主婦
長い人生なので、5年間ぐらいであれば異国で生活したいと思いますが、一生この国で暮らそうとは思いません。日本での暮らしは平凡ですが、やはり慣れているということに安心感を覚えます。

内藤 万記子さん(ないとう・まきこ)
36歳、グラフィック・デザイナー
餃子や味噌汁といった日本の家庭料理が恋しいので、そして何よりも自分の家族が住んでいるので最後には日本に戻りたいと思います。英国では人付き合いがドライな印象がありますし。

小田切 優子さん(おだぎり・ゆうこ)
24歳、学生
家族がいて、友達がいて、そして大好きなピアノが自由に弾ける日本にいつか帰りたいです。各種サービスなども日本の方が質が良いので、今よりもずっと暮らしやすくなると思います。

皆川 実香さん(みながわ・みか)
治安が良いし、公共サービスも行き届いた、何かと便利な日本が一番住みやすいと思います。ジトーっとしたあの独特の夏の暑さをもう一度経験するのには、ちょっと気が引けてしまいますけどね。

吉川 英一さん(よしかわ・えいいち)
30歳、会社員
英国にも確かに色々な魅力はありますが、言葉の問題がないということで、やはり生活がしやすい日本を選ぶと思います。日本食の美味しさやコンビニの便利さもそろそろ懐かしくなっているんです。

廣島 弘美さん(ひろしま・ひろみ)
27歳、主婦
日本の温泉や、日本ならではの心の込もったおもてなしが恋しくなってきたところです。そして何よりも、日本にいる大切な家族や友人たちと一緒に自分も歳を重ねていきたいです。

加地 臣康さん(かじ・とみやす)
23歳、学生
一生を過ごすならやはり自分が生まれ育った日本でしょうね。英国には英語の勉強という目的のために来たので。英語をしっかりと身につけたら、今度はそれを生かせる仕事を日本で見つけたいです。

長田 龍太さん(おさだ・りゅうた)
30歳、学生
英国には最近、独自のコミック文化が出てきましたよね。現在グラフィック・デザインの勉強をしているのですが、新しいチャンスがいっぱいありそうなので、英国で仕事を見つけたいと思っています。

川村 踊さん(かわむら・よう)
22歳、バレエ・ダンサー
建物が美しく、住みやすい英国でずっと暮らしていきたいです。日本食が美味しく安く食べられる日本の生活は確かに恋しいですが、人目を余り気にしない英国の生活スタイルが気に入っているんです。

須藤 有美さん(すどう・ゆみ)
22歳、バレエ・ダンサー
他のヨーロッパ諸国に気軽に旅行に行けて、バスが市内を24時間走っているロンドンでの暮らしを気に入っています。何よりこちらの国では他人に干渉しない・されないので、居心地良く感じます。


「家族、恋人、友達、そして美味しい食べ物が待っている日本で暮らしたい!」。回答者の7割を占めた日本での永住希望者の声をまとめると、こんな一言になるのではなかろうか。彼らの多くは、現在の英国における生活を束の間の休息、または日本で新たな人生を築くためのキャリア・アップのための期間として捉えている。遠く離れた英国でも、日本で築いた人間関係を維持しているのだろう。海外経験を経てたくましく成長を遂げた上で、日本にいつか「凱旋帰国」する日を思い描いている彼らの姿が、ちょっと眩しく見えた。逆に英国での永住を希望する人は、そんな絆の固い人間関係を窮屈に感じているよう。また少数意見として「英国では日本人の男がモテない」「適当に生きていてもこの国だと許される」「日本はおじさんが威張っているから嫌だ」(以上、英国派)、「英国の土に骨を埋めるつもりなどない」(日本派)との声も。生きるって、本当に難しい。

 

外国に来た際に一番興味を覚え、そして不安を感じるのが現地に住む人々との交流。外国生活では不慣れなことがたくさんあるだけに、冷たくあしらわれたり、心細く感じたり、逆に信じられないような親切に出会ったり、多くの人が様々なエピソードを持っているのではなかろうか。そこで在英邦人の皆様から体験談を聞こうと、今回のぶぉっくす・ぽっぷでは「親切」をテーマにして街頭調査を敢行!

アンケート実施場所: ロンドン、ジャパン・センター / らいすわいん前ほか

野中 稔さん(のなか・みのる)
25歳、学生
場合によるけど、日本人かな。英国人は仕事とプライベートの時間をきっちりと分けているので、お店や学校では優しく接してくれても、就業時間が終わると構ってくれないことが多いので。

鈴木 洋平さん(すずき・ようへい)
26歳、学生
英国人は時々フランクというか、ぶっきらぼう過ぎないですか。自分がまだ丁寧な英語の表現を使いきれていないこともありますが、敬語など他人を敬う文化を持つ日本人の方が親切だと感じます。

岡本 真由美さん(おかもと・まゆみ)
32歳、看護師
どちらかというと日本人の方が親切。病院で働いているのですが、患者に「Bitch」などの暴言を吐かれることが頻繁にあり、アジア系の看護師に対する差別を感じているからですかね。

赤井 美香さん(あかい・みか)
25歳、学生
日本では他人と肩がぶつかった時に無視する人が多いですけど、英国人は「ごめんなさい」と謝ってくれる。レディー・ファーストの文化なのか、英国人の中でも特に男性が親切なのでは。

赤間 優さん(あかま・ゆう)
23歳、学生
バスを降りる際に、運転手に向かって「ありがとう」と気持ちの良い挨拶のできる英国人が多いと思います。感謝の気持ちを言葉で伝えるのが上手なのは、英国人なのかもしれませんね。

安藤 啓子さん(あんどう・けいこ)
28歳、学生
男の人が重い荷物を持ってくれたり、電車で席を譲ってくれたりすることが多いので英国人の方が優しいのでは。自分も見習って、電車でお年寄りの方を見ると席を譲るようになりました。

与子美 グレゴリーさん (よしみ)
ボランティア・ワーカー
どちらが優しいというより、優しさの種類の違いでしょう。英国人は他人には優しく、日本人は知り合いに優しいという傾向があるように思います。英国では赤の他人にも親切に接しますよね。

紀子 メドセンさん(のりこ)
40代、日本語教師
日英の人々の親切心の違いは、時間の感覚の捉え方が違うからだと思います。日本人は忙しく、シャイな人が多いのに対して、英国人はのんびりかつ自分の時間を大切にしていますよね。

有井山 真美さん(ありいやま・まみ)
22歳、学生
英国だと道に迷った時など通りがかりの人がよく助けてくれますよね。日本では、取り皿や飲み物のおかわりを頼まなくても持ってきてくれるレストランのサービスに気配りを感じます。

蓮沼 雅子さん(はすぬま・まさこ)
27歳、学生
英国では、女性優先で電車に乗れたりするところに親切さを感じます。しかし笑顔の多い日本の店員と違って、英国のお店での無愛想な態度は、とても親切とは言い難いですよね。


「どちらが親切か」との問いに対して、日本人もしくは英国人と答えた回答者がピタリと同数。そして「同じくらい」、「国籍の問題ではない」、「どちらとも言えない」などの回答が多数を占めたので、結論は持ち越しだろう。ただ上に紹介した紀子さんや与子美さんの発言に見られるように、「日英では親切の形が違う」という感覚を多くの人が持っているようだった。また日本人は内気なので優しさが表に出にくく、英国人はプライベートな時間や空間を尊重するがゆえに他人に対して冷たく見える場合がある、との分析も。さらに1つ興味深いデータが。回答を男女別に見た場合、男性は「日本人の方が優しい」と答えた割合が100%になる。逆に回答者の多数を占めた女性からは「英国人男性が優しい」「英国はレディー・ファーストの国」という声がちらほら聞かれた。果たして優しくないのは日本人男性なのか、英国人女性なのか。これもなかなか奥深いテーマとなろう。

 

食費、交通費、家賃と、何から何まで値段が高く感じられるロンドンの生活。一方で英国人の間では、「世界一物価の高い都市」として我らが日本の首都、東京の名を挙げる向きが見られる。この「どっちの物価が高いか」論争に決着をつけるためにも、両都市での生活をよく知る在英邦人の声を聞こうと、今回もぶぉっくす・ぽっぷ取材班が出動。果たしてロンドンと東京の物価、より高いのはどっち?

アンケート実施場所: ロンドン、ジャパン・センター / らいすわいん前

矢野 瑞貴さん(やの・みずき)
14歳、学生
ロンドンでは、スーパーマーケットで売っている調味料一つ取っても値段の高さに驚いてしまいます。手頃な値段で日本食を売るコンビニや、古本屋さんが身近にあればいいですけどね。

南林 絵里さん(みなみばやし・えり)
20歳、学生
ロンドンで何が一番高いかといったら日本製品ですね。特に日本ブランドの商品に付いている値札には日本での販売価格が明記されているため、「ロンドン価格」との差に不満を感じます。

米倉 容子さん(よねくら・ようこ)
30歳、学生
1ポンド=約240円で換算してしまうと、すべてが高いです。サンドイッチ一つで2.5ポンド=600円、レストランでは一皿で5ポンド=1000円以上かかることなんてザラですからね。

梶谷 典子さん(かじたに・のりこ)
31歳、デザイナー
とにかく家賃が高いです。今は円が弱いから、なおさら割高に感じます。お陰で家計簿をしっかりとつけて、出費を振り返る習慣ができました。でないとロンドンではやっていけないです。

都築 淳さん(つづき・じゅん)
25歳、学生
以前私営の病院で手術をした後に、診察した医師と手術をした医師それぞれから請求書がきた時は驚きましたね。ロンドンでは顧客サービスが全般的に悪いので、余計に割高感があります。

下村 正子さん(しもむら・しょうこ)
23歳、学生
もうすべてが高額ですが、中でも交通費が高い。そのため以前は自転車通学をしていました。交通事情はなかなか改善されないのに、公共交通機関における運賃の値上げは凄まじいですね。

山本 優子さん(やまもと・ゆうこ)
32歳、主婦
洋服店において、多数の買い物袋を持った学生風の買い物客をよく見かけます。これだけ物価の高いロンドンで、彼らやその両親は一体どういう生活をしているのか疑問に思ってしまいます。

コーマック サニー・フランシスさん
21歳、学生
交通費が馬鹿高い。例えば日本の山手線だと初乗りは160円=70ペンス。これがロンドンの地下鉄だと、割引料金となるオイスター・カードを利用しても1.5ポンドですからね。

尹 美香さん(ユン・ミヒャン) 
24歳、学生
物価はロンドンの方が圧倒的に高いでしょう。この前行った韓国料理屋では、おいしくもないのに値段だけとても高かったです。ロンドンで外食したら、お金がすぐに消えてしまいますね。

斎藤 舞子さん(さいとう・まいこ) 
21歳、学生
税金が高いからか、ロンドンの物価は本当に高いですね。ただヨーロッパを旅行するのなら、格安航空会社などが利用できるのでロンドンにいた方がお得な場合もありますけどね。


驚くべきことに、「ロンドン」と答えた率が100%。取材班は、ついに在英邦人社会が1つとなるテーマを発見した。「物価は東京の方が高いと言う英国人も多いようですが……」との問いかけにも、回答者たちは「ロンドンの方が断然高い」と即答してくれるので、街頭調査はかつてないほどスムーズに進行。特にロンドンにおける外食費と交通費に対する鬱積は凄まじく、レストランにしろ地下鉄にしろ、その劣悪なサービスが割高感をぐんとアップしているよう。それだけに吉野家、大戸屋、コンビニ、100円ショップといった懐かしい響きを持つ日本の手軽で安価なサービスを恋しがる声が多く聞かれた。またロンドンで暮らし始めてから、自炊や家計簿の記帳、チャリティー・ショップでの服の購入など、日本では経験しえなかった質素倹約の習慣を確立した人が多い様子。そんな在英邦人たちのたくましさが判明した、今回のぶぉっくす・ぽっぷでした。

 
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