ニュースダイジェストの制作業務
Wed, 24 December 2025

LISTING イベント情報

これまで在英邦人を対象に街頭調査を行ってきた「ぶぉっくす・ぽっぷ」の特別編。今回は日本語を学ぶ外国人に焦点を当て、2月3日に開催された「大学生のための日本語スピーチ・コンテスト」と左ページで紹介した「ビジネス日本語スピーチ・コンテスト」の参加者、さらには当日会場を訪れた日本語学習者たちの意見を聞いてきました。質問のやりとりはすべて日本語。我々の母国語は、世界からどのように見られている?

アンケート実施場所: ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院(SOAS) 

ワイ・イー・フォンさん
21歳、学生
私の母国語は中国語なので、漢字が理解できるという面では確かに有利だと思っています。でも日本語と中国語って文の構造が逆さまなので、特に日本語を学び始めた頃は苦労しましたね。

ジョナサン・バーンズさん
21歳、学生
日本留学中に弓道部の練習で30代のOBの試技を見て、つい「彼、うまいね」と馴れ馴れしい言い方をしてしまい、先輩に注意されたことがあります。相手によって言葉を使い分けるのは本当に難しい!

マジド・リアズさん
26歳、学生
一番難しいと感じるのはやっぱり漢字ですね。普段の生活では全く使わない文字だし、特に人名や地名で使う時には特別な読み方をするでしょう。もっと勉強して将来は日本語通訳になりたいです。

キャサリン・ワイルドさん
21歳、学生
大学の教授が目上の日本人の方なので、話し方に気を付けています。日本の若い人たちは敬語の用法など気にしないと聞きましたが、私は外国語として習っているからこそきちんと話したいのです。

クリス・ヒューズさん
25歳、求職中
ことわざ、慣用句を覚えるのが大変ですね。「お茶の子さいさい」っていうフレーズの響きがおもしろくて好きです。いつか日本でダウンタウンみたいな漫才師としてデビューしたいと思っています。

ダーシー・パーキンスさん
39歳、学生
僕の国籍はカナダなので英語とフランス語、あとスペイン語とドイツ語を話せますが、日本語はやっぱり一番難しいと感じます。動詞が一番最後に来るという文法に慣れるのには時間がかかりました。

ネイロン・アイオナさん
27歳、学生
日本語の習得は決して不可能ではない! と自分に言い聞かせているのでNoです。ただ漢字と敬語は確かに厄介ですね。日本語能力試験の2級以上になると、かなりハードになってくるんですよ。

スダルシャーナ・シンハさん
23歳、学生
私の母国インドで話されているヒンディー語とベンガル語にも敬語があるのです。だから、母国語と日本語との違いよりも共通性の方に目を向けています。ただ「は」と「が」の使い方には困惑しますが。

アンドリュー・ハーディングさん
22歳、学生
フランス語みたいに英語と似ている言語だと、逆にこんがらがっちゃうのです。日本語をゼロから覚える方が簡単なんですよ。文法も一度ルールを覚えてしまったら、例外は少ないですし。

アンドリュー・デービスさん
20歳、学生
日本語の文法には女性名詞や男性名詞といったジェンダーの区別がないし、動詞の活用も少ないですから、その分だけでも簡単な方ですよ。ドイツ語なんてジェンダーが3種類もあるんですよ!


調査結果が示すのは、「やっぱり外国語を習得するのは難しい」ということ。特に我々のような在英邦人が日本語にない英語の発音や文法に苦労するように、西欧圏の人たちにとって日本語は全く異次元の世界。漢字、敬語などといった西洋諸語には馴染みのないものに相当苦戦しているようだ。また今回の調査で分かったのは、ほぼ全員の回答者がいつか日本に住みたい、働きたいという思いを明確な動機付けにして勉強しているという事実。「古い伝統と最先端の科学技術が共存している」、「西欧とは全く異なる独自性がある」といったイメージがある日本の文化に、強く惹かれている人たちが多かった。異国への憧れを膨らませながら外国語の学習に励む様は、まるで渡英前の自分の姿を映しているようだと共感してしまう読者も多いはず。ニュースダイジェストは、これからも英国で日本語を勉強する学生を応援します!

 

代表チームの主将を務めるなどして、イングランドのサッカー界に貢献してきた貴公子ベッカムが、ついに米国ロサンゼルスに移住することを発表。スペインのレアル・マドリードに移籍した直後から運動能力の衰えが囁かれ始め、一部ではモデルとしてハリウッド・デビューするための契約交渉も着々と進んでいるとも噂されている英国随一のサッカー選手、ベッカムの未来について在英邦人は何を思う?

アンケート実施場所: ロンドン、ジャパン・センター / らいすわいん前

湯川 誉文さん(ゆがわ・たかふみ)
28歳、学生
スポーツ選手としてはもう高齢を迎えているので、俳優業を目指した方がいいのでは。まるで芸能人のようにテレビ馴れした振る舞いと、容姿の良さをもっと生かすことができるはず。

信夫 俊子さん(しのぶ・としこ)
60代、服飾関係
私はサッカーが好きでよく見てるけど、ベッカムのサッカー選手としての能力には全く問題なし。あと彼は日本の男性にはない色気を持っているのよ。背広も似合うし。まだまだいけるわ。

高橋 勝文さん(たかはし・かつふみ)
26歳、学生
ベッカム選手がタレント化しているのは事実でしょう。でもわざわざ引退しなくても、日本のプロ野球で活躍した新庄選手のようにタレントのようなスポーツ選手としての将来はあると思う。

岡崎 郁子さん(おかざき・いくこ)
28歳、学生・主婦
ワールド・カップでフリーキックを決めた瞬間は本当に格好良かったし、何よりもサッカーを愛する姿勢が好き。ただビクトリアが彼を陰で操っている感じがする。サッカーは辞めて欲しくない!

野嶽 智行さん(のだけ・ともゆき)
26歳、学生
米国への移籍はたぶんビクトリアが「スペイン語できないー!」とか言った不満を受け入れたんじゃないですか。もちろん彼次第ですけど、サッカー選手なんだからサッカーを続けるべきだと思う。

島田 直幸さん(しまだ・なおゆき)
29歳、ボランティア
確かにベッカムは、男から見てもルックスが良いから俳優向きという意見も分かる。でも彼にはサッカーが何よりも似合うし、やっぱり上手い。特にコーナーキックの技術は素晴らしいですね。

藤村 彩さん(ふじむら・あや)
24歳、学生
タレント性があるというのは分かるんですが、ベッカムはサッカー界に必要でしょう。ビクトリアがベッカムに悪影響を与えている、と言う人もいるけど私は彼女のこと嫌いではないです。

匿名希望さん
21歳、学生
タレントとしての存在は確かに大きいですね。それだけに彼に関するゴシップが絶えない印象がありますが、どれも決して良い噂ではないですね。5年後にはどうなっているかわからないのでは。

内野 洋一郎さん(うちの・よういちろう)
26歳、パティシエ
ベッカムよりセルティックの中村俊輔の方が好き。ベッカムが引退すべきかどうか、って聞かれても彼の最近の活躍を知らないだけにちょっと分からないですね。彼自身が決めることなのでは。

来日する度に「ベッカム様フィーバー」なるものを巻き起こすほど、日本国内では絶大な人気を博してきたベッカム。そんな彼の将来について熱い意見が飛び交うことを期待しての今回のお題だったが、街頭調査では回答に窮する人が多かった。ちょっと意外だったのが「へえ、米国行ったんだ」といった無関心層が見受けられたこと。やっぱりベッカムは落ち目なのか、彼の全盛期は既に過ぎたとの認識もかなりあった。しかし多くの人が彼のルックスなり、ファッション・センスといった彼のタレント性は高く評価している。では引退すべきなのか、と聞くと「サッカー選手であり続けて欲しい」とか「衰えたといってもやっぱり彼は上手い」という意見がアンケートでは多数派を占めた。ちなみに「しゃべりができないからタレントは無理」という厳しいご意見も。いやはや、ベッカム選手の未来はいかに。

 

英国で暮らしている間に差別を受けたことはあるか?

「英国に住む日本人の生の声をもっと聞きたい!」との願いから、今週から始まった本企画。ちょうど人気テレビ番組「Celebrity Big Brother」での人種差別的な発言で話題は持ちきりの今、「外国人」である日本人としても、このテーマに無関心ではいられないところ。果たして21世紀の在英邦人は、差別を受けているのか?

YES

  • 老舗の某カフェに行くと、どんなに空いていても入り口近くのうるさい席に通されます。店舗マネージャーが日本人嫌いだという噂を聞いたことがあり、差別ではないか、と感じます。(学生)
  • 階級社会の英国において、英語をまともに話せないと見下されるということはあるでしょう。英国経済を支えている海外からの出稼ぎ労働者たちを蔑んで見る態度は問題だと思います。(学生)
  • 2年程前の話になりますが、車に乗っている人に窓から「イエロー」と叫ばれたことがあります。こういう発言に対しての捉え方は様々だと思いますが、あまり良い経験でないことだけは確かですね。(美容師)
  • バス乗車中に「日本人はバスから降りろ」と言う酔っ払いに絡まれた経験があります。色々な考え方があるのでしょうが、自分が何をしたわけではないのでやはり良い気分にはなれませんでした。(レストラン・マネージャー)
  • 日本人は独特のアクセントで英語を話すのに加えて、外見が実際の年齢より若く見られることが不利に働く場合があるのでは。買い物中に店員に不快な態度をされたこととかありますしね。(バイヤー)
  • 大手ファースト・フード店で、背後からポテトを投げつけられていたアジア人を見かけたことがあります。私自身が受けた被害ではありませんが、アジアの人に対する差別かな、と感じました。(美容師)

No

  • 差別というよりも、外国人に対しての不信感があるのかもしれません。例えば、現在増加している東欧からの移民が、すぐさま英国の社会保障を享受できる制度への疑問などでしょうか。(主婦)
  • 労働ビザの申請なしで働けるという理由で、雇用主がEU圏出身者を優先的に採用しているという現実はあると思います。でもそれは差別というよりも、法律の仕組みを考えるとしょうがないのでは。(学生)
  • あらゆるお店に態度が悪い店員がたくさんいますけど、それは差別というより英国のサービスの質の問題でしょう。日本に比べて客に対するサービス意識が非常に低いですからね。(学生)
  • ホストマザーも親切だし、差別は感じません。日本だと珍しいから外国人をもてなすけど、英国ではそもそも外国人だらけだから特別な親切を受けない、という面はあるかもしれません。(学生)

調査を行う過程でまず明らかになったのは、回答者のほぼ全員が渡英以来、日本では有り得ない「嫌な体験」をしているということ。この「嫌な体験」を受けた原因が、人種差別にあると考えるのが約半数。自分の話す英語が拙いからとか、もしくはもともと差別的ともいえる英国の顧客サービスの悪さのせいだ、と考えるのが残りの半数という結果に。確かに異国生活におけるトラブルの原因が、差別にあるのかどうかを客観的に判断するのは難しいのだろう。一方で皮膚の色などについての、明らかに人種差別といえる侮辱的な発言を受けた人も少なくない。そしてこれらの人種差別は、日本人というよりアジア人、または黄色人種全体に対して向けられたものであるとの意見が目立った。それにしても、今回の調査を実施した日のロンドンは凍えるほど寒かった。わざわざ立ち止まってお時間を割いてくれた回答者の方々、本当にありがとうございました! 本企画では今後も様々なテーマを取り上げていきますので、皆様のご協力をよろしくお願いします。

January 2007 vol.1081

 
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