ラッシュ時の混雑を緩和するため、ロンドンの地下鉄ホルボーン駅で試験的に行われていた、「エスカレーターの両側に立つ」スキームは、通勤客に不評なうえ一定の結果が出なかったこともあり、取りやめになった。ほかの駅での試験も行われないという。「イブニング・スタンダード」紙が伝えた。
ロンドンの地下鉄のエスカレーターは、急いでいる人のために左側を空けておき、立つ人は右側に寄るのが長年の伝統。だが、ラッシュ時に左側が空いているのは効率が悪いと考えたTfL(ロンドン交通局)は、6カ月間の期間限定で、ホルボーン駅のエスカレーターの一部を混雑時に限り、右側に寄らず両側に立って良いことにした。その結果、通常であれば1分間に平均115人が乗るエスカレーターに151人が乗ることができ、混雑緩和に効果が出たという。
しかし、長いエスカレーターでは有効な手段であっても、短いエスカレーターではより左側歩行者が多いなど、乗客の動きが場所によって異なるうえ、乗客からは「英国的でない」「マナー違反だ。ほかの駅でも両側に立つ乗客が出てきたらどうする?」など不評を買い、実現化は見送られるとのこと。
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