11月に入りフランスは急に冷え込み、今や最高気温が10度に満たない日も。そうなると風邪が流行する季節。
18カ月になる我が息子は11月に入って既に2回目の気管支炎(bronchite)を患ってしまいました。
乳幼児が風邪をこじらせると、よくかかる病気が気管支炎ですが、「早い手当が早い回復につながる」と、フランスのバイブル的育児書「J'élève mon enfant」(ロランス・ペルヌー(Laurance Pernoud)著)には書いてあります。続けて、「気管支炎には抗生物質とキネジテラピーの治療が奏功し5〜6日で病状は回復するが、長引くと蓄膿症や鼻咽頭炎に重症化する」とも。
これは大変!と慌てた夫が息子を連れて小児科に駆け込みました。
かかりつけの小児科の先生は50歳代の金髪ですらっとした長身の美人女医。それで夫はいつもせっせと子供を小児科に連れて行くのかと思ったりもしますが、とても信頼のおける真面目な医師です。まったく冗談を飛ばさないのが取っ付きにくいところですが、信頼している理由は、この地区の薬局で薦められた医師だから。知らない土地で医者を選ぶときは薬局に行って聞け、というのが名医探しの法則。薬嫌いの私に合うよう、ホメオパシーも専門としているこの医師を薬剤師さんは提案してくれたのです。
病院から戻ると今度はキネジテラピー(運動療法)の施術師にコンタクトを急いで取ります。
すると、週末にもかかわらず、親切な施術師ナディアは自宅まで来てくれることに。往診は初めて。居間のテーブルの上にマットを置き、ナディアを待ちます。
玄関のチャイムが鳴り、ナディアが入って来ると、急に顔が曇り始める息子。服を脱がせ、聴診器を当てられるともう半べそをかいています。

幼い子供は、気管支にこもった痰(たん)を上手に出すことができないため、深いせきをして痰を出すことを学ばなければなりません。それを訓練してくれるキネジテラピーが必要になるのです。
まず鼻に生理的食塩水を入れ、吸引器で鼻を掃除します。それからナディアがお腹をマッサージします。「吸ってー、吐いてー」と言いながら、パン生地を軽くこねるような手つきでマッサージ。
続けて息子にせきをさせてみます。我々がせきをしてやり方を見せますが、まだまねをして1人でできないため、仕方なくいつもの手段を。これは痛々しくて見ている方が目を覆いたくなります。あごの下の首を圧迫し、せき込ませて痰を押し上げるのです。もちろん息子は大泣き。手足をばたつかせ、聞いたことのないような悲鳴を上げています。その手を握り「ごめんね、ごめんね!」と息子に謝り、誰も日本語が分からないので「止めてー!」と口走る私。

ようやく終わった時には親子共にほっ。そんな苦しい思いをしても、息子は優しいナディアが大好きで、アパルトマンのエレベーターまで見送りに出て来ました。
息子は17区にあるパリ市の保育園に通っており、子供たちの間でウイルスを移し移され風邪を引くのはどうしても避けられないようです。保育園に預けていることを後悔もしましたが、17区では公立保育園に希望したのに定員オーバーのため入園できず待機している子供が2500人いることを考えると、入園できて感謝しなければいけないところ。これから冬に向かって母心は憂うつです。








