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ロンドンのゲストハウス
mer 20 septembre 2017

今回の映画:le prénom (仏2012) ※日本未公開

テーマ:文句いいパリジャンの典型句を学べっ!!

元々は同名舞台作品の映画化。なので、舞台となる場所や登場人物が少ない代わりに、セリフの応酬が楽しめる。

大学の先生であるピエールと、その妻の高校教師のエリザベス。彼らの家に、エリザベスの弟でピエールの親友であるヴァンサンとその妻アナ、そして、エリザベスの幼馴染のクロードが招待されている。アナは妊娠中で、話題は生まれてくる子供の名前。ヴァンサンは子供が産まれたら、アドルフ、と名付ける、と宣言する。ヒトラーと同じ名前を子供に付けることはあり得ない!と、波紋を呼ぶことから、話はどんどん泥沼にはまっていく

le prénom映像はこちら→www.pathefilms.com/film/le-prenom

シチュエーション

まだ、招待客は来ていない、ごく初めのシーン。ピザの配達人があるアパルトマンの呼び鈴を押すと、ピエールがドアを開ける。

Pierre
Oui.
Livreur
Bonjour, 42 euros 90, s’il vous plaît.
Pierre
Pardon ?
Livreur
C’est pour deux reginas et une calzone.
Pierre
14euros 50 la regina ?
Vous mettez quoi dessus, des truffes ?
Livreur
Ben, non, c’est du jambon et des champignons.
Pierre
Et ça coûte 14 euros 50 ?
Mais vous vous rendez compte qu’on parle quand même de , de 95 francs ?
Livreur
Euh...
Pierre
Vous croyez quoi, que j’ai des robinets en or et des peaux de zèbres aux murs ?
Livreur
Je sais pas moi.
Pierre
Vous voulez que je vous dise , je, je, je trouve que dans un pays ou il y a quoi, 3 ou 4 millions de chômeurs, demander 250 francs pour 3 malheureuses pizzas, c’est indécent, dégueulasse même, si vous préférez.
Élisabeth
Qu’est-ce qui se passe ?
Pierre
Tu as une idée du prix auquel il vend sa regina ?
Élisabeth
T’as commandé des pizzas ?
Pierre
Non, pourquoi ?
Élisabeth
Pourquoi tu ouvres alors ?
Polo va encore foutre le camps.
Livreur
Vous avez pas commandé des pizzas ?
Pierre
Il sonne, j’ouvre. Excuse-moi d’être civilisé.
ピエール
はい
ピザ配達人
こんにちは。42ユーロ90サンチームになります。
ピエール
なんだって?
ピザ配達人
レジーナ2つと、カルゾーネ1つの料金です。
ピエール
(伝票を見ながら)レジーナが14ユーロ50サンチームだって?
何がのってるの?トリュフかなんか?
ピザ配達人
いや、別に。ハムとマッシュルームですけど……
ピエール
で、14ユーロ50サンチーム?
ちょっと、分かってる?そ、それって、95フランってことだよ!
ピザ配達人
はあ。
ピエール
なんだと思ってんの?ウチの蛇口は金かなんかで、壁にはシマウマの皮がかかってるとでも?
ピザ配達人
さあ、知らないですよ。
ピエール
なんて言ったらいいか、ボク、ボク、僕が思うに、なんだろう、300から400万人も失業者がいる国で、3つのくだらないピザのために250フランの請求?
恥知らずだ。ヘドが出る!とまで言いたいよ。その方がお気に召すならね!
エリザベス
どうしたの?
ピエール
彼が持ってきたレジーナいくらだと思う?
エリザベス
ピザ頼んだの?
ピエール
いや。なんで?
エリザベス
じゃ、なんでドア開けたのよ?
ポロがまたどっかに行っちゃうじゃない。
ピザ配達人
ピザ注文したのお宅じゃないんですか?
ピエール
彼が呼び鈴をならし、僕はドアを開けた。礼儀正しくて悪かったね。

Vous mettez quoi dessus, des truffes ?
上になにのせてんの、トリュフ?

何かの値段を聞いたときに、必ず「高い!」と口をとがらせるのがパリジャン。そして必ず、だからこの世はイヤなんだ!と人生に直結、ネガティブパワーをまき散らします。

食べものだったら、「高い!トリュフでも入ってるのか!」というのが典型句。 フォアグラでもありえなくはないですが、お目にかかれる頻度を考えると、トリュフの方がより効果的なのかと思われます。

例)サンドイッチを求めたら、思いもよらず高いっ!!!
Ils mettent des truffes là-dedans ou quoi ?! トリュフでも中に入れてんのか?!

Mais vous vous rendez compte qu’on parle de , de 95 francs ?
でも、分かってる?そ、それって、95フランってことだよ?

パリジャンの年配度を測るならコレ。値段の高さを心から味わうために、思わず、ユーロをフランに換算してしまう。ユーロではいまいち心に響かないようです。(ウチの夫)

確かに、私も始めは換算していましたが、ユーロに変わって10年以上たった今、全く換算しなくなったばかりか、フランで言われても全くピンときません。これ200フランもするんだよ!といちいち興奮されても「だから〜?」と眠くなってしまいます。

お分かりかと思いますが、それは、ユーロに慣れたからなどではなく、単に、昔も今も円に換算しているから。

(500円か、安いじゃん。など。)20年もフランスに住んでいるのに こんな感じなので、まあ人のことは笑えません……。

例)このサンドイッチ8ユーロもするの!?と驚いたとき。
Tu te rends compte que ça coûte 50 francs ? これ50フランもするって考えられる?!

↑ ちょっと昔のフランスも知っているのよ~!というニュアンスを演出したいとき、お年寄りと仲良くなりたいときにに使ってみましょう~。(ユーロに素早く6.55957をかけたら、フランに早変わりっ!)

Vous croyez quoi. J’ai des robinets en or et des peaux de zèbres aux murs ?
どう思ってるんだ?うちの蛇口は金でできてて、壁にはシマウマの皮がかかってるとでも?

パリジャンは面白くないことがあると、つらつらと文句を言い続けます。世界に対して言っておきたいことが、どんどん湧き出てくるようです。さらに、それがウエットに富んでいるとそんな自分声にウットリ♪

「金の蛇口」?「シマウマの皮」?これがフランス風、金持ちの証?

例)高い額の投資を勧められたときから、おごって!と言われたときまで、「オレは金持ちじゃねーんだよ!」と遠回しに?言いたいときに。

Tu crois que j’ai des robinets en or et des peaux de zèbres aux murs ou quoi ?
君は、僕がボクのうちには金の蛇口があって、シマウマの皮でも壁にかかってるとか思ってるのか?

↑ 断るセリフにしては長いが、できるだけ長く話していたい。Nonだけじゃ、短すぎる!

Je sais pas moi.
知らないですよ!

確かに、知っちゃいないよ!といった感じです。配達の人はよく、配達先の住人にやつあたりされますが、こうやって黙って聞いているだけなのは、偉い人だと思われます。

相手のペースに巻き込まれずに、クールに対応して、相手の一歩上を行きましょう~。

例)興奮して文句&攻撃してくる人に。
Je sais pas moi.知らないですよ。

私には関係ない。そんな下らないことに時間を割いてられないよ。と、一段上からの態度で。
周りの同様な感想を持つ人と、目配せなど出来ると尚よい。

dans un pays ou il y a quoi, 3 ou 4 millions de chômeurs, demander 250 francs pour 3 malheureuses pizzas.
300から400万人も失業者がいる国で、3つのくだらないピザのために250フランの請求?

何てぜいたくな!という話になったときに、必ず引き合いに出されるのが、「失業者数」。経済的に問題があるんだよ!だけど、こんな値段をつけてけしからん!!と社会を代表して、価格を糾弾します。

しかも、フランで興奮してしまうところが、コミカルな感じです。いつの時代の人?という突っ込みにも負けず、返ってそれを誇りに思っている風なのもポイントです。

そんなパリジャン気分になって使ってみましょう〜!

例)ちょっとおしゃれなパン屋さんで。
Dans un pays ou il y a 3millions de chômeurs, vous demandez 5 euros pour un sandwich ? C’est un scandale !!(←拳を掲げて!)
300万人の失業者がいる国で、一つのサンドイッチに5ユーロ?!スキャンダルだ!!

↑ 客観的にスキャンダル。ってほどでもない値段に騒がれると、一緒にいる身としてはちょっと肩身が狭い。

Tu as une idée du prix auquel il vend sa regina ?
このレジーナいくらすると思う?
T’as commandé des pizzas ?
ピザ頼んだの?

「このピザいくらするかわかる?」と聞かれているのに、「ピザ頼んだの?」と、全く返事がかみ合っていません。随分前から対話をすることをあきらめてしまっているのでしょう。

夫の愚痴とフラン次元に付き合うのは、時間とエネルギーの無駄だと悟った、年季の入ったパリジェンヌです。そして、パリジャン側も、特に「う~ん、30フランかな?」「なんで?高いの?」などと反応してくれなくてもなんとも思っていないようです。

例)Tu as une idée du prix de ce pull ? このセーター一体いくらすると思う?
Je préfère rouge, tu crois pas ?私は赤の方がいいと思う。そう思わない?

↑かみ合わないところがかみ合っている一つの形。

Polo va encore foutre le camps.
ポロがまたどっか行っちゃうじゃない!

ドアを開けたら逃げちゃうじゃない!と飼いネコの話をしています。

ピザの話と全然関係ありません。興味ないことは、脳にかすりもしないご様子。しかし、 パリジェンヌにはめずらしくない現象です。日本人でしたら、え?あ、ピザ?とうわべだけでも合わせてあげたりしそうですが、自分の言いたいことだけを言うのが、フランス流。でないと、誰もあなたの言うことなんて聞いてくれない!というのが大きな理由です。

そして、言いたいことは文句である確率高し。すべて自分の思い通りにしたいのです。 でも、このムスッとした感じが、パリジャンにはかわいく映るのかもしれません。

例)夫が久しぶりに気を効かせて部屋を片付けてくれた。そんなとき……。
Pourquoi tu l’as mis au sale ce pull ?
どうして、そのセーター、洗濯する方(汚い方のカゴ)に入れたの?

Il sonne, j’ouvre. Excuse-moi d’être civilisé.
彼が呼び鈴を鳴らし、僕がドアを開けた。礼儀正しくてすみませんね。

文句を言うとき、直接言わずに反語で言ってみます。この構文は使えそうです!

例)プレゼントしたのに、こんな高いもの買って!と何故か責められたとき。
Tu le voulais, je te l’achète. Excuse-moi d’être gentil.
君が欲しがったから買ってやったんだ。親切ですまないね!

<まとめ>

文句いいパリジャンの典型フレーズをみてきました。いろいろなものに、「高い!」と文句をいいつつ、あなたの存在自体がネガティブになれたら合格です。(個人的には、文句いいは健康にあまり良くないかと思いますが、言われっぱなしも体に悪いので適度に反撃してデトックスしましょう。)

また、それの閉じ蓋に相当するようなパリジェンヌの反応も見逃せません。こうるさいパリジャンの文句を聞き流しつつ、自分の言いたいことだけを言うことが、長続きのコツのようです。

 

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小林まみ Mami Kobayashi

女子学院、慶應義塾大学理工学部卒業後、パリ高等映画学校(ESEC)に留学。 フランスの映像プロダクション勤務を経て、短編映画制作、シナリオ執筆。フリーで通訳、翻訳業に携わる。2004年より、メルマガ「み~さの12秒フランス語!」発行。「まぐまぐメルマガ大賞」3年連続受賞。
公式サイトhttp://miisa12.com

現在、フランス語、フランス、映画関連の本などの執筆。
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