チャールズ国王は、17世紀から伝統的に戴冠式の王冠としてのみ使用されてきた、重さ2.23キログラムの純金製聖エドワード王冠(St Edward's Crown)を戴冠。これは1649年に当時の国会議員によって溶かされてしまったオリジナルの王冠の代わりに、1661年にチャールズ2世のために作られたもの。戴冠式後、国王は大英帝国王冠(Imperial State Crown)を新たにかぶり、ウェストミンスター寺院を出て、バッキンガム宮殿のバルコニーから国民に手を振るときまで着用する。
国王のローブの裾を持つページ・オブ・オナー(Page of Honour)が登場。チャールズ国王の孫ジョージ王子と、カミラ王妃の孫ローラ、エリザ、ガス、ルイス、フレディなど8名の少年が担当する。また、選ばれた公爵や退役軍人などが儀式的な役割(Ceremonial roles)となり、レガリアを運び、国王夫妻に授ける。
ウェストミンスター寺院
儀式は約2時間戴冠式のおおまかな流れ
1. The recognition(承認)
チャールズ国王が、アングロ・サクソン時代にさかのぼる「人々」(the people)へ提示される儀式。カンタベリー大主教のジャスティン・ウェルビー大司教が、戴冠式の椅子の横に立ち、修道院の両側に向かってチャールズ国王を「疑う余地のない王」と宣言した後、出席者に敬意と奉仕を示すよう求める。その後出席者が「神よ、王をお守りください!」(God Save the King!)と叫び、トランペットが鳴る。
近隣住民やコミュニティーで、一緒に食事や楽しみを分かち合う「ビッグ・ランチ」が開催。また、20時から英国の多様な文化を祝い、テイク・ザットなどが出演し、音楽や演劇、ダンスなどのパフォーマンス「コロネーション・コンサート」がある。また、ショーの一環として、国内の特定の場所で「ライト・アップ・ザ・ネーション」と題し、プロジェクション・マッピングやドローン・ショー、イルミネーションでライトアップも。この模様はBBC One、BBC iPlayer、BBC Radio 2、BBC Soundsで生放送されるほか、ロンドンのセント・ジェームズ・パークでパブリック・ビューイングが行われる。
5月8日(月)
月曜日は特別祝日となり、ボランティア活動への意識を高めることを目的とした「ビッグ・ヘルプ・アウト」(TheBig Help Out)への参加が奨励されている。ローカルのコミュニティー活性化のため、英国の何千もの団体がボランティアを募集中だ。参加の仕方はリンクを参照。 https://thebighelpout.org.uk
パフォーマーの人数や演奏の事前録音など、参加規則は時代に合わせかなり変更されてきたが、重要な歌詞の言語規制もコロコロと変わっている。初期段階では特に制限が設けられでなかったものの、後に2曲中1曲は自国の公用語で歌わなければならなかったり(現在は1曲を披露)、公用語のみが許されたりした時期も。現在は英語、公用語に加え、誰も理解できない架空の言語の歌詞も認められている。これまで最も多くの言語を含んだ曲は、1973年に出場したノルウェー代表ベネディク・シンガーズ(Bendik Singers)の「It's Just A Game」で、12もの言語で歌われた。
1811年、工場の機械化が進み熟練労働者が職を失い、一方で不熟練の労働者が酷使され長時間労働を強いられるなど、労働環境は悪化。耐えかねた労働者たちが、機械や工場建築物を破壊する「ラダイト運動」が起きる。政府はこのような行動に対して最高刑を死刑とする法律を制定したものの、1811~17年の長期にわたって打ち壊しは続き、これにより工場や機械破損の被害や、多数の死傷者や逮捕者が出る結果となった。そんななか、英北部マンチェスターで1818年に一般貿易組合(General Union of Trades)が設立。さまざまな職業の労働者を集めた最初の近代的な労働組織といわれており、労働組合が違法だった時代、組織の本来の目的を隠すためにフィランソロピー協会(Philanthropic Society)という慈善団体名を名乗った。
約51万人の組合員数を誇る、欧州で最大の教職員組合。学校教師、補助教員から高等教育講師まで、あらゆる教育関係者が参加。2017年にNational Union of Teachers(NUT)とAssociation of Teachers and Lecturersが合併して設立された。 https://neu.org.uk
● NASUWT (National Association of Schoolmasters/Union of Women Teachers)
もともとはNUT内のグループの一つとして誕生した校務総括者の労組、National Association of Schoolmastersが方針の相違を理由に1922年に独立。1976年に女性教員の労組Union of Women Teachersと合併してできた労働組合。組合員数は約30万人。 www.nasuwt.org.uk
● GMB (General, Municipal, Boilermakers' and Allied Trade Union)
A ヒナゲシは欧州原産のケシ科の1年草で、過酷な自然環境の中でも成長して花を咲かせる。19世紀にナポレオン戦争で荒廃した欧州各国の戦場では、戦死者の遺体の周囲に赤いヒナゲシが生え、荒れた土地がヒナゲシの野原に変貌したと言われている。 1914年に第一次大戦が勃発し、フランス北部やフランダース地方(旧フランドル伯領を中心とする、オランダ南部、ベルギー西部、フランス北部にかけての地域)が戦場となった。戦闘が終わると、戦場を埋めるように育ってきたのが赤いヒナゲシだったという。こうして欧州では、戦争とヒナゲシの花との関連が意識されるようになった。
Q 戦死者追悼儀式の象徴となったきっかけは?
A 1915年、カナダ人の医師で詩人でもあったジョン・マックレーが、同国人兵士の死を機に書いた「イン・フランダース・フィールズ」が、英雑誌「パンチ」に掲載された。戦場に咲くヒナゲシの花の描写を冒頭に入れた詩は、欧州諸国で人気を得て、その後、ヒナゲシは戦闘で命を落とした兵士たちが払った犠牲を象徴するものとなった。また現在では、平和の象徴として、白いヒナゲシの花をイメージした飾りを付ける人もいる。
Q 「 ヒナゲシ募金」(「ポピー・アピール」)とは?
A 英国在郷軍人会が1921年に始めた募金活動の名称で、収益金は英軍関係者への支援に使われている。2010年の募金総額は3600万ポンド(約43億円)。
ロセッティ家の長女マリアは、詩人ダンテの研究書「ダンテの影―彼自身、彼の世界、そして彼の巡礼の研究にむけての試論」(A Shadow of Dante: Being an Essay towards Studying Himself, His world, and His Pilgrimage)を1871年に発表。当時の英米で好評を得た。
下記に紹介するのは情熱的に恋愛を賛美した1881年出版の詩集、「命の家」(House of Life)からの1篇。ジェーン・モリスとの体の関係を詠ったソネットといわれている。道徳観念の厳しかったヴィクトリア時代、この詩集は当時の批評家からその官能性を攻撃されたという。
Youth's Spring-Tribute
On this sweet bank your head thrice sweet and dear
I lay, and spread your hair on either side,
And see the newborn woodflowers bashful-eyed
Look through the golden tresses here and there.
On these debateable borders of the year
Spring's foot half falters; scarce she yet may know
The leafless blackthorn-blossom from the snow;
And through her bowers the wind's way still is clear.
But April's sun strikes down the glades to-day;
So shut your eyes upturned, and feel my kiss
Creep, as the Spring now thrills through every spray,
Up your warm throat to your warm lips: for this
Is even the hour of Love's sworn suitservice,
With whom cold hearts are counted castaway.
子どもの支援団体Plan International UKが14〜21歳の女性1000人を対象に行った調査によると、10人に1人が生理用品を購入する経済的余裕がなく、7人に1人は生理用品を買うのに苦労している。また、市場調査会社ワンポールによると、生理が始まると学校を休まねばならない子どもが英国に13万7700人もいる。学校での欠席日数が増えるに伴い授業にだんだんついていけなくなることで、学力形成に影響が及び、少女たちの将来の可能性をも狭める原因となっている。また、生理用品が購入できない少女たちは、ナプキンやタンポンの代わりにトイレット・ペーパーを代用するなど、適切な方法で対処できておらず、衛生面、また精神面にも大きな懸念がある。
NHSの公式サイトには、病気や検査の名称から症状の詳細や自宅でできる治療、さらなるサポートが必要な場合の連絡先などが網羅された「Health A to Z」をはじめ、理想体重の保ち方や禁煙など健康に関する情報「Live well」、LGBT+の人々へ向けたカウンセリングや、うつ病などの病気の治療をサポートする「Mental health」などのカテゴリがある。サイトで生理(Periods)と検索すると、生理の概要から生理用品の使い方、月経前症候群(PMS)についての解説、生理に変化が見られたときの対処法がまとめられており、諸事情があって親に聞けない少女でも簡単にアクセスできる仕様だ。また、「Sexual healthservices」は性的指向に関係なく、全てのジェンダーが平等に誰でも無料で利用可能。性感染症(STI)に対するアドバイスや検査を行ってくれる専門のクリニックに13歳未満の人が尋ねた場合でも、本人の許可なしに保護者へ連絡が行くことはなく、プライバシーが守られる。