名探偵といえばシャーロック・ホームズ。鹿撃帽にインヴァネス・ケイプをまとい、パイプをくわえたその姿は有名ですが、この推理小説シャーロック・ホームズ・シリーズを愛読するあまり、学問として研究してしまう「シャーロキアン」と呼ばれる人たちがいるのをご存知でしょうか?たかが推理小説と侮ってはいけません。英国だけでなく世界中でホームズを肴に「ゲーム」(知的遊戯)を楽しむシャーロキアンの世界をご紹介しましょう。(清水健)
シャーロック・ホームズとは?
シャーロック・ホームズが活躍する冒険譚は、1887年に発表された「緋色の研究」から1927年の「ショスコム荘」まで、40年にわたり60編(4つの長編と56の短編)が刊行されています。最初の2作「緋色の研究」と「四つの署名」を除く、58作すべてが月刊誌「ストランド・マガジン」に掲載されました。事件の舞台はヴィクトリア女王の大英帝国が最盛期を迎え、それゆえに社会のひずみが犯罪を生み出していた19世紀末。ホームズは1881年に出会った相棒のワトソン医師とともに、ロンドンのベイカー街221Bに拠点を構え、次々と事件を解決していきます。1891年に「最後の事件」で宿敵のモリアーティ教授と決闘して行方不明になりますが、3年後に「空家の冒険」で帰還。1903年に引退してからは、一度だけ第一次大戦前にドイツの諜報網と戦ったのを除き、サセックスの丘で養蜂をしながら暮らしています。
著者のコナン・ドイルとは?
ホームズの生みの親、アーサー・コナン・ドイルは、1859年にエディンバラで生まれ、イエズス会系のストニハースト神学校からエディンバラ大学医学部に進みました。ここで出会ったジョゼフ・ベル博士がシャーロック・ホームズのモデルとなります。父親がアルコール依存症だったため家は貧しく、ドイルは捕鯨船やアフリカ航路の汽船に船医として乗り込んで家計を支えましたが、この時の体験が後の創作に役立ったのです。やがてポーツマスで開業、その傍ら、小説を書き始めます。ホームズが人気を博すと作家に専念するものの、歴史小説家を自認するドイルはホームズが煩わしくなり、決闘させて葬ってしまいます。しかし読者からの激しい抗議、そして出版社の説得によって、しぶしぶホームズを復活させました。ドイルの歴史小説「白衣の騎士団」や「勇将ジェラール」は忘れられ、皮肉にもシャーロック・ホームズやSF「失われた世界」(映画「ロストワールド」の原作)がいまだに読み継がれています。現実社会でもジョージ・エダルジ事件などで被疑者の冤罪を晴らすために、ホームズばりの推理で尽力。晩年は、第一次大戦で息子を失ってから心霊学に傾倒し、1930年に71歳で没しました。
いざ知的遊戯の世界へ
シャーロキアンとは?
シャーロキアンとは、シャーロック・ホームズの熱狂的なファンのこと。コナン・ドイルが発表した60編を正典「Canon」と呼んで愛読し、名探偵の推理を検証したり、さらに記述の中にある矛盾に対し、いかに理論的につじつまを合わせるかを競う知的遊戯「ゲーム」を楽しんでいます。
ちなみに英国では「ホームジアン」と呼ばれることが多いのですが、これは英国の紳士たちが1960年代までファースト・ネームではなくファミリー・ネームで呼び合うのが一般的だったためです。法廷弁護士やフリーメイソンの会員は、今でもこの伝統を残しています。
シャーロキアンの流派
シャーロキアンは、その傾倒の深さによって流派が分かれています。
1960年代までシャーロキアンといえば、正典の記述を絶対視するのが当然とみなされていました。ホームズの冒険譚はあくまでワトソンの書いたものであり、コナン・ドイルはそれを出版する代理人にすぎないとされたのです。
1970年代以降は「ホームズ学」の範囲が広がり、ホームズとワトソン、さらにドイルを通してヴィクトリア朝という時代の英国が研究されるようになります。正統派を自認する英米のシャーロキアンの中には、ドイルの業績さえ否定する「ファンダメンタリスト」もいますが、多くのシャーロキアンは柔軟な発想とユーモアによって斬新な新解釈や研究を楽しんでいます。さらにドイルがホームズの形成にどのような影響を与えたかを分析する「ドイリアン」もおり、シャーロキアンの楽しみはいくらでも広がっています。
はじめの一歩はここから
シャーロック・ホームズ本の読み方
シャーロキアンの研究は正典に始まり正典に終わる。ということで、シャーロキアンへの第一歩は、まず正典を読むことです。ペンギンやワーズワースからは長編と短編集に分かれた手軽なペーパーバックスから、全60編が1冊に収められた重厚な「The Complete Sherlock Holmes」も出ています。
オックスフォード・ペーパーバックスからは、本家英国の知識を結集した「詳注版シャーロック・ホームズ全集」が出ています。物語のすべてのキーワードに註釈がついており、例えば人名や地名が出てくれば、それが実在か架空か、実在ならその説明を、架空なら関連のある候補を、それぞれ詳述しています。またワインや食事が出てくれば、そのヴィンテージや料理法まで紹介されるという具合で、ホームズの世界を身近にリアルに体験することができます。
大統領に司教まで
こんな人もシャーロキアン!
フランクリン・ ルーズベルト米国 大統領、トルーマ ン同大統領は熱心なシャーロキアンとして有名。SF作家のアイザック・アシモフは「黒後家蜘蛛の会」にシャーロキアンを登場させていますし、現パリ大司教は「ブラウン神父とホームズ」という論文を発表しています。さらに「ナルニア国物語」の作者C・S・ルイスもホームズを愛読していました。また喜劇王チャップリンの初舞台はロンドンで演じられた「シャーロック・ホームズ」です。
世界中で読み継がれる
シャーロック・ホームズ人気の秘密
推理小説は普通、一度読んで謎を解いたら終わりです。「ミステリーの女王」と呼ばれるアガサ・クリスティの作品はたくさん読まれていますが、シャーロキアンのような研究の広がりはありません。なぜシャーロック・ホームズだけが繰り返し読まれ、「ゲーム」と呼ばれるさまざまな研究が続けられているのでしょうか。
1. さまざまな登場人物と鋭い人物描写

医師と作家、2つの顔を
持っていたドイル
シャーロック・ホームズの冒険譚には、王侯貴族から乞食まで実在・架空の人名が1000人以上、英国人からインド人、オーストラリア人までが登場し、まさに7つの海を支配した大英帝国の縮図となっています。
ドイルはイエズス会系の神学校から医学部に進み、船医として世界を旅し、文学・歴史にも造詣が深かった人物。その豊かな人生経験が生かされた作品の登場人物は実に多種多様です。
またホームズのモデルとなったジョゼフ・ベル博士は、患者を一瞥しただけで職業や出身地を言い当てたと言われます。その驚くべき観察眼をホームズに投影したドイルが、医師と作家という2つの目を通して鋭い人物描写をしていることが、シャーロック・ホームズの魅力の一つとなっています。
2. 卓越した情景描写

「バスカヴィル家の犬」の
舞台、ダートムア
www.britainonview.com
もう一つの魅力が、ロンドンの街並みから英国の田園風景まで、さまざまな風景がしっかりと描かれていて、ホームズとともに事件を推理しながら情景を思い浮かべられることです。「バスカヴィル家の犬」では、イングランド南西部ダートムアの荒涼とした風景の描写が、読者を事件の舞台へと引き込みます。また辻馬車が行き交うロンドンの街角、世界中からやって来た移民の集まる下町の雰囲気など、それぞれの都市や地域が臨場感をもって描かれています。ロンドンやダートムアを始め、事件の起こった舞台を訪ねて「現場検証」するのもシャーロキアンの楽しみです。
そしてこの描写の累積性こそが、古典的な推理小説の神髄なのです。これに対し、例えばヴィクトリア朝を代表する作家、チャールズ・ディケンズはジャーナリスト出身ゆえに社会を鋭く観察していますが、「オリバー・ツイスト」など貧しい人々の生活に主眼がおかれ、描写される情景の幅がやや限られています。
シャーロック・ホームズに匹敵するとも言われるエルキュール・ポアロやミス・マープルが活躍する著作で知られるアガサ・クリスティも、その風景描写はトリックの謎解きにつながる狭い空間に限られがちです。
このように、シャーロック・ホームズでは全60編にヴィクトリア朝の英国、人々の息遣いと情景、そして世界が凝縮されているからこそ、尽きない研究対象を提供してくれるのです。
こんなことを研究しています
シャーロック・ホームズ人気の秘密
シャーロキアンには弁護士から医者、学者などさまざまな知識人が集まっており、それぞれが専門を生かした研究を発表しています。例えば、ホームズが解決した事件は法的にどのような扱いになるのかを調べる弁護士もいれば、作中に出てくる動物の行動を分析する動物学者、大英帝国の金融政策を論じる経済学者もいます。「赤毛組合」事件で、ホームズは路面をステッキで叩いて地下にトンネルがあることを知るのですが、人間の聴力でそれが可能なのかをトンネル工事の現場で音波探知機を使って検証した日本人公務員もいます。
また正典の中には日付が矛盾する記述があるのですが、これを当時の新聞記事や気象情報、劇場の演目などから逆算して特定していく「年代学」という分野もあります。大学院で応用数学を専攻していた私は、ホームズの宿敵モリアーティ教授に「小惑星の力学」という著書があるという記述から、19世紀末に発表された実在の学術論文を基にその架空の著書の再現を試みました。
ホームズは柔術の達人だった!?
ホームズと日本のつながり

「バリツ」でモリアーティ教授
を打ち負かすホームズ
シャーロック・ホームズと日本の間には、実は少なからぬ縁があります。まず挙げられるのが、宿敵モリアーティ教授との決闘でホームズを救った日本の格闘技「バリツ」。このバリツとは、バートン・ライトという英国人が柔術を基に考案した護身術で、「バートン流の柔術」から名付けられたものです。
そして「高名な依頼人」には「聖武天皇について、奈良の正倉院との関連はご存知ですか?」という問いがあります。ドイルはなぜ、日本についてこのように正確な知識を持っていたのでしょうか。ここで注目したいのが、ウィリアム・バートンという明治時代のお雇い外国人です。ドイルは少年時代、父親がアルコール依存症だったため、バートン家に預けられていました。そこにウィリアム少年がおり、生涯交友が続きました。バートンは東京帝国大学の工学部教授に招かれ、日本の下水道を整備し、日本初の高層建築「凌雲閣」(浅草十二階)を建設する傍ら、日本各地で撮った写真をドイルに送っていたのです。
シャーロキアンの殿堂
シャーロック・ホームズ協会とは?

昨年の晩餐会には俳優、
スティーブン・フライが出席
同じ年に英国で結成されたシャーロック・ホームズ協会(SHSL)は、戦争のためしばらく活動を停止していましたが、1951年のホームズ展をきっかけに再結成されました。この時、熱心なシャーロキアンであったマリルボン図書館の司書が、ベイカー街にホームズとワトソンの居間を再現したところ大人気だったことから、後に米国、そして日本でも展示されました。これは現在、ロンドンのチャリング・クロス駅近くにあるパブ「シャーロック・ホームズ」の2階で見ることができます。
シャーロック・ホームズの誕生日は1854年1月6日とシャーロキアンの間では考えられており、SHSLは毎年1月初めの土曜日に国会議事堂で晩餐会を開いています。

登場人物の扮装を楽しむフランスの
シャーロキアン
日本で初めてのホームズ同好会は、1948年にBSIの支部として結成された東京バリツ支部とされています。このバリツ支部は、ピカデリー・サーカスにある「クライテリオン・バー」(現在はレストラン)にロンドンで初となるホームズを記念する銘板を贈るなど、シャーロキアンの歴史に名を残していますが、ごく限られたサロン的な集まりでした。広く門戸を開いた組織としては、日本シャーロック・ホームズ・クラブ(JSHC)が1977年に結成され、会員数は1000人を超えて世界最大となっています。
この他、フランス、イタリア、オーストラリア、カナダを始め、ホームズを研究する団体は世界中で活動しており、 それぞれ研究を発表し、交流を深めています。
シャーロック・ホームズ協会
かつて男性のみの閉鎖的な紳士クラブであったホームズ協会も、現在ではシャーロック・ホームズを愛読するすべての男女に門戸が開かれています。興味のある方は下記にご連絡を。
● ロンドン・シャーロック・ホームズ協会
Robert J. Ellis 13 Crofton Avenue, Orpington, Kent BR6 8DU
E-mail:
このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください
www.sherlock-holmes.org.uk
日本シャーロック・ホームズ・クラブ事務局
〒178-0062 東京都練馬区大泉町2-55-8
www.holmesjapan.jp
協会関係者にインタビュー
シャーロック・ホームズ・ コレクション司書 キャサリン・クックさん

ヴァイオレット・スミスに
扮したクックさん
ベイカー・ストリート駅近くにあるマリルボン図書館 には、シャーロック・ホームズ・コレクションがあります。ここの司書を務め、ご自身もシャーロキアンであるキャサリン・クックさんにお話を伺いました。
─シャーロック・ホームズ・コレクションとは何ですか。ホ ームズ協会(SHSL)とは関係があるのでしょうか
シャーロック・ホームズの住んでいたベイカー街のあるマ リルボン区には、1951年のホームズ展をきっかけにホーム ズ関連の資料が集められました。それを基に1970年代半ば にマリルボン図書館にシャーロック・ホームズ・コレクションが公式に発足しました。SHSLとは公式な関係はありませんが、ホームズ展以来、会員有志が協力を続けています。
─どうやってコレクションの司書になられたのですか
マリルボン図書館の司書となってから1年後、私がホームズを愛読していることを知った前任者からコレクションを任せられました。
─初めてシャーロック・ホームズを読んだのはいつですか
8歳の時、兄と一緒にBBCでダグラス・ウィルマー主演のホームズ・シリーズを観てすっかり魅せられてしまいました。家にホームズの本があったので、読み始めたのです。
─好きなホームズの冒険譚ベスト3を挙げてください
たった3つですか? そうですね……
「悪魔の足」
これはウィルマー主演のホームズで最初に見たエピソードなので、思い出深いのです。
「孤独な自転車乗り」
SHSLではヴィクトリア朝の衣装で事件の舞台を訪ねるツア ーを行うのですが、私はこの作品の登場人物、ヴァイオレット・スミスに扮しています。
「バスカヴィル家の犬」
舞台の背景となるダートムアの情景の描写と物語が素晴らしいの一言に尽きます。
─好きな登場人物は
ヴァイオレット・スミスです。音楽好きで行動力があるところなど、私と共通点が多いからです。
─最も印象に残っている出来事は
1998年に日本の鎌倉で開かれたJSHCの大会に出席したことです。これがなければ日本を訪れることもなかったでしょうし、多くの素晴らしいシャーロキアンと出会うこともなかったでしょう。私たちのために研究発表には通訳がつけられ、その温かい歓迎に感激しました。このときに知り合ったシャ ーロキアンたちとは、今でもロンドンや米国で会っています。
ホームズをめぐる意外な真相
1. ホームズのせりふとして有名な「初歩的だよ、ワトソン君」(Elementary, my dear Watson)、実は原作にはありません。これは舞台でホームズ役を演じた俳優、ウィリアム・ジレットによって編み出されました。
2. トレードマークの鹿撃帽とインヴァネス・ケイプの記述は原文にはありません。「ストランド・マガジン」誌に掲載された際に挿絵を描いたシドニー・パジットがつけ加えたものです。
3. ホームズの母方の祖母は、実在のフランスの画家オラス・ヴェルネの妹とされています。これは「ギリシャ語通訳」でホームズ自らがそう語ったためです。
4. ホームズはフランス大統領からレジオン・ドヌール勲章を受けていますが、「ブルース・パティントン設計書」事件において、英国政府からの叙勲は辞退しています。そのため、フランス人のシャーロキアンの中には「ホームズはフランス愛国者である」と主張する人もいます。
5. 当時のベイカー街は85番地までしかありませんでした。ホームズが住んでいたとされる221番地が登場したのはベイカー街がアッパー・ベイカー街と一続きになった1930年のことです。
6. コナン・ドイルは1902年、ナイト爵を叙勲されます。しかしそれはホームズのおかげではなく、ボーア戦争における医師としての活躍が認められたためでした。ちなみにアガサ・クリスティは作家として 叙勲されています。
写真右)221B番地にあると主張している シャーロック・ホームズ博物館 www.britainonview.com
BBCワールド日本語部放送通訳者。中学生の時からシャーロック・ホームズを読み始め、英国留学をきっかけにロンドンのホームズ協会に入会してシャーロキアンとして活動し始める。各国のホームズ協会の会報誌や大学の紀要で研究を発表。代表作に「三体問題―モリアーティ、小惑星の力学、ポアンカレ」など。



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進行中のグルネル計画
3. コーヒー・タイムには、紙コップではなく、自分のマグカップを持参する。
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セーヌサンドニ

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7. Who is the current heir to the throne?
15. Where is the Prime Minister's official home in London?
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長編デビュー作「Thank You for Smoking」で抜群の笑いのセンスを見せたジェイソン・ライトマン監督の新作は、10代の少女の妊娠騒動をめぐるブラック・コメディーだ。主人公のジューノ役を務めるのは、「X-MEN: ファイナル・ディシジョン」や「ハードキャンディ」で複雑な役柄を演じ、20歳ながらすでに10年近い演技歴と大物の貫禄を持つエレン・ペイジ。彼女の鮮烈な、そして良い具合に力の抜けた演技は一見の価値有り。
ベン・アフレックが初の監督に挑んだ意欲作。先月フランスでプレミア上映され好評を得たこの作品だが、5月にポルトガルで4歳の英国人、マデリン・マッカーンちゃんが宿泊先から姿を消した失踪事件と内容が酷似しているため、現在、予定されていた英国での公開が配給元の判断により中止されている。
西部開拓時代を生きた伝説の悪党、ジェシーが手下のロバート・フォードに暗殺されるまでの日々、そして彼の生き様とその裏側にある本当の姿を描く西部ドラマ。ブラッド・ピットがカリスマ的な極悪人を好演、ベネチア国際映画祭で主演男優賞を獲得している。
伝記映画「バスキア」で監督デビュー、2002年の「夜になるまえに」では、ベネチア国際映画祭で審査委員グランプリを受賞したジュリアン・シュナベール監督。彼女の新作は、実在したフランス人ジャーナリストの奇跡的な半生を映画化したもの。
オティリアを演じるアナマリア・マリンカは、英国アカデミー賞テレビ部門で主演女優賞を受賞したこともある、注目のルーマニア人女優。この映画で、ルーマニア作品は実に11年ぶりにカンヌ国際映画祭のコンペティションに選ばれ、パルムドール賞を受賞した。
ドキュメンタリーの面白さ、そして何よりも「映画で現状を変えることができる」ということを世界に再認識させたマイケル・ムーア監督。かなりゴリ押しでテイストが強いため、ドキュメンタリーとしては珍しく、そのスタイルにはっきり好き嫌いが分かれるのも事実。しかし、米国の銃社会の真実を追った「ボーリング・フォー・コロンバイン」、そしてイラク戦争に真っ向から反対した「華氏911」の公開後に世界各国の観客が見せた諸問題への危機感と関心の高さから、監督の確かな実力が伺える。全米の医療業界で「マイケル・ムーア対策マニュアル」なるものが制作されたという今回の作品も、米国での公開後、来年の大統領選候補者の多くが「公的健康保険の導入」を公約に掲げ始めたという影響力の強さを見せつけた。
「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」で世界中にコアなファン層を獲得したウェス・アンダーソン監督の新作。大学時代に監督とルームメイトだったというオーウェン・ウィルソンとは、これでコラボ4作目となる。メイン・キャストは他に、エイドリアン・ブロディ(戦場のピアニスト)、 そしてアンダーソン・シュワルツマン(マリー・アントワネット)といった、演技派だけど、かなりアクの強い面々。アンダーソン監督らしい、周りに馴染めない、ちょっと変な人間たちを皮肉を交えながらもコミカルに演じている。脚本はアンダーソン、シュワルツマン、ローマン・コッポラ(フランシス・F・コッポラの息子で、ソフィア・コッポラの兄。シュワルツマンは従兄弟にあたる)の共同執筆というから、それだけで期待大だ。
「暴力映画は撮らない」と宣言してしまったギャング映画専門の監督キタノ・タケシ。なんとか話題作を創ろうと、いろんなジャンルに手当たりしだい挑戦するが、どれもことごとく失敗に終わる。そんな時、開き直ったキタノの脳裏に閃いたのは……?監督の映画に対する愛を盛り込んだ、笑いと衝撃のエンターテインメント作品。
海外映画祭での受賞が相次ぐ映像作家、園子温が作り出す異様な世界と、髪フェチを演じる大杉漣の怪演に釘付けになること間違いなしの、パニック・ホラー映画。ある日、美容師を目指す優子が働く美容室に、奇妙な男がエクステを売りに来る。しかし、そのエクステを身につけた女性たちが、次々と怪死し始め……。
周防正行監督が「Shall We ダンス?」から10年ぶりに制作した待望の新作。フリーターの金子徹平は、朝の通勤ラッシュで混雑する電車に乗り、身に覚えのない痴漢容疑を掛けられる。誰も彼の言葉を信じてくれず有罪判決が下るが、金子は無実を証明するために戦い続ける。第80回アカデミー賞外国語映画部門にエントリーされたドラマ作品。
90年代初頭、とある田舎町・松ヶ根で警察官をしている光太郎は、退屈な町の生活にうんざりしていた。しかしある日、流れ者のカップル、みゆきと祐二が松ヶ根にやってきてから事態は一転する。何か訳ありらしい2人の出現をきっかけに、ひき逃げ、金塊騒動、ゆすり、床屋の娘の妊娠と、町の平和に波風が立ち始める。
「萌(もえ)の朱雀(すざく)」でカンヌ国際映画祭新人監督賞を史上最年少で受賞した河瀬監督は、この作品で今年度の同映画祭にて、審査員特別賞を受賞した。軽度の認知症を患うしげきは、33年前に亡くなった妻の思い出と共に、奈良県の山間地で静かに暮らしている。新しく介護福祉士としてやってきた真千子と次第に心を開き合っていくが、ある日、2人は深い森に迷いこんでしまう。
前作「ピンポン」で独特な映像感覚を見せた曽利監督は、今回「3Dライブ・アニメーション」という世界最先端の技術で映像表現の限界に挑む。2077年、日本がハイテク技術を駆使して鎖国を強行してから10年が経つ。実情をさぐるため、米国特殊部隊のベクシルは日本に侵入するが、そこにあるのは荒涼とした大地だけだった……。全世界129カ国での公開も決定。
自閉性障害や知的障害を負う者が、数学や芸術などの分野で常人では考えられないような驚異的な才能を発揮する場合がある。サヴァン症候群と呼ばれるこの特異な能力を持って生まれた英国人男性による自伝「僕には数字が風景に見える」が今年6月に日本で出版されて以来、この不思議な現象に改めて注目が集まっているという。ハリウッド映画「レインマン」の主人公を彷彿とさせる著者は、イングランド南東部ケント州に住むダニエル・タメット氏。「英国のレインマン」と呼ばれる同氏が、電話インタビューに答えてくれた。
「数字は僕の友達です」と語るダニエルさんには、私達の目を通したものとは違った形で数字が見えている。例えば「37」は、「お米みたいにつぶつぶの形」をしている。「89」と聞けば、空からポツリと降ってきた小雪のような風景を思い浮かべるという。さらにはそれぞれの数字の性格まで把握しているというから驚きだ。「11」はフレンドリーだけど、「5」は何だかうるさい奴らしい。「最も好きな数字は、物静かで恥かしがり屋の『4』。シャイなところが、自分にそっくりだから」。ダニエルさんの口からは、おとぎ話の世界の住人を思わせる言葉が次々と飛び出してくる。
ダニエルさんも、このサヴァン症候群の例に当てはまるとされている。ただ映画の中の、首を斜めに傾げながら脈絡のない言葉を何度もせわしなく呟くように繰り返すあのレインマンを想像してしまうと、期待は大いに裏切られる。ダニエルさんは、まるで詩を朗読するかのようにゆっくりと優しく話すからだ。しかも想像力を喚起するような、美しい言葉を好んで使う。落ち着きのある低い声で、上品な英語を操りながら詩的な言葉を所々に挟み込んでいくから、彼の言葉そのものが詩の一節みたいなのだ。思わず聞き惚れてしまいそうになる。
ダニエルさんが映画版レインマンと異なるもう1つの点は、自分自身が何を考えて、そしてどう感じるかをきちんと第三者に説明できるということ。これはダニエルさんの自閉症状がごく軽度なものであるためなのだが、特異な能力を発揮するサヴァン症候群を抱える人間の中では非常に稀なケースだといわれ、医学研究機関から調査対象として引っ張りだこだという。「僕の場合は自閉症といっても軽度なので、ほとんど普通の生活を送ることができます。確かに、人が大勢集まるスーパーマーケットのような場所には気持ちが不安定になってしまうので行けないし、車の運転も絶対にできない。でも僕は自分がどういう環境を苦手とするかを知っていて、そういった場所を出来るだけ避けて毎日を過ごす方法を学んだので、特別な不便さはもう感じないのです。むしろ、いわゆる健常者でもなかなか実現できないような素晴らしい人生を送ることができていると思っています」。
ただ「誇り」を感じるまでには、長い道のりがあった。幼少期は、とにかく異常なほど泣いてばかりで家族を心配させた。そして4歳の時に、突然てんかん発作を起こす。ダニエルさんのご両親にとって初めての子供であったということと、今ほどてんかん発作についての予備知識がない時代の話。生命の危険についての心配はもちろん、周りの子供との明らかな違いに大いにうろたえた両親の間には、しばしば激しい口論が発生した。ダニエルさんは、隣の部屋から「ダークブルーな声」が聞こえると、地べたにしゃがみ込み頭を地面につけながら、両手で耳を塞いで時がただ過ぎるのを待ったという。
こうした社会活動を通して出会った人物の中で、ダニエルさんが特に印象に残っている人物がいる。ダスティン・ホフマンが演じたあのレインマンのモデルとなった、キム・ピークさんだ。米国のユタ州ソルト・レーク・シティ生まれのキムさんは、現在55歳。脳梁(のうりょう)欠損症と呼ばれる左右の大脳をつなぐ神経繊維が欠落した疾病ほか脳の各所に障害を負っている一方、1万2000冊もの本の内容を記憶しているという、まさに天才である。「英米のレインマンを会わせよう」というテレビのドキュメンタリー番組の企画によって、2人の会見が実現した。「彼との出会いは非常に印象深かったので、自伝の中でも1章をこのテーマだけに割きました。彼とは『通じ合う』という感覚を共有することができた気がするんです」。キムさんはきっと、ダニエルさんが1人で孤独に抱えてきた感情を、誰よりも理解していた。「彼は僕に、他人と違うことを恐れてはいけないって言っていたんです。そして私より重度の障害を抱えている彼が、様々な形で社会貢献をしようとしている姿を見て心を打たれました」。同じような孤独を感じた人間同士だったからこそ、理解し合える人を見つけた際の喜びもまた格別だったのだろう。
インタビューをする前から、どうしても聞きたかったことがある。幼い頃友人が全くいなかったダニエルさんにとって、数字は唯一彼を理解してくれる友達であったからこそ特別な意味を持っていた。それでは成人して社会的な役割を担えるようになった今の彼にとって、数字はどんな存在なのだろう。「正直、数字との関係については変化がありました。もはや私の一番大切な友達ではなくなった。きちんとした人間関係を結べるようになってから、実社会で築く関係性の方が大切であると考えるようになりました。でも、数字が私にとって今でも特別な意味を持っていることは確かです。そして私の大切な友達が住む世界と、数字に溢れたあの世界を両方持っていることこそ幸せであるとも思います。どちらかの世界を捨てなければいけない、ということはない。両方の世界を大切にしたい。いわば私は2つの国籍を持っているということでしょうか。私の友達、人間が住む国へのパスポートと、数字だらけの国へのパスポートを持った、二重国籍なんですよ」。最後まで、彼の言葉に酔いしれてしまった。






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「スレッドニードル通りの老婦人」の愛称で親しまれる連合王国の中央銀行、イングランド銀行。バンクの交差点付近に位置し、通りを挟んで向かい側には、高級ブティックやレストランに様変わりした旧王立証券取引所がある。シティの中心に位置する、まさにロンドンを代表する建造物の一つだ。
予約制だが、今年も長蛇の列が予想される「ガーキン」。芸術と科学の融合を目指す大建築家、ノーマン・フォスター卿設計の「キュウリの漬物」ガーキンは、今ではすっかりロンドンのランドマークとして定着した。ロンドンを360度眼下に眺めることが出来る最上階の展望フロアーは、カプセル状の無柱空間になっている。
産業革命と共に、英国が世界に誇るハイテク建築のトップ・スター、リチャード・ロジャース卿の代表作であるロイズ保険本社ビル。配管などの建築設備を外部に露出させた外観は、工場のような印象を与える。パリのポンピドー・センターは、ロジャース卿とハイテク建築の朋友、イタリアのレンゾ・ピアノが共同設計した出世作だ。
巨匠、ノーマン・フォスター卿設計のロンドン市庁舎。賛否両論はあるが、元々は環境を考慮した建築とされている。例えば「同じ容積ならば、直方体より球面にする方が、表面積が少なくなり断熱効果が高い」といった具合に。だが実際には全面ガラス張りのため、空調負荷が高く、光熱費が高くつくといった批判も起こっている。
長年にわたり遊閑地だったエリアを床面積の広い近代ビジネス・パークとして再開発した、フォスター設計のガラス張りのオフィス・ビル群。タワー・ブリッジやシティなどの眺望が最高だ。ロンドン・ブリッジ駅から市庁舎まで、敷地内を対角線上に横切るメイン・ストリートが特徴的。
ハイテク建築の父、リチャード・ロジャース卿の設計事務所。旧石油精製所をアトリエとして改装している。74歳という高齢を迎えるにあたり、後継者へのバトンタッチとして近年事務所の名前が変わったが、今もロジャースは健在。常に新しいデザインを発信し続けるデザインの現場を見ることができるのも、オープン・ハウスの醍醐味だ。
2012年ロンドン・オリンピックの開催地の一つ、リー・バレーの河口にあるコンテナ・シティ。輸送用のコンテナを積み重ね、デザイナーやアーティストのためのスタジオを造っている。人里離れた埠頭という立地上、一見近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、オープン・ハウス中なら堂々と見学することが出来る。
テムズ河を航行する船のように優美なフォルムのゲート。普段は川底に隠れている回転式の堰は、一般的に無骨なイメージのある河口堰とは大違いで、英国のインダストリアルな伝統と職人芸を感じさせる構造物だ。隣接するインフォメーション・センターでは、河口堰のメカニズムやテムズ河の生態系などを学ぶことが出来る。
鉄とガラスとコンクリートというマテリアルを駆使して確立された、これまでとは全く異なるスタイル。しかし工業化の波にもまれ、モダニズムは焦点を失う。単なる四角い箱の建物が世界中に繁殖してしまったのだ。そして各国の建築家たちは、こぞって次の様式を模索し始めた。そんな混沌とした時代にあってガラスや鉄を巧みにデザインしたシャープで機械的な建築が出現する。これがハイテク建築である。
今をときめく建築家、デービッド・アジャニの力作。斬新な色ガラスの組み合わせによるファサードは、灰色のイーストエンドに奇妙な光を照らしている。公共図書館のあり方・使い方についての新しい提案が随所に見られる新しい時代の図書館だ。
設計者と環境コンサルタントが手を組んだピーボディ・トラスト社による省エネルギー建築。BedZEDとは、「Beddington Zero Energy Development」の略で、エネルギー消費の少ない持続可能なサステイナブル建築の模範作だ。省エネのアイデアが盛り沢山な100戸の住宅と10のオフィス・スペースから成る。
未来の建築はどうなるか。その一つの解法として、流線的なフォルムや宇宙船のようなカプセル型の建築を造り続けるデザイン・チーム「フューチャー・システムズ」。王立クリケット場にあるロード・メディア・センターなどを手掛けた彼らが設計したこの教室は、子供に夢を与え、想像力を掻き立ててくれる。
レンガ造りの建物が立ち並ぶ都市のコンテクストの中に、一際目に付く白亜の集合住宅。街の景観、あるいは調和を乱す異文化の挿入とも取られかねない冒険的、実験的な開発。プライベートな空間とパブリックなストリートの関係性が豊かに表現されている。
作家イアン・フレミングにより映画「007」シリーズで希代の悪役に名前を使われた建築家ゴールドフィンガー。これら2つの建造物は、1950年代に起こったコンクリートの打ち放しのラフな表面、暴力的・威圧的な外観が特徴的なブルータリズム建築の記念碑的建物である。


London Fashion Week
知人から電話がかかってきて、50歳以上の女性を対象としたオーディションをするからあなたも応募しなさいって言われたんです。問い合わせ先の電話番号をもらったのでそこに連絡したら、オーディション当日にバスローブを持ってくるように指示されて。その時点で「これは何か変だぞ」って思ったのですが、ものは試しだと思ってとりあえずオーディションに参加することに決めました。
Doveのキャンペーンに続いて、大手デパートのジョン・ルイスも革新的なプロジェクトを始動させた。サイズ・ゼロならぬ、サイズ12のモデルを起用したキャンペーンを発表したのだ。話題を集めることで商業的な成功を実現することに加えて、女性の美をめぐった論議に一石を投じるのが狙い。PR担当のマーク・フォーサイスさんに話を伺った。
「サイズ・ゼロ」問題に対して警鐘を鳴らし続けているのが、「Beat」と呼ばれる摂食障害者を支えるためのチャリティー団体だ。「サイズ・ゼロ」の言葉が一人歩きしていることについて危機感を抱く同団体の代表者、スーザン・リングッドさんに意見を聞いた。


英国が、世界で最も高級で貴重な香水として生み出した傑作が、その名もズバリ、「No.1 Perfume Collection」。その中でも、1番高価なのがこれ、「No.1 Imperial Majesty」(500ml)だ。お値段は、11万5000ポンド(約2760万円)。どうしてそんなに高いかというと、クリスタルの最高峰、バカラのボトルに、5カラットの天然ダイヤモンドがキラリ。香水そのものは、1オンス1200ポンド(約25万8000円)の超贅沢品が16オンス。高すぎてちょっと手が出ない、という方には、お得な「No.1 Perfume」(30ml 1260ポンド)もございますよ! ということで。
使い勝手が良いのはもちろん、インクを詰め替えれば半永久的に使用でき、経済的でもある万年筆。しか しスイスを代表する高級文具メーカー、カランダッシュが発表した「La Modernista Diamonds」は、書き味を試すのもはばかられるほどのお値打ち品。銀のボディーに5072個のダイヤモンドと96個のルビーが埋め込まれ、お値段はなんと16万4000ポンド(約3940万円)。「世界で最も高い万年筆」として、ギネス・ブックにも掲載されている。世界で限定1本のこの万年筆は、現在ハロッズで販売中。手には取れなくとも、ぜひ本物を見てみたい。
カクテル1杯、あなたならいくら払う?せいぜい10ポンドぐらいではないだろうか。ところが、マンチェスターのハーヴェイ・ニコルズで2005年に発表された「Dazzle Cocktail」は、1杯1万5250ポンド(約350万円)! それもそのはず、ストロベリーとライチのシャンパンの中に浮かぶのは、ピンク・クンツァイトという希少な宝石とダイヤモンドがついた指輪なのだから……。ちなみに、このDazzle Cocktailはシリーズで展開。一番高いのは2カラットのピンク・トルマリン・リングが入った2万7000ポンド(約550万円)の1杯で、なんでもセキュリティに守られながら運ばれてくるとか。ロマンティックな気分にひたっている余裕もなさそう?
みなさんすっかりおなじみのロンドン名物、ダブル・デッカー。縦横無尽に走るこのバスの中で、1番長いルートは、「X26」番。ヒースロー空港からイースト・クロイドン(ロンドン南部ゾーン5)まで、34キロの道のりを約80~123分で結んでいる。始発から終点まで乗ったら、ずいぶん得した気分になりそうだ。ちなみに、まさにずばり「No.1」は、どのルートかご存知?トッテナム・コート・ロードからカナダ・ウォーターを結ぶルートがそれ。といっても、1番最初に開通したルート、というわけではない。
英国一どころか、世界一のものがある。ロンドン・チューブはノーザン・ラインにある「ハムステッド駅」だ。何がかといえば、1番深いところにある地下鉄駅。ハムステッド・ビレッジが急な丘の上にあるため、その麓にある駅は深く、地下58.5メートル。ギネス・ブックにも載っている。考えてみるともっと驚くのは、そのオープンが1907年ということ。日本ではまだみんな着物を着ていた明治時代、そんなところまで掘った英国鉄道マンたちの偉業に拍手!(日本で1番深い駅は大江戸線六本木駅42m)
ロンドンの地下鉄って、日本のそれと比べて、どこもかしこもエスカレーターが長いと思わない?中でも1番長いのが、これまたノーザン・ラインにある「エンジェル駅」。世界一とは言えないけど、西ヨーロッパ最長のその記録は、長さ60メートル。たしかに下から見ると、頂上が見えないほどの長さ!昨年には、ここをスキー板を履いて滑り降りるという無謀な挑戦をして、地下鉄員や警察からかなりの処罰を受けた輩もいるのだとか。アルペンを思い出させるような佇まい、さすがは英国一の長さだ。
英国が世界に誇る「1番」と言えば、こちらもおなじみの「ロンドン・アイ」。1999年に完成した観覧車で、頂点までの高さは135メートルと世界最大!だったはずが、2007年3月、中国にそれを超える160メートルの巨大観覧車が完成、トップの座を奪われた。しかし、英国内ではしばらく1番でいられることは間違いないだろう。また、ロンドン・アイの1 つのカプセルの定員は25人で、これはいまだに世界一!
建築規制が厳しく、「高いビル」なんて存在しなかったヨーロッパ。そこへ1966年、当時の英国人たちの度肝を抜く高さでそびえ立ったのが、117メートルの「Centre Point」。その後15年間、他の追随を許さぬ高さで不動の地位を誇っていた。しかし時代は移り変わり、1980年にはさらに高い183メートルの「NatWest Tower」(現・Tower 42)が完成。そして、1990年には、ついに200メートルの大台を超えた「One Canada Square」が登場。235メートルの高さを誇り、今のところこれが英国一の高いビル。しかし21世紀も迎えた今、2012年にはオリンピック開催を控えていることもあって、ロンドンではスカイスクレイパーの建設ラッシュが起こっている。中でも、2012年完成予定の「Shard London Bridge」は、310メートルの高さで堂々の1番になる予定だ。
たいと
英語
ジョン・グレン
ギネスブック
ルイス・フィリペ
君が代
500円玉
一般に流通しているなかで、世界一額面の高い紙幣が、シンガポールの「10,000ドル札」。 日本円にしてなんと、 これ1枚で75万円超!うっかり落としたり、スラれたりしたら大変!(※2005年時点)
オンラインで申請 4~6週間で審査結果が
鮭の日
ピーナッツの日
電池の日
靴下の日
サッカーの日
下駄の日
配線器具の日
リメンバランス・デー





いまだに古めかしい儀式を行なうのはなぜ?
フリーメイソンの起源

コベント・ガーデンの駅を出て東に歩いていくと、すぐにグランド・ロッジの建物が目に入った。期待と不安を抱えながら建物に近づいていくと、ちゃんと博物館の案内が出ていた。そして、建物に恐る恐る足を踏み入れる。左側から突然声がかかったので振り返ると、そこには老紳士が。ここで博物館に行きたいことを伝えて、受付名簿にサイン。建物内の博物館の場所と、30分後に無料のガイド・ツアーが実施されることを教えてくれる。どことなく語り口も穏やかで、さすがは友愛を信条とするフリーメイソンだと感心する。
ツアー開始を待つ間、博物館の展示を見る。ここには、フリーメイソンの衣装を始めとする様々なコレクションが展示されている。ガイド・ツアーが始まる時間になって、ガイドの老紳士が現れる。ちなみに、ガイド・ツアーは1時間おきにあるようで、この老紳士も「今日3回目で疲れたよ」と冗談交じりに言う。ガイド・ツアーの参加者は意外にも多くて総勢10名。その国籍は米国人の老夫婦が2組4名、ニュージーランドの若者が2人、スペインからの女性が2人、アジア系の女性が1人、そして筆者である。
まずは、簡単なフリーメイソンの概略の説明から始まった。この老紳士はガイド担当だけあって、話もユーモアにあふれていて参加者を楽しませてくれる。いよいよ建物の内部に入ると、最初の部屋には歴代のグランド・ロッジにおけるグランド・マスターの肖像画が。そこには現在のグランド・マスターであるケント公の顔もあった。
続いて両脇にたくさんの部屋が並んだ幅の広い廊下を通ると、床も壁もきれいに磨かれていることに気付く。さすがフリーメイソン、細部まで手入れが行き届いているな、と妙に感心しつつ歩いていくと、Grand Templeと呼ばれるフリーメイソンの儀式が行われる大ホールの前に辿り着く。ここの天井にはフリーメイソンのシンボルを使った装飾が描かれていることを発見。Grand Templeの入口となっている大きなドアに施された彫刻の説明を終えた老紳士ガイドが、ついにそのドアを開ける・・・・・・。






