(村上 祥子、中井亮太)
「贅沢」の本質を知る店
John Lobb
「贅沢」という言葉の本質を知ることのできる場所。それがジョン・ロブ、オーダーメイドの靴屋として、その名を知られた店である。吹き抜けになった高い天井、重厚感溢れる店内。まるで小さな美術館に足を踏み入れたと錯覚を起こすかのような空間の中央に置かれたガラス・ケースには、靴のサンプルが恭しく展示されている。地下には、壁一面を覆い尽くす靴の木型の山と、10人ほどの職人が作業を行う工房。上階とは全く異なる、妥協を許さぬ厳しい空気がピンと張りつめる。オーダーから完成までにかかる期間は、約6~7カ月。費用は2000ポンド前後。不況が世を襲うなか、こうした買い物を高いと見るか、妥当とみるか。その答えは、かつては自身も職人として働いていた経営者、ジョナサン氏の「制作期間を長いとも、この値段が高いとも思いません。我々はそれに見合うクオリティの高い靴を、一人ひとりのお客様のためにつくっているのですから」と言い切る言葉と、半年もの期間を経てつくられる靴の中にあるのかもしれない。
John Lobb
9 St. James’s Street London SW1A 1EF
Tel: 020 7930 3664
月~金 9:00-17:30、土 9:00-16:30
www.johnlobbltd.co.uk


上写真: 落ち着いた空気が 流れる店内のガラス・ケースに飾られたご自慢の靴の数々。店内に置かれた靴はすべてサンプルだ。左: 前 後左右、どこを見渡しても木型の山。右: 揺るぎない自信が微笑みから滲み出る ジョナサン氏。
英国紳士の「粋」を知る
Bates
帽子を被るということは、日本人、特に男性にとっては非日常的な行為であろう。しかし、英国人紳士にとって帽子は必需品。英国人の心意気を肌で感じるには、自分にしっくりと馴染む帽子を一つ、選ぶことが早道かもしれない。ジャーミン・ストリートに100年以上 もの長きにわたって店舗を構えるベイツ。薄暗く、こじんまりとした 店内の壁には、一分の隙もないほどに帽子が積まれているが、温かみのある生地の質感と色合いが、圧迫感を覚えさせない。シルクハットやソフト帽、シャーロック・ホームズの代名詞ともなっている鹿打帽にカジュアルなツイード・キャップなど、帽子の種類は千差万別。「どれだけの帽子があるか、自分でももう分からないよ」と苦笑するのは4代目オーナー、ティムさん。いかにも英国紳士らしい渋みに溢れているが、一方で自分の愛用の帽子を取り出してきてはさっと被りポーズを取ってくれる、無邪気な人でもある。まるで体の一部であるかのように颯爽と帽子を被りこなす姿に、伝統を守る頑なさだけでなく、ユーモアと余裕を併せ持つ英国紳士の「粋」を見た。
Bates
21a Jermyn Street, St James’s London SW1Y 6HP
Tel: 020 7734 2722
月~金 9:30 ~ 17:15、土 9:30 ~ 16:00
www.bates-hats.co.uk


上写真: 1921~26年に同店のマスコット猫として活躍していたブリンクス君の剥製。左: 外観は思ったより小さめ。右: お茶目でダンディーなオーナー、ティムさん。これぞ英国紳士。
質実剛健に終わらぬこだわりの数々
James Smith & Sons
雨の街、ロンドンに何よりもしっくりとくる店とも言えるのがこの「ジェームズ・スミス・アンド・サンズ」。創業1830年、老舗の傘・ステッキ屋である。客層は、海外からの旅行客から、磨きこまれた愛用の杖の修復に訪れた常連客までさまざま。どっしりとした木の柄を持った、黒や茶を基調とした無地のシックな傘が並ぶなか、目に付いたのは、「seat stick」と書かれた一角。散歩や狩猟で一休みしたいとき、椅子に早変わりするステッキなのだというが、見た目には何ら他の製品と変わりない。発想そのものが英国的ならば、決して派手ではないがこだわりの心は忘れない、その心意気もいかにも英国らしい。俗ながら最も高価な傘は、と尋ねたところ、店員のアーノルドさんが持ってきてくれたのは、一見何の変哲もない黒い傘。「この傘は2000ポンドする。柄に使っているのがスネークウッドなん だ。ヘビ柄にも見える木目が実に美しいだろう?」時代を問わず愛され続けるこの店には、質実剛健の精神の中に息づく、目には見え ないこだわりの数々が溢れている。
James Smith & Sons Ltd
Hazelwood House, 53 New Oxford Street London WC1A 1BL
Tel: 020 7836 4731
月~金 9:30-17:15、土 10:00-17:15
www.james-smith.co.uk


上写真: 見るからに老舗の雰囲気を醸し出す店内。左: 女性向きの色鮮やかな傘もある。右: これが 「seat stick」。ステッキの取っ手部分を開くと、椅子の座席部分になる。
飛び地のような静謐な空間
Arthur Beale
「何故、ロンドンの中心地にこんなお店が?」と驚きながら入店する人が後を立たないという船舶小物の専門店。ヨットが描かれた看板に水色の壁、店内に吊るされた浮き輪など、海辺の街のマリン・ショップを思わせる爽やかな外観が目を引くが、中に入れば一転、船舶用金具やロープといった実用的な専門用具が整然と並べられている。店の創業は今から約110年前。「こんな場所に何故、と驚く人がいるが、考えてもみてほしい。100年以上も前、この辺りはテムズ河の交易で栄えていたんだよ」と微笑みながら言う高齢の店員の言葉には思わずこちらも納得。現在の顧客は主に、海辺に船舶を所有するロンドナー。意外なところでは、ウェストエンドの劇場も上得意なのだとか。何でも舞台装置には、船舶用の頑丈なロープがぴったりなのだという。まるで飛び地のように、ここだけ海辺から切り取られてきたかのような空気感を持った店は、その存在意義を少しづつ変えながら、今もロンドンの繁華街にひっそりと佇んでいる。
Arthur Beale
194 Shaftesbury Avenue London WC2H 8JP
Tel: 020 7836 9034
月~金 9:00-18:00、土 9:30-13:00


上写真: マリン・ショップのような外観とは全く異なり、実用的な商品が並ぶ店内。 左: 海と言えばやはりこれ。ボトル・シップも飾られている。右: 丈夫な紐やロープはロンドン内の劇場でも人気。
一族の温もりに包まれるひととき
E Pellicci
昨年12月、ロンドン東部にある小さなカフェに、著名人を含む多くの人々から、ある人物の死を悼む声が寄せられた。亡くなったのはネヴィオ・ペリッチさん、83歳。1900年創業、ロンドンで最も古いカフェの一つと言われるE・ペリッチの名物オーナーだった。第二次大戦後、ロンドンには2000軒ものイタリアン・カフェがあった。しかし有名チェーン店進出の影響で、現在も営業を続けるのはわずかに500軒前後。そんななか、E・ペリッチは今でも家族経営の形態を守り続ける、数少ない店である。店内で印象的なのは、ネヴィオさんの母、エリデさんが腕利きのイタリア人職人につくらせたというアール・デコ調のモザイク木壁。レジの奥には一族の写真がずらりと並び、正面には、エリデさんを称え「EP」と記されたプレートが飾られている。料理は先代オーナーの奥さん、マリアさんの担当。40年間、その味は変わっていない。名物オーナー亡き後も、ペリッチ一族の家庭の温もりは、この小さなカフェを優しく包みこんでいる。
E Pellicci
332 Bethnal Green Road,
Bethnal Green London E2 0AG
Tel: 020 7739 4873
月~土 7:00-16:30


上写真: アール・デコ調のインテリアが独特の雰囲気を醸し出す店内。なんと歴史的建築物保存を目的とする政府機関、イングリッシュ・ヘリテージ のグレードⅡに認定されている。左: ランチ・メニューは5~6 ポンドで ボリューム満点。右: 料理担当のマリアさん。
時代とともに変わるもの、変わらないもの
Allens of Mayfair
アレンズ・オブ・メイフェア。その名が示す通り、ロンドン屈指の一等地メイフェアにある肉の専門店である。一流ブランド・ショップと見紛う豪奢な外観、クリーム色と深緑色のテラコッタ・タイルの壁と、すっきり片付いた広々とした店内。この店は、一般に言うところの肉屋のイメージからはかけ離れた雰囲気を漂わせている。店内中央には、15年間使い続けているという八角形の巨大な肉切り台。1日2回、表面を削っているというこの台は、生肉を扱っているというのにあくまで清潔で滑らかだ。客は360度、どの角度からでも、自分の手にすることになる肉が切り取られていく様を見ることができる。商品はほとんどが国内産。スコットランド産の牛肉に放牧豚、独占契約を結んだ養鶏場から運ばれる七面鳥と、店の名物ともなっている狩猟鳥 ──。創業、1830年。以来、同じ地で肉屋を営み続けるこの店は、時代の変遷を経て、幾度かその持ち主を変えてきた。しかし、アレンズの名とともに、商品に対する絶対的な自信が変わることはないのだ。
Allens of Mayfair
117 Mount Street, Mayfair London W1K 3LA
Tel: 020 7499 5831
月~金 6:00-18:00、土 6:00-14:00
www.allensofmayfair.co.uk


上写真: エレガントな外観にぶら下げられた巨大な生肉の組み合わせがなんともミス・マッチ。左: ゆるやかに湾曲している八角形の肉切り台。右: 商品には生産地・国を明記。
ロンドンに薫り高いコーヒーを
Algerian Coffee Stores
世界各国にコーヒーや紅茶を輸出する専門店、その言葉だけを頼りにこの店を訪れたら、きっと驚くことになるだろう。赤い壁に赤い庇の小さな店舗。10畳ほどの店内は、ともすれば古びた食料雑貨店かのような印象を与える。しかし、棚にところ狭しと置かれた商品の数々をよく見てみれば、すぐにその当初の印象が誤りであったと分かるはずだ。瓶詰めされた数々のコーヒー豆や茶葉には手書きのラベルがきっちりと貼られ、大きな木のボードには、取り扱い商品名がぎっしりと記されている。店の一角にあるのは、淹れたてのコーヒーを楽しめるコーナー。立ち飲みもしくは持ち帰りのみだが、その価格はエスプレッソ70ペンス、カプチーノが95ペンスと、驚くべき安値を守り続けている。100種以上のコーヒーと160種以上の紅茶を揃えているというこの店が誕生したのは1887年のことだという。街の至るところで気軽にコーヒーを楽しめるようになった昨今。しかしそれよりはるか以前からこの店は、ロンドンの片隅で、コーヒーという新しい文化の薫りを漂わせていたのである。
Algerian Coffee Stores
52 Old Compton Street London W1D 4PB
Tel: 020 7437 2480
月~金 9:00-19:00、木、金 9:00-21:00、土 9:00-20:00
www.algcoffee.co.uk


上写真: ガラス瓶にきっちりと仕分けされたコーヒー豆と大きな商品ボー ド。左: エスプレッソ70ペンス、カプチーノ95ペンス。昔ながらの驚きの安値が嬉しい。右: コーヒー・マシンからはコ ーヒーの香味が立ち昇る。
労働階級の人々のソウル・フード
A. J. Goddards
英国を代表する料理、と言えばフィッシュ・アンド・チップスを思い浮かべる人が多いだろう。しかし昔、ロンドン東部に住む労働者階級の人々にとってのソウル・フードはパイ・アンド・マッシュだった。テムズ河の交易により、新鮮な食材が市場に届けられたこの地では、その食材の余り物を使った牛肉やウナギのパイが手軽に食べられたのである。1890年にオープンしたゴッダーズでは、現在でも2.40ポンドという手軽な値段で、パイ・アンド・マッシュを味わうことができる。中身は牛肉のみ。「それほど高価な肉を使っているわけじゃないけれど、パイを美味しくする秘訣があるんだ」と笑うのは、3代目オーナーのクリスさん。その秘密は何か、尋ねてみると、「秘密は秘密さ。日本人だって、自分たちの優れた技術を、他人には教えないだろ」とにやり。パイに舌鼓を打っていた常連客が一斉に大笑いした。変わることなく受け継がれる下町の味。伝統とは、高級品だけでなく、どんなものにでも宿る、後世にまで伝えたいと願う人々の意志なのだ。
A. J. Goddards
203 Deptford High Street London SE8 3NT
Tel: 020 8692 3601
火~土 9:30-14:45


上写真: 焼きたてのパイを手に、にっこり笑顔のオーナー、クリスさん。左: ソースの種類はグレイビーとリカーの2種類。このボリュームで2.40ポンド。右: 店内には、同店の歴史が記された新聞記事が飾られている。



パン柄トートバック販売中










ウィリアム・グラッドストン元英国首相に「神さまの食べもの」と称されたクロテッド・クリーム。その歴史は長く、紀元前500年ごろにレバノンからフランス北西部の地域に製造方法が伝えられ、その後、この食文化はイングランド南西部に位置するデボン州とコーンウォール州に定着した。英国のほかの地域と比べ、比較的温暖で日照率が高い両州は肥沃な土地にも恵まれ、クリームの製造に欠かせないジャージー種が多く飼育されていたことから、クロテッド・クリームはこの2つの州の特産物になったという。それぞれ「デボンシャー・クリーム」と「コーニッシュ・クリーム」と呼ばれ、現在「本物」のクロテッド・クリームが製造されているのは両州とレバノンだけだと言われている。
120年の伝統の味をご家庭で


頭から背中にかけ、一直線に伸びる白毛が特徴のヴォージュ種は、フランス北東部アルザス地方のヴォージュ山脈を中心に生息する牛。この種は、17世紀に迎えた30年戦争時代(1618~48)にスウェーデン人がフランスに持ち込んだものが起源とされている。ヴォージュ山脈の気候が寒さの厳しい北欧諸国の気候に酷似していることから同種はめきめきと増殖し、20世紀初めには12万頭を超えた。
世界有数のチーズ生産国であるフランスでは、数千種類にも上るチーズが作られていると言われている。ここで紹介したいのは、アルザス地方やスイスとの国境に位置するフランシュ=コンテ地域圏、ヴォージュ山脈付近のヴォージュ県などを代表する、ヴォージュ種のミルクを使用して作られたチーズ、「マンステール」。マンステールは、フランス製のワインやチーズなどに対して与えられる認証「AOC」を持つ、アルザス地方唯一のチーズとしても有名だ。
世界三大料理の一つにも数えられるフランス料理だが、それに欠かせない食材の一つがバターである。マンステール・チーズに比べると生産量は少ないものの、アルザス地方ではバターも生産されていて、中でも南部に位置するリンタル村で作られるものが有名だ。豊かな自然に囲まれ、高山の牧草を食みながらスクスク育ったヴォージュ種のミルクから作られたバターには、ほかにはない自然の味わいがある。目印は、表面に付いたかわいい牛のマーク。このバターがアルザス料理に合うのは言うまでもない。


世界で最も有名な牛の品種といっても過言ではない、ホル スタイン種。同種の原産地は、ライン川河口の低湿地であるオランダのフリーネ地方と、ドイツ北部のシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州に当たる地域である。あまり知られていないが、この品種を立派な乳牛に育て上げたこの2つの地方の名を冠した「ホルスタイン・フリーシアン」というのが正式名称だ。
消費者が、いつもの牛乳からビオ牛乳へと切り替えるのは簡単なこと。だが農家にとって、その変化は一体どんな形で現れるのだろう。ドイツ北西部、ノルトライン=ヴェストファーレン州で酪農を営むユリアン・トーレンさんは「ビオ牛乳作りが難しいのは事実。でも、私は消費者の人生を『食』の面から応援していきたい」とその情熱を語る。
普通の牛乳と比べ、栄養価の面でも味の面でも勝っているビオ牛乳だが、それは飼育方法に秘密があるようだ。トーレンさんによれば、乳牛が緑の草を食べれば食べるほど、乳の色がより白く、美しく変わるという。「生まれてすぐの仔牛は母牛の母乳で育て、十分な敷地の中で放牧し、無理のない搾乳サイクルを組むことで、牛自身の体力が付いてくる。すると、その牛から取れる牛乳にはたくさんの栄養が含まれ、風味も豊かになるのです」。





ジョセフ・マーカムさん















Arran Brewery
Eynon’s
Pieminister
James White
House of Cheese
Dee Fish
Royal Mile Whiskies
Abel and Cole
House of Fraser
Marks & Spencer
John Lewis
Debenhams
The Chocolate Fondue Company
Serenataflowers.com
Thorntons
So Organic
Oxfam Unwrapped
Practical Action
Natural Collection
inthepaper.co.uk
Universal Star Listing
Lastminute.com
Extreme Element
日本でディスプレイ制作会社に6年勤務した後、来英。語学学校に通っている間にElemental Designにパート・タイマーとして採用され、2006年に労働ビザを取得。以来、同社にてディーゼルやラコステ、スワロフスキー、ルイ・ヴィトンなど、有名ブランド店のディスプレイ・デザインを手掛けている。
Elemental Design






































ポールによる下絵をもとに、ポップ・アーティストのピーター・ブレイク卿がデザイン。4人の背後には彼らがヒーローと崇める歴代の著名人たちが勢揃いしている。当初、ジョンはヒトラーも候補に挙げていたが、撮影当日に却下されることとなった。(写真提供:Toot'n Reg)
60年代にサイケデリック・アートの一時代を築いたオー ストラリア人アーティスト、マーティン・シャープの傑作。ビクトリア時代の版画も取り入れた絢爛(けんらん)なデザインだ。シャープは収録曲「Tales of Brave Ulysses」で歌詞も提供している。(写真提供:Toot'n Reg)
クリムゾン作品の歌詞を担当していたピート・シンフィー ルドの友人で、コンピューター・プログラマーのバリー・ゴドバーが自画像として描いた作品。ゴドバーは本作リリース直後の1970年に、心臓発作により24歳の若さで急逝している。(写真提供:Russell Taylor)
1969年8月8月、レコーディ ングを行った「EMI」のアビー・ ロード・スタジオ前で撮影され た、あまりにも有名な1枚。こ ちらもポールによるスケッチが 原案。フォトグラファーのイア ン・マクミランが撮影にかけた 時間はたった10分だという。(写真提供:Satori K)
ベーシストのロニー・レーンが、当時マリファナ入れとしてよく使われていたタバコ缶に着想を得て、ビクトリアン・デザインのパッケージで有名なタバコ会社「オグデンズ」に協力を仰ぎ制作。12インチのオリジナル盤は見開き5面の円形ジャケット。(写真提供:Toot'n Reg)
The Whoの3作目となる、ラジオ局とCMをテーマにしたコンセプト・アルバム。ジャケットも商品広告を意識しており、前後面をそれぞれパネル状に2分割し、各メンバーが巨大化された食品や日用品を手にしているというポップなデザイン。(写真提供:Nick Collins)
デザイン・グループ「ヒプノシス」のストーム・ソーガソンがタイトルとアートワークを担当。シド・バレット脱退後ともあって「不在」をテーマにしており、炎に包まれ燃えている男が握手しているイメージは、初対面の際に本心を明かすことを嫌う人間心理を象徴しているとされる。(写真提供:Nick Collins)
本物のジッパーが付いた斬新なカバーは、アンディ・ウォーホルの発案。ジッパーを下ろすと、後にバンドのロゴとなるベロ出しリップ柄を施したブリーフのカードボードが現れる。同作は猥褻との理由で物議を醸し、スペイン盤は別デザインに変更された。※ 写真は一部破損(写真提供:Nick Collins)
ストーム・ソーガソンのデザイン。巨大なブタの風船をロンドンのバタシー発電所上空に飛ばし、3日間かけて撮影。途中、風船が空高く飛んで行ってしまい、一時は警察も出動する騒ぎとなったが、最終的にケント州の農場にほぼ無傷で着地したのだとか。(写真提供:Nick Collins)
ピンク・フロイド創始者の一人、シド・バレットのソロ2作目にして最後のスタジオ・アルバム。もともと画家志望でアート・スクール出身のバレットが自ら描いた昆虫の絵に、絶妙なタイポグラフィによるタイトルが添えられた、儚さが漂う美しい1枚。(写真提供:Nick Collins)
ハリウッド女優たちとバンドのメンバーが交互に配された内ジャケットの写真が、外ジャケットの切り抜かれた顔部分からのぞくという凝った仕様。レーベル側が女優たちに正式に許可を取らなかったことから、後に裁判沙汰に発展した。(写真提供:Satori K)
バンド・メンバーの50'sスタイルへの愛好を反映したデザインは、その後ロキシー・ミュージックのアートワークを数多く手掛けたニック・ドヴィルが担当。カバー・ガールは、後にミック・ジャガーの弟、クリス・ジャガーと結婚した、カリ=アン・ミュラー。(写真提供:Toot'n Reg)
通算6作目となる2枚組アルバムで、ニューヨークの4階建てフラットの写真を使用。内ジャケットに描かれた人物写真や絵が、外ジャケットのくり貫かれた窓部分から見える仕掛け。1976年のグラミー賞でベスト・アルバム・カバー賞に選出されている。(写真提供:Toot'n Reg)
スイス人画家でデザイナーのH・R・ギーガーによる原画を採用。表面は2枚仕立てで、観音開きのトップ面を開くと女性像が現れる。後に映画「エイリアン」のデザインを手がけて世界的に人気を博したギーガーの、初の公式作品としても有名。(写真提供:Nick Collins)
アート・スクール出身のイアン・デューリーも絶賛のグラフィック・アーティスト、バーニー・バブルズがデザインしたバンド2作目のアルバム。背景に使われているのは壁紙のサンプルで、12以上のパターンが制作された。バブルズは1983年に自殺。(写真提供:Nick Collins)
セックス・ピストルズのアートワークといえば、ジェイミー・リード。どぎつい色にランダムなレタリングを配した、シンプルながら強烈なデザイン。これ以上ないほどの粗さとインパクトの強さが、バンドのイメージに完全マッチ。(写真提供:Kaz)
「ヒプノシス」による高いデザイン・コンセプトをもつ1枚。「This is a RECORD COVER」から始まって、機械的で皮肉めいた解説が続き、読んでいるとまるでロボットが喋るのを聞いているような感覚に陥る。音もジャケットに違わず斬新で前衛的。(写真提供:Nick Collins)
グラフィック・デザイナーのピーター・サヴィルは、もう一人のメンバーと言っても過言ではないほど、デザイン面でバンドと密接に関わってきた。フロント・カバーの人物は意外な抜擢、ドラムのステファン・モリス。トレーシング・ペーパーの効果が生きたクリアでミニマルなデザイン。(写真提供:M.E)
性的な歌詞が問題になり放送禁止となった大ヒット作「Relax」 や、米ソ冷戦を批判した「Two Tribes」等で一世を風靡したFGTHのデビュー作。このカバー絵は、当時アート・スクールを出たばかりだったロ・コール作。(写真提供:M.E)
ニルヴァーナやレディオヘッドなどにも多大な影響を与えた米国出身の彼らは、デモテープを英レー ベル「4AD」に気に入られて英国からデビュー。アートワークはヴォーガン・オリバーが一貫して 担当しており、サウンドに合ったシュールで退廃的なイメージ。(写真提供:Nick Collins)
20年代のドイツの芸術活動「バウハウス」に名を借りた彼らは、ゴシックの元祖。ライブでは常に黒い衣装を身にまとい、ストロボ・ライトの閃光による演出のもと、ダークで激しい音を鳴らしていた。これはそんな彼らの表現活動をビジュアル化したような1枚。(写真提供:Nick Collins)
菜食主義を声高に訴えた名作。スミスのカバーのほとんどはモリッシーが選んだ古い映画や写真のイメージだが、本作では1968年のドキュメンタリー映画「亥年」のカットを採用。ヘルメットに書かれていたオリジナルのスローガンは「Make War Not Love」。(写真提供:Kaz)
伝説のクラブ、「ハシエンダ」で見出されてファクトリー・レコードと契約。後に全盛となるマッドチェスター・ムーブメントの先駆けとなった1枚で、同ムーブメント関連のアートワークの担い手だった「セントラル・ステーション・デザイン」がカバーを担当。(写真提供:M.E)
90年代のマッドチェスター全盛期を代表するアルバム。音、アートワークともに当時のドラッグ文化の影響をモロに反映。前面にタイトルなどが一切入っていないにもかかわらず、バンドおよびEカルチャーの出現を象徴する1枚として広く認知された。(写真提供:Satori K)
メンバーのカール・ハイドとリック・スミスが所属するデザイン集団、「トマト」の作品。混迷するラインと文字を配した過不足のないデザインは、エレクトロニック・ビートとカットアップの美学を見事に反映。ダンス・アルバムのデザインにおける新基準となった。(写真提供:Satori K)
メンバーの1人でデザイナーの3Dは、自然史博物館のために昆虫の写真撮影をしていた経験もあるファッション写真家、ニック・ナイトの作品を起用。南米産の珍種カブト虫の頭部写真に特殊加工を施し、シャープで危険、かつ力強いイメージを完成させた。(写真提供:Satori K)
今や飛ぶ鳥落とす勢いの、グラスゴー出身の4人組。全員アート・スクール出で、ビジュアル・イメージも自ら手がける多才ぶり。2作目となる本作では、ロシア構成主義を代表する前衛芸術家、アレキサンダー・ロドチェンコの作品をモチーフにしている。(写真提供:Satori K)
1994年以降、バンドの全作品のアートワークを担当しているスタンリー・ドンウッドが本作で描いているのは、熱と冷気が一度に迫ってくるような、山脈を中心とする風景。ドイツの画家、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒなどからの影響も見て取れる。(写真提供:Satori K)
通算8作目となる本作では、2作目以降、全作品のカバー・デザインを担当してきたピート・ファウラーに代わって、日本人アーティストの田名網敬一を起用。バンド・メンバーが来日時に田名網氏の作品を見て「ブッ飛んだ!」ことから採用が決まったという。(写真提供:Chinami)



Superfuzz Bigmuff
Long Island (single)
Jesus Meets The Stupids
Up All Night! 30 'Northern Soul Classics'
In The Land Of
Plastic Ashtray (Single)
Inside In / Inside Out
Cosmic Slop
Radiator
6 For A Fiver 
*英国人コメディアンのラッセル・ブランド、テレビ司会者ジョナサン・ロスが、BBCのラジオ番組内で、コメディ俳優アンドリュー・サックス氏の孫娘と性的関係を持ったとする内容を同氏の留守番電話に残すという悪ふざけを行った。これが聴取者などからの抗議を呼び、後日発表した声明の中で、両者は共に謝罪した。









